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失踪宣告は司法書士に依頼できる!経験者は少ないので注意

失踪宣告と司法書士
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生死不明者を死亡とみなす手続きである「失踪宣告」は、司法書士にも依頼できます。

司法書士と弁護士どちらに依頼しても、効力に違いはありません。

ただし、慣れている専門家は多くないので、相談する際は注意してください。

今回の記事では、失踪宣告と司法書士について説明しているので、悩みを解決する参考にしてください。

目次

1.法律により失踪宣告も司法書士に依頼できる

失踪宣告の依頼は司法書士も可能

失踪宣告の依頼は誰に対しても可能ではなく、法律により司法書士と弁護士に限られます。
※弁護士の説明は省略。

以下は、司法書士法の条文です。

(業務)
第三条 司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。
(省略)
四 裁判所若しくは検察庁に提出する書類又は筆界特定の手続(不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第六章第二節の規定による筆界特定の手続又は筆界特定の申請の却下に関する審査請求の手続をいう。第八号において同じ。)において法務局若しくは地方法務局に提出し若しくは提供する書類若しくは電磁的記録を作成すること。
五 前各号の事務について相談に応ずること。
出典:e-Govウェブサイト(司法書士法3条4号・5号)

失踪宣告の申立書は裁判所提出書類なので、司法書士も作成できます。また、失踪宣告に関する相談も可能です。

司法書士と弁護士以外には、失踪宣告を依頼できないので注意してください。

2.司法書士に依頼すると何をしてくれる

失踪宣告を検討している人にとって、司法書士が何をしてくれるかは気になる点です。

あくまでも、私が失踪宣告の依頼を受ける場合ですが、以下に挙げておきます。

  • 失踪宣告に関する相談
  • 申立書作成に必要な書類の収集
  • 失踪宣告の申立書作成
  • 収入印紙や予納郵券の購入
  • 現地調査(住所が存在する場合)
  • 調査報告書の作成
  • 家庭裁判所への提出
  • 申立書提出後の相談

簡単に内容も説明していきます。

2-1.失踪宣告に必要な書類の収集(不足分)

失踪宣告の申立書作成に必要な書類も、司法書士が収集します。

  • 利害関係を証する書類
    ※相続関係を証明する戸籍
  • 生死不明者の住民票(戸籍の附票)
    ※依頼人が取得しているケースが多い

すでに依頼人が収集しているケースも多いので、不足している戸籍があれば司法書士が収集するイメージです。

2-2.現地調査が必要なケースも存在する

生死不明者の住民票が残っていると、現地調査が必要になるケースもあります。

【事例】
申立人が横浜市在住で、生死不明者の住民票が大阪市に存在したケース。

申立人から住民票上の住所に手紙を出した結果、「あて所に尋ねあたりません」で返送されました。

その後、実際に住民票上の住所を訪ねて、別人が住んでいる事実を確認しました。

司法書士に現地調査も依頼するなら、別途料金が発生します。

住民票が職権消除されている場合は、自治体が確認済みなので現地調査は不要です。

2-3.生死不明者に関する調査報告書の作成

私が失踪宣告の依頼を受ける場合は、生死不明者に関する調査報告書も申立書に添付しています。
※必須書面ではない。

  • 生死不明になった経緯
  • 生死不明者の家族構成
  • 各親族が最後に会った時期
  • 生死不明者の捜索状況
  • 現地調査の報告

失踪宣告の申立書とは別に書面を作成して、家庭裁判所に提出しています。

2-4.家庭裁判所に申立書を提出した後の相談

失踪宣告の申立書を家庭裁判所に提出した後も、相談は可能なので安心してください。

  • 失踪宣告が認められた後の流れ
  • 失踪届提出後の相続手続き

一般的に、失踪宣告するのは相続手続きを進めるためなので、相続の相談も受けています。

3.失踪宣告を司法書士に依頼する場合の報酬

失踪宣告の費用は専門家報酬と実費

失踪宣告を司法書士に依頼する場合の報酬は、各事務所により違います。
※報酬額は自由に設定できる。

みかち司法書士事務所の報酬額は、5万5,000円(税込み)です。

ただし、失踪宣告には実費も必要なので、依頼する場合は確認しておいてください。

  • 戸籍等の発行手数料(数千円)
  • 収入印紙(800円)
  • 予納郵券(約4,500円)
  • 官報公告料(約5,000円)

現地調査も司法書士に依頼する場合は、別途料金が発生します。住民票の住所が遠方であれば、料金も高くなります。

現地調査が不要なケースであれば、失踪宣告の費用は約7万円(報酬+実費)です。

4.失踪宣告は慣れた専門家に相談

私の考えになりますが、司法書士と弁護士どちらに依頼するかは、あまり重要ではありません。

なぜなら、生死不明の期間が7年以上であれば、どちらに依頼しても失踪宣告は認められるからです。

もちろん細かい部分に違いはありますが、重要度は低いと考えています。

重要なのは、どちらに依頼するかではなく、慣れた専門家に相談・依頼する点です。

大都市は除きますが、地方の司法書士や弁護士で、失踪宣告に慣れている人は少ないでしょう。
※失踪宣告の申立件数自体が少ない。

実際、地元の専門家に断られて、私に依頼してきた人も多いです。

失踪宣告にはデメリットもあるので、相談・依頼する際には必ず確認しておいてください。

5.まとめ

今回の記事では「失踪宣告と司法書士」について説明しました。

司法書士も法律により裁判所提出書類(失踪宣告の申立書)が作成でき、相談に応じることもできます。
司法書士・弁護士以外は不可。

ただし、失踪宣告に慣れている専門家でなければ、相談・依頼を断るケースもあります。遠方でも依頼は可能なので、探しているならご連絡ください。

専門家の報酬は各事務所により違うので、高いと感じたら他の事務所も確認してみましょう。

失踪宣告と司法書士に関するQ&A

司法書士と弁護士ではどちらの料金が安いですか?

事務所により違います。弁護士より高い司法書士も存在します。

遠方からでも司法書士に依頼できますか?

問題ありません。

失踪宣告を司法書士に依頼しても認められますか?

生死不明の期間を満たしていれば、専門家の違いは関係ありません。

失踪宣告の依頼はありますか?

現在は月に1件ほどのペースで依頼を受けています。

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