行方不明者の死亡日(死亡とみなされる日)がいつになるかは、失踪宣告の種類によって違います。
普通失踪は行方不明になってから7年経過した日、特別失踪は危難が去った時です。
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死亡日は家庭裁判所の判断により決まるので、申立人の想定していた日付とズレる可能性はあります。
行方不明者の死亡日がズレると、相続人が変更する可能性もあるので、間違えないよう注意してください。
今回の記事では、失踪宣告の死亡日について説明しているので、申立てを検討しているなら参考にしてください。
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1.失踪宣告の種類によって死亡日が違う
行方不明者の死亡日(死亡とみなされる日)は、失踪宣告の種類によって違います。
| 失踪宣告 | 死亡日 |
|---|---|
| 普通失踪 | 最後に生存が確認できた日から7年経過した時 |
| 特別失踪 | 危難が去った時 |
ほとんどのケースは普通失踪なので、今回の記事でも普通失踪をメインに説明していきます。
1.普通失踪は行方不明になってから7年経過日
普通失踪の死亡日は、生死不明になってから7年経過した日になります。
以下は、民法の条文です。
(失踪の宣告) 第三十条 不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪そうの宣告をすることができる。 (省略) (失踪の宣告の効力) 第三十一条 前条第一項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第二項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。
いつから7年かというと、最後に生存が確認できた日から7年です。
例えば、平成20年6月15日に家を出てから行方不明の場合、平成20年6月15日が最後に生存が確認できた日になります。つまり、平成27年6月15日が死亡日です。
ただし、最後に生存が確認できた日は、家庭裁判所が最終的に判断します。
家庭裁判所の調査により、最後に生存が確認できた日がズレる可能性はあるので、審判書が届いたら確認しておいてください。
2.特別失踪は危難が去った時
特別失踪による死亡日は危難が去った時です。
危難に遭遇して行方不明になった人は、危難が去った時に死亡とみなされます。
以下は、民法の条文です。
(失踪の宣告) 第三十条 (省略) 2 戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後一年間明らかでないときも、前項と同様とする。 (失踪の宣告の効力) 第三十一条 前条第一項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第二項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。
間違えやすいのですが、危難が去ってから1年後ではありません。
| 特別失踪 | 期日 |
|---|---|
| 要件 | 危難が去ってから1年経過後 |
| 死亡日 | 危難が去った時 |
特別失踪の申立てができるのは、危難が去ってから1年経過後です。
ただし、行方不明者の死亡日は危難が去った時なので、申立要件と死亡日は別になります。
例えば、船舶の沈没により行方不明になっている場合、船舶が沈没してから1年経過後に特別失踪の申立てができます。そして、船舶の沈没した日が死亡日です。
特別失踪では、行方不明期間と死亡日を間違えやすいので注意してください。
関連記事を読む『特別失踪の危難が去った時|いつになるのかを確認しておこう』
2.失踪宣告の死亡日は審判書に書かれていない
失踪宣告の申立てが認められると、家庭裁判所から審判書の謄本が送付されます。
ただし、審判書の謄本には、行方不明者の死亡日は書かれていません。申立人が書面の内容から死亡日を判断する必要があります。
2-1.審判書謄本に記載された日付から判断
審判書謄本に記載されている日付は、行方不明者の死亡日ではありません。
以下は、審判書謄本の見本です。
※普通失踪の場合。

普通失踪であれば、最後に生存が確認できた日から7年経過日が死亡日となります。
簡単に説明すると、日付に7年を足した日が死亡日です。
例えば、「平成22年5月23日以来7年以上生死が分からない」と書かれていれば、平成29年5月23日が死亡日になります。
審判書謄本に死亡日は書いてませんが、死亡日の元になる日付は記載されています。
2-2.審判日から2週間経過で審判確定
行方不明者の死亡日が分かれば失踪届を出したくなりますが、審判が確定するのを待ってください。
なぜなら、失踪宣告の審判が確定しなければ、失踪届は提出できないからです。
失踪宣告の審判は、審判日から2週間経過後に確定します。
通常、審判書謄本と一緒に確定証明書の請求書が同封されているので、記入して家庭裁判所に送付すると、審判の確定後に確定証明書を送付してくれます。
家庭裁判所から確定証明書が届いたら、役所に失踪届を提出してください。
3.失踪宣告の死亡日は戸籍に記載される
失踪宣告の申立人が失踪届を役所に提出すると、行方不明者の戸籍に死亡日が記載されます。
以下は、失踪届を提出した後の、行方不明者の戸籍です。
【死亡とみなされる日】令和〇年〇月〇日
【失踪宣告の裁判確定日】令和〇年〇月〇日
【届出日】令和〇年〇月〇日
【届出人】親族 〇〇
相続手続きには失踪宣告が記載された戸籍が必要なので、取得した戸籍に失踪宣告が記載されているか確認してください。
失踪宣告と戸籍については、下記の記事で詳しく説明しています。
関連記事を読む『失踪宣告は戸籍に記載される|相続手続で必要になります』
4.失踪宣告による相続も死亡日に発生
失踪宣告の申立てが認められると、行方不明者は死亡とみなされます。
そして、行方不明者の死亡日に相続も発生しますし、他の相続にも影響があります。
4-1.行方不明者の相続人は死亡日で判断
行方不明者の相続人は、死亡日(死亡とみなされる日)で判断します。
以下は、民法の条文です。
(相続開始の原因) 第八百八十二条 相続は、死亡によって開始する。
行方不明になってから年数が経っていると、死亡日も昔になります。
失踪者 |A
行方不明日|平成13年9月11日
申立日 |令和7年1月6日
死亡日 |平成20年9月11日
令和7年に失踪宣告の申立てをした場合でも、死亡日は行方不明になった時から7年経過後です。
したがって、Aの相続人は平成20年9月11日で判断します。
あくまでも相続人は死亡日で判断するので、行方不明者の親族で亡くなっている人がいる場合は、死亡日を比べてください。
行方不明者の死亡日によって、代襲相続や数次相続が発生します。
関連記事を読む『【失踪宣告による相続】誰が相続人なのか間違えないように注意』
4-2.行方不明者が相続人の場合は変更に注意
失踪宣告の死亡日は、行方不明者が相続人だった場合も重要になります。
※相続人が行方不明のケース。
なぜなら、相続人が変更する可能性があるからです。
以下の家族関係を元に説明します。

被相続人と行方不明者の死亡日によって、相続人が変更します。
| 被相続人の 死亡日 | 行方不明者の 死亡日 | 相続 |
|---|---|---|
| 前 | 後 | 数次相続 |
| 後 | 前 | 代襲相続 |
行方不明者の死亡日が後であれば、数次相続が発生するので、行方不明者の相続人(配偶者と子ども)が被相続人の遺産分割協議に参加します。
一方、行方不明者の死亡日が前であれば、代襲相続が発生するので、孫が代襲相続人として被相続人の遺産分割協議に参加します。
行方不明者が相続人になっている場合、死亡日によって遺産分割協議の参加者が変わるので注意してください。
関連記事を読む『失踪宣告でも代襲相続は発生する|数次相続との違いに注意』
5.まとめ
今回の記事では、「失踪宣告の死亡日」について説明しました。
行方不明者の死亡日は、失踪宣告の種類によって違います。
| 失踪宣告 | 死亡日 |
|---|---|
| 普通失踪 | 最後に生存が確認できた日から7年経過した時 |
| 特別失踪 | 危難が去った時 |
失踪宣告の申立日や審判確定日は、行方不明者の死亡日に一切関係ありません。
行方不明者の相続も死亡日に発生するので、相続人を間違えないよう注意してください。
失踪宣告を検討されている場合は、死亡日がいつになるのか確認しておきましょう。
失踪宣告の死亡日に関するQ&A
最後に、失踪宣告の死亡日に関して、よくある質問と回答をまとめました。
行方不明者の死亡日は指定できますか?
指定できないです。申立後の調査で想定していた死亡日とズレる可能性はあります。
死亡日を早くしたいので特別失踪にできますか?
行方不明の原因により普通失踪または特別失踪になるので、選べるわけではありません。
失踪宣告による死亡日は10年前になりましたが、相続人はいつの時点で判断しますか?
相続人は死亡日で判断するので、10年前の時点で相続人も決まります。
上記以外にも、失踪宣告のQ&Aは50以上あるので参考にしてください。




