【死亡一時金の時効は2年】死亡日の翌日からスタートする

死亡一時金の消滅時効
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亡くなった人が国民年金の第1号被保険者だった場合、納付要件を満たしていると遺族は死亡一時金を受給できます。

ただし、死亡一時金を受給する権利にも時効があり、請求せずに放置していると時効により消滅します。

時効期間は死亡日の翌日からスタートするので、後回しにせず請求してください。

今回の記事では、死亡一時金の時効について説明しているので、1号被保険者が亡くなった場合は参考にしてください。

1.死亡一時金を受給する権利にも時効がある

死亡一時金を受給する権利があっても、請求せずに放置しておくと時効により消滅します。

消滅時効
一定期間を経過すると権利が消滅すること

以下は、国民年金法の条文です。

(時効)
第百二条 (省略)
4 保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は、これらを行使することができる時から二年を経過したときは、時効によつて消滅する。

出典:e-Govウェブサイト(国民年金法102条4項)

時効の起算日と時効期間が重要

死亡一時金の消滅時効を知るうえで重要なのは、「時効の起算日」と「時効期間」の2つです。

1-1.死亡日の翌日が死亡一時金の時効起算日

死亡一時金の時効起算日

消滅時効は権利を行使できるときから、期間の計算が始まります。

死亡一時金の受給権を行使できるのは、被保険者が死亡してからです。

ただし、民法の規定により初日は期間の計算に含めないので、死亡日の翌日が消滅時効の起算日(スタート日)となります。

例えば、令和5年6月3日に死亡した場合、翌日の令和5年6月4日が消滅時効の起算日です。

消滅時効の起算日が確認できたら、次は時効期間を確認します。

1-2.死亡一時金の受給権は2年経過すると消滅

死亡一時金の時効期間

死亡一時金の受給権は、時効起算日から2年経過すると時効により消滅します。

2年経過してから死亡一時金を請求しても、時効により消滅しているので支給されません。

死亡一時金の時効期間は短いので、受給要件を満たしているなら直ぐに請求してください。

 

2.死亡一時金と遺族年金では時効期間が違う

死亡一時金は2年で遺族年金は5年

死亡一時金と遺族年金は、どちらも遺族に対する給付です。

ただし、消滅時効の期間は、死亡一時金と遺族年金で違います。

死亡一時金の時効期間は2年ですが、遺族年金の時効期間は5年です。

死亡一時金よりも遺族年金の方が時効が長い

死亡一時金よりも遺族年金の時効期間は長いので、勘違いして諦めないように注意してください。

例えば、死亡から3年経過していれば、死亡一時金は時効により消滅しています。

それに対して、遺族年金は3年経過していても、請求すれば受給できます。

死亡一時金と遺族年金では時効期間が違うので、しっかりと確認しておいてください。

 

3.失踪宣告による死亡一時金は時効の起算日が違う

失踪宣告により死亡とみなされた場合でも、納付要件を満たしていれば死亡一時金は受給できます。

ただし、通常の死亡と同じように、失踪宣告による死亡にも消滅時効の規定は適用されます。

3-1.死亡とみなされる日は死亡一時金の時効と無関係

失踪宣告により死亡とみなされると、戸籍には「死亡とみなされる日」が記載されます。

ですが、失踪宣告により死亡一時金の受給権が発生する場合、死亡とみなされる日は消滅時効と無関係です。

死亡とみなされる日が何年前であっても、死亡一時金とは無関係なので安心してください。

ただし、遺族年金の消滅時効については、死亡とみなされる日が関係するので注意してください。

3-2.死亡一時金は審判確定日の翌日から2年以内に請求

死亡一時金は審判確定日の翌日から2年以内

死亡一時金が請求できるのは、失踪宣告の審判確定日の翌日から2年以内です。

以下は、日本年金機構ウェブサイトの記載。

失踪宣告の審判の確定日の翌日から2年以内に死亡一時金の請求が必要です。

出典:日本年金機構ウェブサイト(死亡一時金を受けるとき)

たとえ死亡とみなされる日が何年前であっても、審判確定日の翌日から2年以内なら請求できます。

死亡とみなされる日ではなく審判確定日の翌日から2年以内

生計同一者の失踪宣告が認められたら、死亡一時金が受給できるか必ず確認しておきましょう。

 

4.まとめ

今回の記事では「死亡一時金の時効」について説明しました。

死亡一時金の受給権にも、時効期間が定められています。

死亡日の翌日から2年経過するまでに、死亡一時金を請求しなければ、時効により消滅します。

ただし、失踪宣告による死亡一時金は、通常の死亡と違い審判確定日の翌日から2年以内です。

死亡一時金の消滅時効は、遺族年金の消滅時効(5年)よりも短いので、後回しにせず請求しましょう。