- 2023年5月30日
失踪宣告による死亡でも遺族年金は受給できる
失踪宣告により死亡とみなされた場合でも、受給要件を満たしていれば遺族年金は受け取れます。ただし、受給要件を判断する日が、「行方不明日」と「死亡とみなされる日」に分かれる点に注意が必要です。
行方不明者の生死が7年以上不明であれば、失踪宣告の申立てをすることが出来ます。特別失踪は危難が去った時から1年以上経過です。失踪宣告が認められると、行方不明者は死亡とみなされます。
失踪宣告の質問をまとめています。
失踪宣告の基本は、まとめ記事で確認できます。
失踪宣告により死亡とみなされた場合でも、受給要件を満たしていれば遺族年金は受け取れます。ただし、受給要件を判断する日が、「行方不明日」と「死亡とみなされる日」に分かれる点に注意が必要です。
高齢者消除と失踪宣告は行方不明者に関する手続きですが、要件や効力はまったく違います。高齢者消除の目的は戸籍の整理ですし、失踪宣告の目的は行方不明者を死亡とみなすことです。4つの違いを確認しておきましょう。
認定死亡と失踪宣告は生死不明者を死亡とする点は同じですが、その他の点は違う部分が多いです。認定死亡と失踪宣告では生死不明の期間も違います。海難事故であれば3ヶ月で認定死亡でも、特別失踪なら1年は必要になります。
失踪宣告の調査は2つに分けることができます。1つ目は失踪宣告の申し立てをするための調査。2つ目は失踪宣告の審判をするための調査です。失踪宣告の調査をしても生死不明であれば官報公告に移ります。
失踪宣告とは生死不明者を死亡とみなす制度のことです。死亡とみなされることにより、生死不明者の相続も発生します。失踪宣告には普通失踪と特別失踪があり、死亡とみなされる日が違います。申立要件の期間も違うので注意してください。
失踪宣告をするのに捜索願は必須ではありません。捜索願を出していなくても、条件を満たしていれば失踪宣告は認められます。捜索願は失踪を証する資料の一部に過ぎません。捜索願を出しているなら失踪宣告の申し立てに使用します。
生死不明者の失踪宣告が認められると不動産も相続人に移転します。名義変更するには相続登記の申請が必要です。相続登記申請には失踪宣告が記載された戸籍謄本を添付します。市役所等への失踪届を忘れずに提出しておきましょう。
失踪宣告の費用は5つに分けることができます。失踪者の調査費用、失踪宣告の申立費用、官報公告料、確定証明書の取得費用、専門家報酬です。失踪者の調査費用と専門家報酬の2つはケースごとに違うので気を付けてください。
失踪宣告に関する民法の条文は3条だけです。わずか3条の条文に失踪宣告に関することが定められています。民法30条・民法31条・民法32条だけなので、失踪宣告を検討しているなら一度は確認しておきましょう。
失踪宣告にもデメリットは存在します。失踪宣告までには時間かかる、相続の開始日は選べない、行方不明者が生存していた場合の手続きなどは、申立人にとってデメリットになります。欠点や注意点を確認したうえで利用しましょう。
生死不明者の失踪宣告が確定しても、本人が生存している限り権利能力に影響はありません。権利能力は生存している限り失われることはないです。本人が今までどおりの生活をしている限り、失踪宣告に気付くことは難しいです。
危難に遭遇して行方不明になっても、死亡が確認されない限り法律上は生存しています。危難が去ってから1年以上経過していると、特別失踪により失踪宣告の申立てをすることができます。失踪宣告が認められると、危難が去った時に死亡したとみなされます。
普通失踪とは行方不明の期間が7年以上の場合に、申立てる失踪宣告のことです。7年経過した日が死亡とみなされます。死亡とみなされる日が相続開始日となります。親族の中に亡くなっている人がいると、相続人の変更などがあるのでご注意ください。
失踪宣告により配偶者は死亡とみなされます。死亡により婚姻関係は消滅となり、再婚をすることは可能です。ですが、死別と同じ扱いなので、離婚したわけではありません。行方不明の配偶者と離婚したい場合は、離婚訴訟を提起する必要があります。
失踪宣告の申立てをすると、官報による公告が2回行われます。一度目は失踪宣告に関する届出のお知らせ、二度目は失踪宣告確定のお知らせとなります。失踪宣告が取り消された場合も官報による公告がされます。どのような内容が掲載されるのか参考にしてください。
失踪宣告が認められた後に、生存していることや別の日に死亡していたことが判明することもあります。失踪宣告を取消すには、家庭裁判所に申立てをする必要があります。審判確定後に市区町村役場へ取消しの届出をします。
行方不明の間は相続放棄をすることはできません。相続が開始した後でなければ認められません。死亡が確認されるか、失踪宣告が認められると相続が開始します。借金等が判明している場合は、失踪宣告から相続放棄の流れを確認しておいてください。
失踪宣告の後に生きていることが判明した場合は、取消し請求により失踪宣告前の状態に戻ります。問題は、取消し前に行った行為の効力と受け取った財産の返還義務です。起こり得る問題について知っておいてください。
失踪宣告の審判が確定すると失踪者の相続が開始します。相続手続では失踪者の戸籍謄本等が必要になります。ただし、審判が確定しても自動的に戸籍が変更するわけではないです。申立人が失踪届を役所に提出しなければ、死亡とみなされる日は記載されません。
特別失踪の危難が去った時がいつになるかはご存知でしょうか。申立てや死亡とみなされる日も危難が去った時を基準に判断します。船舶が沈没したことにより行方不明になっていれば、沈没した時が危難が去った時となります。