自筆証書遺言が複数枚なら疑われない対策も必要

自筆証書遺言が複数枚になっても問題ありません。遺言書の枚数に法律上の制限は無いからです。

ただし、自筆証書遺言の枚数が多くなるなら、一通であると明確にしておく必要はあります。

また、自筆証書遺言の枚数が多くなると、書き間違える可能性も高くなるので注意してください。

今回の記事では、複数枚の自筆証書遺言について説明しているので、遺言書を作成する際の参考にしてください。

1.自筆証書遺言の枚数に法律上の制限は無い

自筆証書遺言の枚数に法律上の制限はありません。

極端な話、自筆証書遺言が100枚だったとしても、法律上の要件さえ満たしていれば問題ありません。

上記の要件を満たしていれば、自筆証書遺言の枚数は何枚でも構いません。

自筆証書遺言は何枚でも問題ない

相続人や相続財産が多ければ、記載する内容も多くなるので、自筆証書遺言の枚数は多くなりやすいです。

ただし、自筆証書遺言の枚数が多くなるなら、契印等の対策をしておきましょう。

 

2.自筆証書遺言が複数枚なら契印は必要か?

自筆証書遺言が複数枚であっても、法律上は契印をする必要がありません。

契印
書類が連続していることを示すために押す印

ただし、死後の余計なトラブルを避けるためにも、契印等はしておいた方が安全です。

2-1.契印が無くても一通の遺言書と判断できるなら有効

過去には自筆証書遺言の契印について、裁判で争った事例もあります。

以下は、最高裁の判例です。

自筆遺言書が二葉にわたり、その間に契印がなく、綴じ合わされていなくても、第二葉には第一葉において譲渡する旨示した物件が記載されていて、両者は紙質を同じくし、いずれも遺言書の押印と同一の印で封印されて遺言者の署名ある封筒に収められている場合には、一通の遺言書と明認できる。

出典:裁判所ウェブサイト(昭和37年5月29日最高裁判所第三小法廷判決)

上記の事例では、契印や綴じ合わせをしていなくても、2枚の自筆証書遺言は一通の遺言書と判断されています。

ただし、2枚の自筆証書遺言の内容が繋がっており、遺言書に押印した印と同一の印で封筒に封印がされていたからです。

自筆証書遺言に何の対策もされていなければ、認められなかった可能性もあります。

2-2.自筆証書遺言が複数枚なら一通であると明確にする

自筆証書遺言が複数枚なら、一通であることを明確にしておきましょう。

具体的には、以下のような対策があります。

  • 遺言書をホッチキスで留める
  • 遺言書に契印をする
  • 遺言書にページ番号を記入する
  • 遺言書のすべてに署名する

自筆証書遺言をホッチキスで留めるだけでも、一通の遺言書であると分かりやすくなります。

また、遺言書に契印をすると差し替えを防ぐ効果もあります。

注意一通の遺言書であると明確にする対策は、自筆証書遺言を法務局に保管するなら不要です。

 

3.複数枚の自筆証書遺言を法務局に保管するなら注意

複数枚の自筆証書遺言を法務局に保管するなら、一通の遺言書であると明確にする対策が余計になることがあります。

なぜかというと、明確にする対策が、法務局の保管様式に当てはまらないケースもあるからです。

  • 自筆証書遺言をホッチキス等で留めない
  • 用紙の周囲に一定の余白が必要
    ※左辺は20ミリ(2センチ)
  • 片面(表面)だけ使用する

ホッチキスは外せば大丈夫ですが、契印をしていると余白は満たせない可能性があります。
※契印は左辺にしている可能性が高い。

契印により余白の要件を満たせない

自筆証書遺言を法務局に保管するなら、明確にする対策等は特に必要ありません。

なぜなら、自筆証書遺言の偽造や変造を防ぐために法務局に保管するからです。

自筆証書遺言が一通であると明確にする対策をするぐらいなら、法務局に保管した方が安全でしょう。

 

4.自筆証書遺言が複数枚と財産目録では要件が違う

自筆証書遺言に記載する財産が多いなら、財産目録を添付することもできます。

作成した自筆証書遺言と財産目録を、ホッチキス等で留めて契印するかは遺言者の自由です。

ただし、すべての財産目録には、遺言者の署名捺印が必要になります。

例えば、自筆証書遺言の本文が2枚で財産目録が3枚の合計5枚だとします。

自筆証書遺言の本文については、一箇所でも署名捺印があれば法律上の要件は満たします。

遺言書に一箇所でも署名捺印があれば大丈夫

もちろん2枚全部に署名捺印しても問題ありません。

それに対して、財産目録は3枚全部に署名捺印が必要です。

すべての財産目録に署名捺印が必要

遺言者の署名捺印が抜けていると財産目録は無効になります。

「自筆証書遺言が複数枚」と「財産目録」では、法律上の要件が違うので気を付けてください。

 

5.遺言書の枚数によっては公正証書遺言も検討

自筆証書遺言の枚数が多くなるなら、公正証書遺言も検討しましょう。

なぜなら、遺言書としての効力は同じですが、書き間違える可能性は自筆証書遺言の方が高いからです。

自筆証書遺言は自書が要件なので、書く分量が増えるほど書き間違える可能性も高くなります。

一方、公正証書遺言であれば公証人が作成するので、書き間違える可能性は低くなります。

遺言書に記載する内容が多いのであれば、公正証書遺言も検討してみてください。

 

6.さいごに

遺言者の相続人や相続財産が多いと、自筆証書遺言が複数枚になることは珍しくありません。

自筆証書遺言の枚数に法律上の制限はありませんし、特別な要件も定められていません。

ただし、複数枚で一通の遺言書であると明確にしておく必要はあります。

一般的には、ホッチキスで留めて契印することが多いです。

自筆証書遺言を法務局に保管するなら、ホッチキスや契印は不要なので気を付けてください。

遺言書を作成すると、以下のようなことが可能です。

  • 相続人以外に財産を残す
  • 特定の相続人に財産を残す
  • 遺産分割協議が不要になる

遺言書の作成を検討されている場合は、以下のボタンより料金と流れについて確認することができます。

遺言書作成の料金を確認する
遺言書に関する記事も複数ありますので、悩みを解決するための参考にしてください。

遺言書記事一覧

下記から相談用LINEに登録できます。

質問・相談

簡単な質問等であれば、LINEで答えることも可能です。

遺言書作成の質問は電話でお答えします
📞06-6643-9269

受付時間8:00~20:00
司法書士の小嶋(こじま)が担当します

ご相談中など出られない場合には、折り返しご連絡いたします。

申込フォームは24時間対応ですのでご希望の時間をご記入ください。折り返しご連絡いたします。

問い合わせ(無料)をする

>相続専門の司法書士事務所

相続専門の司法書士事務所

相続に関する悩みや疑問があれば、お気軽にお問い合わせください。
遺言書に関すること。
相続登記に関すること。
相続手続に関すること。
相続放棄に関すること。
後見に関すること。
事実婚や同性カップルの相続対策。

CTR IMG