亡くなった人と絶縁状態になっていても、相続に影響しないことはご存知でしょうか。
亡くなった人に借金があれば、絶縁状態であっても相続します。
あなたが相続しないのであれば、相続放棄の手続きが必要です。
今回の記事では、相続放棄と絶縁状態の家族について説明しているので、悩みを解決する参考にしてください。
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1.相続人は生前の関係ではなく法律で決められる
人が亡くなった際の相続人は、生前の関係ではなく法律で決められます。
ですので、親や兄弟姉妹と絶縁していても、絶縁は当事者間の問題であり相続とは無関係になります。たとえ何十年会っていなくても、親が亡くなれば子どもは相続人です。
1-1.親子の絶縁状が公正証書でも相続人
親が子供を勘当する際に、絶縁状という書面を作成することがあります。
- 絶縁状
-
付き合いを絶つと宣言した書面のこと
ただし、絶縁状に法的な効力はありません。たとえ公正証書で作成していても、法律上は何の効力もありません。
つまり、絶縁状と相続放棄には何の関係もないので、相続放棄するのであれば3カ月以内にしてください。
1-2.生まれてから一度も会っていなくても相続人
誰が相続人になるかは法律で決めているので、一度も会ったことがない人の相続人になることもあります。
あるいは、両親が幼少期に離婚しており、数十年以上会ったことがなくても相続人となります。
郵送物などが届いて相続について書いていれば、無視せずに確認しておいてください。
2.絶縁状態であれば死亡当日に知ることは少ない
亡くなった人と絶縁状態であれば、亡くなったことを死亡日に知ることは少ないです。
実際、私が受けている相続放棄の依頼でも、亡くなって数年以上経過してから死亡を知った人は珍しくありません。
2-1.家族の死亡は郵送物で知ることが多い
絶縁状態の家族が亡くなっていることを、郵送物で知ることは多いです。
具体的には以下の郵送物があります。
- 借金の督促状
- 市役所等からの連絡(税金や生活保護など)
- 不動産に関する連絡(放置不動産の管理)
上記の郵送物は、実際の依頼でも聞くことが多いです。
郵送物は相続放棄の申述で利用するので、失くさないように保管しておいてください。
司法書士などに相談する際も、郵送物を持参すると話が伝わりやすいです。
生活保護の返還義務については、以下の記事で詳しく説明しています。
関連記事を読む『相続放棄と生活保護の関係|借金以外の返還義務や退去費用にも注意』
2-2.死亡を知った日から3ヶ月以内に相続放棄
相続放棄ができるのは、相続の開始を知った日から3ヶ月以内です。
ですので、郵送物などで死亡を知った場合は、知った日から3ヶ月以内であれば相続放棄は可能です。
死亡日から3ヶ月以内ではないので、間違って諦めないように気を付けてください。
関連記事を読む『相続放棄の期間は3ヶ月|いつまでなのか確認しておこう』
3.絶縁状を作成しても生前に相続放棄はできない
家族と絶縁状態であっても、生前に相続放棄をすることはできません。
相続放棄ができるのは相続人だけです。つまり、亡くなった後でなければ、相続放棄はできません。
たとえ絶縁状を公正証書で作成していても、生前に相続放棄は認められません。絶縁状態の家族が亡くなってから、相続放棄の手続きが必要です。
家族と絶縁状態であれば、亡くなっていることに気づきにくいので、郵送物などは忘れずに確認しておいてください。
4.他の相続人と絶縁状態でも遺産分割協議は必要
亡くなった人と絶縁状態ではなくても、他の相続人と絶縁状態になっている人もいます。
例えば、親とは連絡を取っていたが、兄弟姉妹とは絶縁状態になっている場合です。
亡くなった親が遺言書を残していなければ、絶縁状態の兄弟姉妹と遺産分割協議が必要になります。
どうしても遺産分割協議に参加したくなければ、相続放棄をすることも可能です。
相続放棄をすれば、初めから相続人ではなかったとみなされます。つまり、遺産分割協議に参加する必要もありません。
亡くなった人の財産を相続するつもりがなければ、相続放棄を検討してみてください。
5.さいごに
亡くなった人と絶縁状態であっても、相続には関係しません。たとえ何十年会っていなくても、親が亡くなれば子どもは相続人となります。
絶縁状態になっている人に借金があれば、相続を知った日から3ヶ月以内であれば相続放棄できます。死亡日から3ヶ月以内ではないので、間違えないように気を付けてください。
絶縁状態になっている人の死亡を知らせる郵送物が届いたら、後回しにせず司法書士などに相談してください。
関連記事を読む『相続放棄すれば借金の返済義務も引き継がない』