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【相続放棄の費用】実費と専門家報酬の組み合わせで決まる

相続放棄の費用
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相続放棄の手続き費用は、大きく分けると2つあります。

  1. 相続放棄の実費
  2. 専門家報酬

相続放棄の実費とは、戸籍の取得費用や裁判所手数料のことです。絶対に発生する費用といえます。

専門家報酬とは、相続放棄を弁護士や司法書士に依頼した場合の費用です。依頼しなければ発生しません。

相続放棄の手続き費用には、必須費用と任意費用があります。誰が相続放棄するかでも費用は変わるので、計算する際は注意しましょう。

今回の記事では、相続放棄の費用について説明しているので、相続放棄の参考にしてください。

目次

1.相続放棄の手続き費用とは

相続放棄の手続き費用とは、実費と専門家報酬のことです。

  • 実費(裁判所費用)
  • 専門家報酬

実費とは裁判所費用のことであり、絶対に発生する費用です。

一方、専門家報酬は依頼した場合に発生する費用であり、任意の費用になります。

1-1.相続放棄の費用は誰が払うのか

相続放棄は各相続人の手続きなので、相続放棄の費用は各相続人が支払います。

よくある勘違いとして、相続放棄した先順位相続人が、後順位相続人の費用を支払うという思い込みがあります。

先順位相続人が自主的に支払うのは自由ですが、支払う義務はありません。後順位相続人も相続放棄したいなら、自分で相続放棄する必要があります。

相続放棄の費用は、相続放棄する人が支払います。

1-2.生活保護受給者は法テラスの利用を検討

生活保護受給者が相続放棄するなら、法テラスの利用を検討しましょう。

一定の収入要件はありますが、法テラスを利用することで、立替払いや分割払いが可能です。
※生活保護受給者はクリアできる。

ただし、生活保護の受給を証明する必要があるので、場合によっては時間がかかります。

相続放棄で法テラスを利用するなら、早めに相談に行ってください。

2.相続放棄の裁判所費用は限られる

相続放棄に関する裁判所費用は限られており、以下の3つになります。

  • 戸籍謄本等の取得費用
  • 収入印紙(裁判所手数料)
  • 予納郵券(裁判所が使用する切手)

上記の費用は自分で相続放棄する際も必要なので、しっかりと確認しておいてください。

2-1.誰が相続放棄するかで戸籍の取得費用は違う

法定相続人の順位

亡くなった人の配偶者や子どもは集める戸籍も少ないですが、関係が離れるほど戸籍の数も増えていきます。

関係が離れるほど戸籍が増える理由は、先順位相続人がいないことを証明するためです

たとえば、親が相続人になるのは、亡くなった人に子どもがいない場合です。子どもがいないことを、亡くなった人の戸籍謄本等で証明する必要があります。

子どもがいないことを証明するには、亡くなった人の「生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本等」を集める必要があります。

  • 亡くなった人の出生から死亡までの戸籍等
  • 亡くなった人の住民票(除票)
  • 本人の戸籍

亡くなった人の出生から死亡までの戸籍等は、亡くなった年齢や婚姻歴あるいは転籍の回数によって違いますが、平均すると3枚から5枚ぐらいになります。

戸籍1枚ごとの手数料は高くありません。

  • 戸籍 |450円
  • 除籍 |750円
  • 原戸籍|750円
  • 住民票|約300円

ただし、郵送で戸籍を取得する場合は、定額小為替の発行手数料や郵送費が増えます。

下記の記事では、相続放棄に必要な戸籍について説明しているので、確認しておいてください。

2-2.収入印紙や予納郵券の購入費

相続放棄に必要な収入印紙や予納郵券は、金額が決まっています。誰が相続放棄する場合でも同じです。

  • 収入印紙|800円
  • 予納郵券|約470円

相続放棄の裁判所手数料は800円で、現金ではなく収入印紙で納めます。

予納郵券に関しては、管轄家庭裁判所によって金額が違います。前もって確認しておいてください。

以下は、大阪家庭裁判所の予納郵券です。

  • 84円切手×5枚
  • 10円切手×5枚

切手の内訳も指定されているので、購入する際はご注意ください。

家庭裁判所が遠方であれば、郵送で提出することになります。郵送方法に指定は無いのですが、書留やレターパックなどで送る方が安全です。

3.相続放棄を専門家に依頼する費用

相続放棄の手続きを自分でするなら不要ですが、専門家に依頼するなら費用(報酬)が発生します。

相続放棄の手続きを依頼できる専門家は、弁護士と司法書士になります。行政書士や税理士には依頼できないので注意してください。

3-1.弁護士や司法書士に相続放棄を依頼する

弁護士や司法書士に相続放棄を依頼する場合、報酬額については注意してください。

なぜなら、専門家の報酬額は自由設定なので、料金の高い・低いが存在するからです。

平均的な相場に合わせている事務所もあれば、低くしている事務所もあります。相続放棄の依頼を受けたくないので、意図的に高くしている事務所もあります。

相続放棄の料金が高いと感じたら、他の事務所も確認してみましょう。

ちなみに、報酬額の高低は、相続放棄の受理率(成否)に影響しません。法律上の要件を満たしていれば、報酬額に関わらず相続放棄は認められます。

3-2.相続放棄の費用が高額になるケース

相続放棄を専門家に依頼する場合、下記に該当すると費用(報酬)が高額になりやすいです。

  • 残り期間が短い
  • 期間を過ぎている
  • 相続財産を使っている

専門家に依頼するなら、上記に該当しないように注意してください。

相続放棄の残り期間が短い

相続放棄できるのは、相続の開始を知った日から3ヶ月以内です。

戸籍謄本等を集めるのに時間がかかるので、残り期間が短いと料金を割り増しにする事務所が多いです。目安としては1ヶ月を切ると割増しにしています。

例えば、「残り1ヶ月を切っているなら1万円追加」などの事務所が多いです。

専門家に相続放棄を依頼するなら、早めに依頼した方が得になります。

相続放棄の期間を過ぎている

原則として、相続放棄の期間(3ヶ月)を経過すると、相続放棄はできません。

ですが、事務所によっては詳しい話を聞いたうえで、料金を割り増しにして受けています。

例えば、「3ヶ月過ぎていても大丈夫!料金は要相談」などの表示です。

3ヶ月経過している場合は、別途書類を作成するので、割増料金になっています。

どうしても相続放棄したいなら、専門家に相談してみましょう。

相続財産をすでに消費している

原則として相続財産を使ってしまうと、相続放棄は認められません。

ですが、事務所によっては詳しい話を聞いたうえで、料金を割り増しにして受けています。

例えば、「相続財産を消費しても諦めるな!料金は要相談」などの表示があります。

どうしても相続放棄したい場合は、割増料金を支払って依頼しましょう。

3-3.専門家の費用を安くする方法

専門家の費用を安くするなら、不要なサービスを省きましょう。

なぜかというと、依頼人にとって不要なサービスも、報酬に含まれているからです。

原則として、以下のサービスは不要です。

  • 被相続人の負債の調査
  • 債権者への連絡
  • 次順位相続人への連絡
  • 相続放棄申述受理証明書の取得

不要なサービスが料金に含まれているなら、省いて安くしてもらいましょう。

注意料金を下げるかどうかは専門家によります。

相続放棄を決めているなら負債の調査は不要

事務所によっては、被相続人の負債の調査を料金に含んでいます。

ですが、相続放棄を決めているなら、負債の調査は不要です。

なぜなら、相続放棄の申述書に記載するのは、判明している財産だけなので、不明であれば「負債額は不明」と記載して問題ありません。

負債額に関わらず相続放棄するなら、わざわざ調査する必要がないです。

相続放棄を債権者に知らせる義務はない

事務所によっては、債権者への連絡を料金に含んでいます。

ですが、相続放棄を債権者に知らせる義務はありません。債権者が相続放棄を知らせてほしいのは、自分で調べる手間を省きたいからです。

債権者からの通知等を止めたいのであれば、相続放棄申述受理通知書のコピーを送るだけで止まります。

自分で知らせるなら、「コピー代」と「郵送料」だけです。約100円で済むことを、専門家に依頼する意味は特にありません。

相続放棄を次順位相続人に知らせる義務はない

事務所によっては、順位相続人への連絡を料金に含んでいます。

ですが、相続放棄を次順位相続人に知らせる義務はありません。知らせるかどうかは依頼者の自由です。

親族間で交流があれば知らせれば良いですし、交流がなければ知らせる必要もありません。

そして、交流のある親族への連絡を、わざわざ専門家に依頼する必要はないです。

基本的に相続放棄申述受理通証明書は使わない

事務所によっては、相続放棄申述受理証明書の取得を料金に含んでいます。

ですが、基本的に相続放棄申述受理証明書は使いません。

なぜなら、相続放棄申述受理証明書が必要になるケースが少ないからです。

  • 法務局で相続登記の申請
  • 銀行で預貯金口座の手続き

相続放棄した人以外の相続人が、相続手続をする際には相続放棄申述受理証明書も必要になります。

したがって、全員相続放棄するケースや名義変更等も発生しないケースでは、相続放棄申述受理証明書を取得する意味がありません。

4.相続放棄を自分でするなら費用は安い

相続放棄の費用を安くするなら、自分で手続きをしましょう。

なぜなら、自分で相続放棄の手続きをすれば、専門家報酬が省けるからです。

4-1.自分で相続放棄するなら裁判所費用のみ

自分で相続放棄する場合でも、裁判所費用は必要になります。

  • 戸籍等の取得費
  • 収入印紙
  • 予納郵券

誰が相続放棄するかで、戸籍等の取得費は違います。兄弟姉妹や甥姪が相続放棄する場合、取得費用は高くなるので注意してください。

4-2.自分で相続放棄するなら手間はかかる

自分で相続放棄する場合、専門家に依頼する部分を自分でする必要があります。

  • 申述書の作成
  • 戸籍等の収集
  • 相続放棄の勉強

申述書の作成や戸籍等の収集だけでなく、相続放棄の勉強(知識収集)もしておきましょう。

なぜなら、相続放棄の一部分しか知らない人が多いからです。

相続放棄にも注意点が複数あり、知らずに相続放棄すると問題が発生します。

自分で相続放棄する場合、相続放棄の失敗は自己責任になるので、手間はかかりますが勉強もしておきましょう。

5.まとめ

今回の記事では「相続放棄の費用」について説明しました。

相続放棄の費用は「実費」と「専門家報酬」に分かれます。

実費は必ず発生する費用であり、専門家報酬は依頼した場合だけ発生する費用です。

自分で相続放棄の手続きができる人は、自分でするのが一番安くなります。

専門家に依頼するなら、報酬は自由設定だと知っておいてください。

相続放棄の費用に関するQ&A

甥が相続放棄する場合、戸籍の取得費はどれぐらいですか?

5,000円から7,000円ぐらいです。
ただし、事情によって金額に違いがあります。

弁護士に依頼した方が良いケースはありますか?

闇金が家に来ているなら弁護士に依頼。

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