相続登記の放置により発生する問題は7つ考えられる

相続登記を放置しておくと、さまざまな問題が発生するのはご存知でしょうか。

相続登記を後回しにしていると、相続人が亡くなったり、判断能力が低下する可能性もあります。

相続登記により名義を変更していなければ、不動産を売却することもできません。

今回の記事では、相続登記の放置により発生する問題を7つ説明しているので、相続登記が済んでいなければ参考にしてください。

1.相続人が亡くなってしまう

放置による問題の1つ目は、相続人が亡くなってしまうです。

相続登記を放置するほど、相続人が亡くなる可能性も高くなっていきます。

相続登記未了の間に相続人が亡くなると、遺産分割協議が複雑になる可能性があります。

1-1.遺産分割協議の参加者が変更になる

遺産分割協議をしない間に相続人が亡くなると、相続人の相続人が遺産分割協議の参加者になります。


例えば、亡くなった人の子ども2人(長男・次男)が相続人だったします。

長男が亡くなって相続人が3人(長男・次男・三男)なら、遺産分割協議の参加者は4人となります。

遺産分割協議の参加者変更

遺産分割協議の参加者が2人から4人に変更しています。


相続人もいつかは亡くなるので、時間が経つほど参加者も変更する可能性は高くなっていきます。

また、相続人の年齢が若くても事故や病気などにより亡くなることはあります。

1-2.全員の同意がなければ遺産分割は成立しない

遺産分割協議は全員の同意がなければ成立しません。

遺産分割協議の参加者が多くなるほど、全員の同意を得ることが難しくなります。

また、参加者の変更があると世代も違い、一度も会ったことがない人と遺産分割協議をする可能性もあります。

相続人同士で連絡が取りやすい間に、相続登記を完了させておきましょう。

 

2.相続人の判断能力が低下する

放置による問題の2つ目は、相続人の判断能力が低下するです。

相続登記を放置するほど相続人が高齢になるので、認知症等により判断能力が低下する可能性が高くなります。

遺産分割協議も法律行為なので、成立には意思能力が必要になります。

意思能力
自分の行為の意味や結果を判断することができる精神能力のこと

第三条の二 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。

出典:e-Govウェブサイト(民法3条の2)

相続人が認知症等により意思能力を失っていれば、遺産分割協議をしても無効となります。

2-1.遺産分割をするのに成年後見人の選任が必要になる

遺産分割協議を成立させるには、判断能力の低下した相続人のために成年後見人を選任する必要があります。

成年後見人が判断能力の低下した相続人の法定代理人として、代わりに遺産分割協議に参加します。

ただし、選任手続きに数ヶ月はかかるので、すぐに不動産を売却したいと思っても難しいです。

2-2.原則として被後見人に法定相続分の確保

選任された成年後見人は、被後見人のために遺産分割協議で法定相続分を主張します。

相続財産の内容によっては、遺産分割協議の成立が難しくなります。

相続登記を放置せずに、判断能力が低下する前に行動する方が柔軟な遺産分割が可能です。

 

3.相続人の行方が分からなくなる

放置による問題の3つ目は、相続人の行方が分からなくなるです。

相続登記を放置している間に相続人の行方が分からなくなっても、遺産分割協議から除外することはできません。

たとえ他の相続人全員が同意していたとしても、行方不明者の同意がなければ遺産分割協議は成立しません。

3-1.遺産分割をするのに不在者財産管理人の選任が必要になる

遺産分割協議を成立させるには、行方不明者のために不在者財産管理人を選任する必要があります。

不在者財産管理人が行方不明者の法定代理人として、代わりに遺産分割協議に参加します。

ただし、不在者財産管理人制度にはデメリットも多いので、簡単に選任するのは難しいでしょう。

3-2.遺産分割をするのに家庭裁判所の許可が必要

選任された不在者財産管理人が遺産分割協議をするには、家庭裁判所の許可を得る必要があります。

そして、不在者財産管理人は行方不明者のために、遺産分割協議で法定相続分を確保する必要があります。

法定相続分を確保できていない遺産分割協議では、家庭裁判所の許可を得るのが難しいです。

また、不動産を共有にして処分するにも、家庭裁判所の許可を得る必要があります。

 

4.相続人の事情が変わってしまう

放置による問題の4つ目は、相続人の事情が変わってしまうです。

相続登記を放置している間に、相続人それぞれの事情は変わっていきます。

  • 金銭状況の変化
  • 不動産価格の変化
  • 相続人間の感情の変化

例えば、相続が発生した当時は金銭的に問題がなくても、数年経過することで金銭面が厳しくなる相続人もいます。不動産を売却して金銭に換えたくても、他の相続人と意見が合うかどうかは分かりません。

他にも、相続登記を放置している間に、相続人同士が疎遠になることもあります。話し合いができる間に相続登記を完了させておきましょう。

 

5.不動産を売却することができない

放置による問題の5つ目は、不動産を売却することができないです。

相続登記を放置しているということは、不動産の名義は亡くなった人のままです。

そして、相続登記により名義を変更しておかなければ、、不動産を売却することができません。

たとえ不動産を高額で売却できる話があったとしても、相続登記を変更しなければ売却の話も進みません。

また、問題の1つ目から4つ目で説明したとおり、遺産分割協議が直ぐに終わる保障はありません。遺産分割協議が成立しなければ、相続登記をすることもできません。

今すぐに売却する気は無くても、相続登記は放置せずに完了させておきましょう。

 

6.相続登記の手間や費用が増えてしまう

放置による問題の6つ目は、相続登記の手間や費用が増えてしまうです。

相続登記を長期間放置していると、相続登記を申請する際の手間や費用が増えてしまいます。

例えば、相続人が亡くなっていると、必要な戸籍謄本等も増えます。また、成年後見人や不在者財産管理人が選任されていると、それぞれ書面が増えることになります。

そして、長期間放置していた相続登記を司法書士に依頼すると、普通の依頼よりも報酬が増えてしまいます。

相続登記は放置せずに早く申請する方が、結果として手間や費用も少なくすみます。

 

7.相続登記が義務化される

放置による問題の7つ目は、相続登記が義務化されるです。

現時点で相続登記は義務ではありません。ですが、2024年度には相続登記が義務化されます。

すでに法律も成立しており、法律の施行(開始)を待っている状態となっています。

当然ですが、すでに長期間放置されている不動産も対象となります。今までのように放置しておくと、罰則が適用されることも考えられます。

できる限り早めに相続登記を終わらせておきましょう。

 

8.さいごに

相続登記を放置していると、さまざまな問題が発生します。

  • 相続人が亡くなってしまう
  • 相続人の判断能力が低下する
  • 相続人の行方が分からなくなる
  • 相続人の事情が変わってしまう
  • 不動産を売却することができない
  • 相続登記の手間や費用が増える
  • 相続登記が義務化される

2024年には相続登記が義務化されるので、いつかは相続登記を申請しなければなりません。

後回しにすればするほど、相続登記が複雑になり手間や費用も増えていきます。

できる限り早めに相続登記を済ませておきましょう。

相続登記の義務化も決定しているので、後回しにするメリットがありません。

後回しにすると相続が複雑になり費用も増えるので、できる限り早めに登記をしましょう。

相続登記を検討している場合は、下記より料金等を確認することができます。

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