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相続放棄の理由は自由|借金・安全・疎遠・不動産以外の理由も可能

相続放棄の理由
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相続放棄したいが、自分の理由で認められるのか、不安に思われていませんか?

結論からいえば、相続放棄の理由は自由なので、何でも大丈夫です。

法律上でも理由は決まっていません。当事務所へ依頼される相続人の理由もさまざまです。

  • 亡くなった人に借金がある
  • 後から借金が見つかると困るから
  • 相続に関わりたくないから
  • 生前に縁を切っているから
  • 他の相続人に相続させたいから

もちろん、上記以外の理由でも問題ありません。

今回の記事では、相続放棄に理由について説明しているので、相続放棄の参考にしてください。

1.借金は相続放棄で一番分かりやすい理由

借金は相続放棄の理由

相続放棄の理由1つ目は、亡くなった人に借金があるです。

亡くなった人の財産は、プラスもマイナスも含めて相続人が承継します。

以下は、民法の条文です。

(相続の一般的効力)
第八百九十六条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

出典:e-Govウェブサイト(民法896条)

亡くなった人に預貯金等があっても、それ以上に借金があれば、相続放棄を選ぶでしょう。

1-1.借金が少額でも相続放棄できる

勘違いされる人も多いのですが、借金の額は相続放棄に影響しません。借金が少額でも相続放棄はできます。

例えば、キャッシングの残高が10万円でも、相続放棄する相続人はいます。

インターネットが普及したことにより、昔よりも低料金で相続放棄の依頼ができます。

そのため、借金が少額であっても相続放棄を選ぶ人が増えています。

1-2.借金の額が不明でも相続放棄できる

借金の額が不明であっても、相続放棄はできます。

借金があることは知っているが、詳しい金額は知らないという相続人も珍しくありません。

借金の額が不明であっても、借金を理由に相続放棄している相続人は多いです。

相続放棄の申述書にも、「詳しい金額は不明」と書けば問題ありません。

2.安全のためも相続放棄の理由となる

安全を理由に相続放棄する人もいる

相続放棄の理由2つ目は、安全のためです。

亡くなった人の借金は見当たらないが、安全のために相続放棄する人もいます。

なぜなら、借金などの負債は、後から判明することもあるからです。

実際、当事務所に相続放棄を依頼される人の中にも、安全のために相続放棄する人はいます。後から面倒ごとに巻き込まれたくないので、安全のために相続放棄したいそうです。

以下は依頼人が不安に思われた、亡くなった人の特徴となります。

  • ギャンブル好きだった
  • 過去に借金があった
  • 自己破産したことがある
  • 過去に連帯保証人になったことがある
  • 生活保護を受けていた
  • 会社を倒産させている

プラスの財産が確実に無いのであれば、後は借金や連帯保証の可能性が残るだけになります。

ですので、実際には借金が無くてもプラスの財産も無いので、安全のために相続放棄を利用されているようです。

3.疎遠を理由に相続放棄する人は珍しくない

疎遠を理由に相続放棄する人もいる

相続放棄の理由3つ目は、疎遠なので関わりたくないです。

相続財産が理由ではなく、関係性を理由に相続放棄するケースは珍しくありません。

  • 亡くなった人と絶縁している
  • 相続人同士が疎遠である

それぞれ説明していきます。

3-1.絶縁を理由に相続放棄する人もいる

昔に比べると、両親が離婚している人も増えているので、親と数十年以上会っていない子もいます。親と関わりたくない子も珍しくありません。

ですが、絶縁状態であっても、相続放棄しない限りは、相続人として権利義務を承継します。

絶縁を理由に相続放棄は可能なので、関わらないのであれば相続放棄の手続きをしておきましょう。

ちなみに、相続放棄をするのに、財産額や借金の額は知らなくても問題ありません。

3-2.相続人同士の疎遠も相続放棄の理由

相続人同士の疎遠を理由に相続放棄する人もいます。

亡くなった人の相続人である以上、実際には財産を取得しなくても、相続手続きには関与する必要があります。
*書面に署名捺印して印鑑証明書を添付するなど。

ですが、他の相続人と疎遠なので、相続手続に関わりたくない人もいます。

相続放棄をすると初めから相続人ではないので、相続手続に関わる必要が無くなります。

4.不動産の存在も相続放棄の理由となる

不動産も相続放棄の理由になる

相続放棄の理由4つ目は、不動産の存在です。

不動産を理由に相続放棄する人もいます。不要だからや共有を嫌ってなど、さまざまな理由があります。

4-1.不要な不動産(田畑・山林)が放棄の理由

亡くなった人が不動産を所有していても、相続人にとって不要であれば、相続放棄の理由となります。

かつては、相続放棄後の管理義務が問題になっていましたが、法改正により問題も少なくなっています。

不動産以外の財産も考慮したうえで、それでも不動産が不要であれば相続放棄しましょう。

4-2.不動産の共有を避けるために相続放棄

不動産の共有を避けるために、相続放棄する人もいます。

例えば、亡くなった人が不動産の持分を所有していた場合、相続すると共有者の一人になってしまいます。

不動産の共有はできる限り避ける状態であり、わざわざ共有にするメリットは少ないです。

不動産の持分が不要なので、相続放棄する人は少なくありません。

5.その他の理由でも相続放棄できる

相続放棄の理由は自由なので、借金・安全・疎遠・不動産以外で相続放棄する人もいます。

以下は、実際にあった相続放棄の理由です。

  • 不動産を相続する人が決まっている
  • 配偶者に財産をすべて相続させたい

それぞれ簡単に説明していきます。

5-1.不動産を相続する人が決まっている

不動産を相続する人が決まっていると、その他の相続人は相続放棄することがあります。

なぜかというと、住宅ローンが残っていると、不都合が生じるからです。

住宅ローンは負債なので、相続人が法定相続分で相続します。たとえ遺産分割協議で不動産の取得者を決めても、住宅ローンは相続人全員で相続します。

不動産以外に財産が無ければ、不動産を相続しない人は相続放棄した方が安全でしょう。

5-2.配偶者に財産をすべて相続させたい

亡くなった人の相続人が、配偶者と兄弟姉妹(甥・姪)の場合です。

遺産分割協議をして配偶者に全財産を取得させることはできます。ただし、配偶者から全財産を取得したいとは言いにくいです。

お互いに気を使いながら遺産分割協議をするのであれば、自主的に相続放棄する方が楽だと考える人もいます。

また、配偶者以外が全員相続放棄すれば、遺産分割協議も不要になります。

配偶者に余計な気を使わせたくないという理由で、相続放棄している人もいます。

注意子どもが全員相続放棄すると、相続人の順位が変更するので注意してください。

6.理由の書き方を申述書を用いて説明

相続放棄を自分で申請する人もいるので、理由の書き方についても説明しておきます。

以下は、家庭裁判所で取得できる申述書です。2枚目の左下が相続放棄の理由欄となります。

相続放棄申述書の理由欄

6-1.相続放棄の理由は用意されている

相続放棄の理由が用意されているので、該当する理由があれば○を付けます。

  1. 被相続人から生前に贈与を受けている
  2. 生活が安定している
  3. 遺産が少ない
  4. 遺産を分散させたくない
  5. 債務超過のため
  6. その他

例えば、財産を1人が相続するのであれば、遺産を分散させたくない。借金が理由であれば、債務超過のためになります。

1番から5番以外であれば、その他に理由を書きます。

6-2.その他の理由であれば素直に書く

その他の理由であれば、素直に書きましょう。

以下は、依頼を受けた際に書いている理由です。

  • 債務超過の疑いがある
  • 遺産分割協議に参加したくない
  • 生前に交流がないから
  • 亡くなった人と縁を切っている

上記以外でも、相続放棄したい理由を素直に書いて大丈夫です。

7.相続放棄が認められるかと理由は無関係

相続放棄の理由は条件とは無関係

相続放棄を検討されている人からの質問で多いのが、「自分の理由で相続放棄できますか?」です。

結論からいえば、まったく問題ありません。

相続放棄する理由は自由なので、相続放棄が認められるかとは無関係です。

相続放棄申述書にも理由を素直に記載してください。

例えば、「相続に関わりたくない」が理由であれば、理由欄に相続に関わりたくないと記載して大丈夫です。私が依頼を受けた場合でも、そのまま記載しています。もちろん相続放棄はすべて認められています。

相続放棄は2つの条件を満たしていれば認められます。相続放棄する理由は、条件に含まれていません。

8.まとめ

今回の記事では「相続放棄の理由」について説明しました。

相続放棄する理由は自由です。法律上の決まりはないので、素直に理由を書いて問題ありません。

  • 亡くなった人に借金がある
  • 借金があるかもしれない
  • 疎遠なので関わりたくない
  • 不動産(持分)が不要だから

借金が相続放棄の理由としては分かりやすいですが、直接的ではなく間接的な理由として使われることも多いです。実際にあるかは分からないが、後から判明すると困るので相続放棄をする人もいます。

相続放棄が認められるかどうかと、相続放棄の理由は無関係です。相続したくないのであれば、相続放棄して問題ありません。

相続放棄の理由に関するQ&A

相続放棄の理由は複数でも大丈夫ですか?

大丈夫です。

相続人同士で理由が違っても問題ないですか?

問題ありません。