失踪宣告の流れ|審判確定までには10ヶ月から1年ぐらい必要

失踪宣告の申立てを家庭裁判所にしても、すぐに審判が確定するわけではありません。

むしろ、申立ての準備をする期間よりも、申立てをしてからの方が長いです。

申立てをしてから審判確定までの流れを確認しておいてください。

1.家庭裁判所に失踪宣告の申立てをする

失踪宣告の申立てをする

まず初めに、失踪宣告の申立てを家庭裁判所にする必要があります。

申立てをする前に、以下を確認しておきましょう。

  • 行方不明の期間を満たしているか
  • 管轄家庭裁判所
  • 必要な費用や書類

必要な書類等の準備が済みましたら、管轄家庭裁判所に失踪宣告の申立てをします。

失踪宣告の申立て手続きについては、下記の記事で詳しく説明しています。

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失踪宣告の申立て手続き

 

2.家庭裁判所が行方不明者の調査開始

行方不明者の調査開始

家庭裁判所は申立て書類等に問題がなければ、行方不明者の調査を開始します。

2-1.情報登録機関への確認

家庭裁判所は運転免許センターや警察等に対して、行方不明者の情報が登録されていないか確認します。

ちなみに、免許更新時や交通違反等で行方不明者の生存が確認されることもあります。生存確認が取れると失踪宣告の申立ては取り下げとなります。

2-2.親族等への聞き取り

親族等に対して行方不明になった経緯を聞きます。書類等の追加提出を求められることもあります。聞き取り等を行ったうえで、失踪宣告の手続きを進めるかどうかの判断をします。

家庭裁判所が問題ないと判断すれば、失踪宣告の公告手続に進みます。

 

3.失踪に関する届出の催告

失踪に関する届出の催告

家庭裁判所は行方不明者の調査終了後に、一定期間を定めて「失踪に関する届出の催告」という公告をします。

公告
官報・新聞・掲示等により、ある事項を広く一般に知らせること

公告は官報に掲載され、裁判所の掲示場にも掲示されます。

3-1.何を催告しているのか

「失踪に関する届出の催告」の内容です。

  • 失踪宣告の申立てがあったこと
  • 本人は生存の届出をしてください
  • 届出がなければ失踪宣告がされます
  • 生存を知っている人は届出をしてください
  • 申立人と行方不明者の氏名・住所等

上記が一定期間を定めて官報等に掲載されます。

3-2.公告期間も定められている

公告期間は普通失踪と特別失踪により違います。

普通失踪であれば、一般的に4ヶ月ぐらいを目安に公告期間が設定されます。

 

4.失踪宣告の審判決定・確定

失踪宣告の審判

公告期間内に行方不明者等から生存の届出がなければ、家庭裁判所は失踪宣告の審判をします。

申立人に対して、失踪宣告の審判書謄本が送達されます。

4-1.確定までには2週間必要

申立人に審判書謄本が送達されてから、2週間内に即時抗告がなければ審判は確定します。

即時抗告
裁判所の決定に対する不服申し立てのこと

失踪宣告の審判が確定すると、裁判所書記官は官報への掲載と行方不明者の本籍地役所へ通知します。

注意本籍地の役所へ通知されても、戸籍謄本の記載は変更されません。

5.失踪宣告による戸籍の変更手続き

失踪の届出

失踪宣告の審判が確定しても、行方不明者の戸籍は変更されません。失踪届の提出をする必要があります。

第六十三条 認知の裁判が確定したときは、訴を提起した者は、裁判が確定した日から十日以内に、裁判の謄本を添附して、その旨を届け出なければならない。その届書には、裁判が確定した日を記載しなければならない。
第九十四条 第六十三条第一項の規定は、失踪宣告又は失踪宣告取消の裁判が確定した場合においてその裁判を請求した者にこれを準用する。この場合には、失踪宣告の届書に民法第三十一条の規定によつて死亡したとみなされる日をも記載しなければならない。

出典:e-Govウェブサイト(戸籍法63条・94条)

失踪届は審判確定日から10日以内に提出しなければいけません。

失踪届を提出することで、行方不明者の戸籍に死亡とみなされた日が記載されます。

5-1.確定証明書を取得

失踪宣告が確定したら確定証明書を取得しましょう。失踪届の提出に必要となります。

確定証明書の申請書に収入印紙150円を貼り、返送用封筒(切手貼)を同封して送付します。

ちなみに、審判書謄本が送達されたら申請書を前もって送付しておきましょう。確定後に確定証明書を送付してもらえるので、時間短縮にもなります。

5-2.失踪届の提出

失踪届の提出先は以下を管轄する市区町村役場に限られます。

  • 失踪者の本籍地
  • 申立人の住所地

どちらかの市区町村役場に失踪届を提出します。

提出に必要な書類

失踪届の提出に必要な書類です。

  • 失踪届(市役所で取得できる)
  • 審判書謄本
  • 確定証明書
  • 行方不明者の戸籍謄本(本籍地以外で必要)

申立人の住所地で提出する場合は、行方不明者の戸籍謄本が必要になるのでご注意ください。

 

6.さいごに

失踪宣告の申立てをしてから、審判確定には10ヶ月から1年ほどかかります。

失踪宣告の申立から相続手続きまでの流れ

戸籍の変更手続きを終えたら、行方不明者の戸籍謄本等を取得しておきましょう。

なぜなら、失踪宣告が認められるということは、行方不明者に関する相続が開始するからです。相続手続では戸籍謄本等を必ず使用します。

失踪宣告の申立てについて専門家に相談する際には、失踪宣告の審判確定後の相続手続についても相談しておきましょう。

長期間に渡り生死不明な人がいると、以下のような問題があります。

  • 何十年経過しても相続が発生しない
  • 遺産分割協議ができない
  • 気持ちの整理ができない

行方不明者の失踪宣告をご検討されている方は、以下よりご確認いただけます。

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失踪宣告の基本については、失踪宣告のまとめ記事をご覧ください。

失踪宣告のまとめ記事

失踪宣告に関する記事も複数ありますので、悩みを解決するための参考にしてください。

失踪宣告記事一覧

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