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相続放棄の収入印紙と予納郵券を図を用いて説明

相続放棄の収入印紙と予納郵券
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相続放棄するには申述書や戸籍だけでなく、収入印紙や予納郵券も必要になります。

自分で相続放棄の手続きをするなら、戸籍の収集だけでなく収入印紙や予納郵券の購入も忘れずにしてください。

収入印紙は800円で共通ですが、予納郵券の額は管轄家庭裁判所により違います。購入する前に、家庭裁判所へ確認しておきましょう。

今回の記事では、相続放棄の収入印紙と予納郵券について、貼り付け位置や送付方法を図で説明しているので、相続放棄の参考にしてください。

目次

1.相続放棄の収入印紙は800円分

相続放棄の申述に必要な収入印紙の額は、法律により800円と定められています。

以下は、民事訴訟費用等に関する法律の条文です。

(申立ての手数料)
第三条 別表第一の上欄に掲げる申立てをするには、申立ての区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる額の手数料を納めなければならない。
別表第一
上欄 家事事件手続法別表第一に掲げる事項についての審判の申立て又は同法の規定による参加の申出(申立人として参加する場合に限る。)
下欄 800円
出典:e-Govウェブサイト(民事訴訟費用等に関する法律3条1項)

相続放棄は家事事件手続法別表第一に掲げる事項に含まれています。

以下は、家事事件手続法の条文です。

別表第一
九十五 相続の放棄の申述の受理
出典:e-Govウェブサイト(家事事件手続法別表第一)

専門家以外は根拠条文を気にしなくて大丈夫です。

相続放棄には収入印紙が800円必要なので、自分で手続きするなら収入印紙も購入してください。

1-1.収入印紙を購入できる場所

収入印紙800円分の組み合わせ

収入印紙を購入できる場所は複数ありますが、主な場所は以下の2つです。

  • コンビニ
  • 郵便局

購入できる額面に違いがあります。

コンビニでも購入できる

お近くのコンビニでも収入印紙は購入することができます。

ただし、コンビニで販売している収入印紙は200円が多いです。200円を4枚購入して800円分を用意します。

注意収入印紙を販売していないコンビニもあります。

郵便局の窓口で購入できる

郵便局がお近くにあれば、切手を購入できる窓口で収入印紙も購入できます。

郵便局で購入するなら、400円を2枚購入します。
800円という額面はありません。

なぜ200円を4枚ではなく400円を2枚なのかというと、申述書に貼る手間を少なくするためです。

1-2.相続放棄申述書に収入印紙を貼る

購入した収入印紙800円分を申述書に貼ります。

相続放棄申述書は裁判所のホームページからダウンロードするか、家庭裁判所から直接取得してきます。

収入印紙は相続放棄申述書の1枚目右上に貼る位置があります。

相続放棄申述書の収入印紙添付位置

指定されている場所に200円×4枚、または400円×2枚を貼ってください。
*他の組み合わせでも可能です。

ちなみに、収入印紙を貼るのは最後にしましょう。申述書は書き間違える可能性があるので、先に貼ってしまうと面倒だからです。

注意申述書にも書いていますが、収入印紙に押印はしないでください。

1-3.収入印紙は相続人1人につき800円

相続放棄申述書は相続人1人ごとに作成するので、収入印紙も800円×人数分必要です。

相続放棄する人数収入印紙の合計額
1人800
2人1,600
3人2,400
4人3,200

ただし、収入印紙をまとめて購入する際は、額面に注意してください。

例えば、亡くなった人の子ども2人が相続放棄する場合。

相続人

収入印紙を1,600円下さい。

1,000円×1枚と600円×1枚でも1,600円になります。
※通常は額面を聞いてきます。

余計なミスを省くためには、下記のように説明してください。

相続人

400円の収入印紙を4枚下さい。

申述書1枚に貼るのは800円分なので、400円×枚数(人数×2)で購入した方が安全です。

自分で相続放棄する場合は、収入印紙の額面にも注意してください。

2.相続放棄の予納郵券は家庭裁判所により違う

相続放棄の申述書を提出する際は、予納郵券も添付する必要があります。

予納郵券

家庭裁判所が郵送に使用する切手

ただし、予納郵券は提出先の家庭裁判所ごとに違います。
※収入印紙は800円で共通です。

したがって、予納郵券を購入する前に、必要な予納郵券を調べてください。

2-1.相続放棄に必要な予納郵券の調べ方

相続放棄申述書の提出先は、亡くなった人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

最後の住所地は住民票上の住所となるので、住民票(除票)または戸籍の附票を取得して調べます。住民票(除票)または戸籍の附票は添付書類としても必要なので、住所を知っていたとしても取得してください。

管轄家庭裁判所が分かれば、ホームーページまたは電話で予納郵券を確認します。

ただし、ホームーページに載せていない家庭裁判所も多いので、見つからなければ電話で確認してください。

大阪家庭裁判所に関しては、以下が相続放棄の予納郵券となります。

【大阪家庭裁判所】

  • 84円×5枚
  • 10円×5枚

切手の組み合わせも指定されているので、購入する際は気を付けてください。

2-2.相続放棄申述書と予納郵券をセットにする

家庭裁判所の窓口で相続放棄申述書を提出する場合は、予納郵券の提出方法を気にする必要は。

一方、郵送で相続放棄申述書を提出する場合は、予納郵券を紛失しないように気を付けてください。

以下は、私が申述書を郵送で提出する際の手順です。

予納郵券を相続放棄申述書にクリップで留める
手順
切手を購入

郵便局やコンビニで切手を購入します。

収入印紙と一緒に購入すれば、手間が省けます。

手順
袋を用意

切手がバラバラにならないように袋を用意します。

切手を購入する際に貰える袋が便利です。

手順
袋に入れる

切手の枚数を確認したら袋に入れ、上部を折り返します。

手順
クリップで留める

相続放棄申述書の左上にクリップで留めます。

ご自身で相続放棄の申述書を郵送する場合は、上記の手順を参考にしてください。

2-3.相続放棄の予納郵券は何に使うのか

予納郵券を何に使うか、ほとんどの人はご存知ないと思います。

予納郵券は家庭裁判所と申述人の連絡用に使われます。

  • 照会書(回答書)の郵送用
  • 回答書の返送用
  • 相続放棄申述受理通知書の郵送用

照会書(回答書)とは、家庭裁判所から送られてくる、本人確認を兼ねた質問書のようなものです。
*省略される場合もあります。

余った予納郵券は、相続放棄申述受理通知書が届く際に一緒に送られてきます。

3.まとめ

今回の記事では「相続放棄の収入印紙・予納郵券」について説明しました。

相続放棄を自分でする場合は、収入印紙や予納郵券も自分で用意する必要があります。

収入印紙はコンビニや郵便局で購入できます。800円という額面は無いので、200円×4枚や400円×2枚で800円分を用意します。

予納郵券は家庭裁判所ごとに違うので、管轄家庭裁判所を調べて確認しておきましょう。

相続放棄を司法書士等に依頼した場合は、収入印紙や予納郵券も用意してくれるので、ご自身で用意する必要はありません。

相続放棄と収入印紙・予納郵券に関するQ&A

予納郵券の内訳を間違えたら、相続放棄は却下されますか?

却下されないです。足りなければ追加で請求されます。

収入印紙を貼り忘れたら、相続放棄は却下されますか?

追加で提出すれば大丈夫です。

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