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相続放棄をするなら固定資産税は支払う必要がない

相続放棄と固定資産税
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亡くなった人の固定資産税は相続人が引き継ぎます。

固定資産税も相続財産なので、相続しないのであれば相続放棄の手続きが必要です。

固定資産税に関する書面で死亡を知った場合は、知った日から3ヶ月以内が手続き期間となります。

今回の記事では、相続放棄と固定資産税について説明しているので、固定資産税のお知らせが届いているなら参考にしてください。

1.未払いの固定資産税も相続財産

亡くなった人の相続人は、亡くなった人の権利義務の一切を相続します。

(相続の一般的効力)
第八百九十六条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

出典:e-Govウェブサイト(民法896条)

亡くなった人が固定資産税を滞納していた場合や、亡くなってから誰も固定資産税を支払っていなければ、未納分は相続人が支払います。

  • 亡くなった人と会ったことがない
  • 亡くなった人と縁を切っている
  • 不動産がどこにあるかも知らない

上記のような事情は一切関係なく、固定資産税は法律上の相続人に対して請求します。

相続しないのであれば、相続放棄の手続きを3ヶ月以内にしてください。

 

2.役所等からの書面で死亡を知る

亡くなった人と疎遠であれば、固定資産税に関する書面で死亡を知ることもあります。

主な書面は以下の2つです。

  • 滞納分の支払い請求書
  • 固定資産税の代表者指定届

亡くなった人が固定資産税を滞納していれば、相続人に支払い請求書が届きます。

あるいは、不動産の所有者が亡くなったことを知った場合、相続人に固定資産税の代表者指定届を送ってきます。

2-1.死亡日から3ヶ月経過していても慌てない

固定資産税に関する書面には、被相続人(亡くなった人)の死亡日が記載されていると思います。

間違えやすいのですが、死亡日から3ヶ月経過していても、相続放棄は認められるので慌てないでください。

相続放棄の期間は、相続の開始を知った日から3ヶ月以内です。固定資産税に関する書面で死亡を知ったなら、書面が届いた日から3ヶ月以内となります。

相続放棄の熟慮期間

死亡日から3ヶ月以内ではないので、間違えて固定資産税を支払わないように注意しましょう。

2-2.送られてきた書面は家庭裁判所に提出する

役所等から送られてきた固定資産税に関する書面は、捨てずに保管しておいてください。

相続放棄を専門家に依頼する場合は、固定資産税に関する書面のコピーを渡します。

一方、自分で相続放棄をする場合は、家庭裁判所から照会書(回答書)が届いた際に、固定資産税に関する書面のコピーを送り返します。

なぜなら、被相続人の死亡日から3ヶ月経過している場合、家庭裁判所は死亡を知った日について確認するからです。

郵送物を家庭裁判所に提出

送られてきた書面を紛失してしまった場合は、回答書に紛失した旨を記載します。

 

3.固定資産税を支払ってしまった

固定資産税を支払ってから、相続放棄ができるのか調べる相続人もいます。

なぜかというと、固定資産税を支払った後で、その他の負債に気付くこともあるからです。あるいは、相続放棄できないと勘違いして支払ったのかもしれません。

まず、確認してほしいのは、誰のお金で固定資産税を支払ったかです。

亡くなった人のお金なのか、自分のお金なのかで結論が違います。

亡くなった人のお金で固定資産税を支払うと、単純承認とみなされて相続放棄は認められない可能性があります。

それに対して、自分のお金で固定資産税を支払っても、相続財産を消費したことにはならないので、相続放棄は認められる可能性が高いです。

固定資産税を支払ってしまった場合でも、諦めずに専門家に相談してみましょう。

 

4.他の相続人が法定相続分で登記した

あなたが相続放棄を済ませていても、固定資産税に関する書面が届くことがあります。固定資産税に関する書面が届いたときは、不動産登記簿の確認をしてみてください。

なぜかというと、他の相続人が法定相続分で登記している可能性があるからです。

法定相続分での相続登記は、相続人の1人が単独で申請することができます。他の相続人の同意も不要です。

他の相続人と連絡を取っている場合は別ですが、他の相続人があなたの相続放棄に気付かず相続登記を申請したかもしれません。

その結果、不動産登記簿の所有権登記名義人が変更されるので、市役所等は固定資産税の代表者指定届を送付してきます。

正しくない登記がされている状態なので、他の相続人に連絡して相続登記の更正登記を申請してください。

 

5.さいごに

亡くなった人の固定資産税も相続人が相続します。

亡くなった人と疎遠であれば、固定資産税に関する書面で死亡を知るかもしれません。

市役所等からの書面で死亡を知った場合は、知った日から3ヶ月以内であれば相続放棄できます。

送られてきた書面は家庭裁判所に提出することもあるので、捨てないように気をつけてください。