行方不明者がいるので不在者財産管理人を選任したいが、費用がいくら必要なのか分からず困っていませんか。
不在者財産管理人に関する費用は、大きく分けると3つあります。
- 申立て費用
- 予納金
- 専門家報酬
申立て費用は決まっていますし、専門家報酬もあらかじめ確認できます。それに対して、予納金の額は不在者の財産によって違うので、場合によっては高額になります。
今回の記事では、不在者財産管理人の費用について説明しているので、申立てを検討している場合は参考にしてください。
目次
1.不在者財産管理人の申立て費用
1つ目の費用は、不在者財産管理人の選任申立て費用です。
選任申立ての費用としては、以下があります。
- 不在であることを証明する費用
- 収入印紙:800円
- 予納切手:家庭裁判所により違う
- 提出書類の取得費用
1-1.不在であることを証明する費用
不在者が不在であることを、家庭裁判所に証明するための費用です。
例えば、最後の住所に郵送物を送るだけでなく、実際に現地に行って確認する必要があります。
不在者の最後の住所が近くであれば費用もかかりませんが、遠方であれば往復の交通費も高額になります。
申立人と不在者の関係性によって、不在であることを証明する費用も高くなるので気を付けてください。
1-2.収入印紙は800円分を用意する
不在者財産管理人の選任申立てに必要な収入印紙は800円です。
ただし、800円という額面は販売していないので、400円×2枚や200円×4枚など800円分購入してください。
コンビニでも収入印紙は購入できるのですが、200円の額面しか販売していないことが多いです。
郵便局で購入する場合は、切手を販売している窓口で収入印紙も購入できます。
関連記事を読む『収入印紙800円分を購入する【家庭裁判所申立書に貼付】』
1-3.予納切手は家庭裁判所ごとに違う
不在者財産管理人の選任申立てに必要な予納切手は、家庭裁判所ごとに違います。
予納切手を購入する前に、必ず家庭裁判所に確認しておきましょう。
例として、大阪家庭裁判所の予納切手です。
- 100円×5枚
- 84円×20枚
- 10円×20枚
- 2円×10枚
合計で2,400円必要です。内訳も指定されています。
同じ大阪でも堺支部および岸和田支部は予納切手が違います。
- 500円×2枚
- 100円×5枚
- 84円×20枚
- 10円×20枚
- 2円×10枚
- 1枚×10枚
合計で3,410円必要です。
1-4.提出書類の取得費用も発生する
不在者財産管理人の選任申立てには、戸籍謄本などの提出書類が必要です。
ですので、戸籍謄本などの取得費用も申立て費用といえます。
- 不在者の戸籍謄本
- 不在者の住民票または戸籍の附票
- 不在者財産管理人候補者の住民票
- 申立人の戸籍謄本(親族が申し立てる場合)
発行手数料は以下のとおりです。
- 戸籍謄本:450円
- 住民票:約300円
*各自治体により違います
郵送で取得する場合は、郵送手数料も発生します。
関連記事を読む『不在者財産管理人の選任申立て|手続きには時間がかかる』
2.予納金の額は家庭裁判所が判断する
2つ目の費用は、予納金です。
不在者財産管理人の選任申立てをすると、家庭裁判所から予納金を求められることがあります。
- 予納金
- 申立人が家庭裁判所にあらかじめ預けるお金のこと
予納金がなぜ必要かというと、不在者の財産では管理費用が足りない場合もあるからです。足りない分を申立人の負担にしています。
管理費用には以下が含まれます。
- 財産管理の手続き費用
- 不在者財産管理人の報酬
予納金の額は不在者の財産によって違うのですが、30万円から100万円ぐらいと言われています。もちろん、0円の場合もありますし、100万円以上必要な場合もあります。
予納金については、下記の記事も参考にしてください。
関連記事を読む『不在者財産管理人の予納金は申立人の負担となる』
3.申立てを専門家に依頼すると報酬が発生する
3つ目の費用は、申立てを専門家に依頼した際の専門家報酬です。
不在者財産管理人の選任申立てを、自分でする人は少ないと思います。相談を含めて専門家(弁護士・司法書士)に依頼することが多いです。
主な依頼内容としては、以下があります。
- 不在者財産管理人に関する相談
- 不在者財産管理人の選任申立書作成
- 申立てに必要な戸籍謄本等の取得
専門家報酬は自由設定なので、各事務所により違います。
思っているよりも報酬には差があるので、ホームページなどから報酬を確認して、まずは相談してみることをお勧めします。
4.さいごに
不在者財産管理人に関する費用は、以下の3つに分かれます。
- 申立て費用
- 予納金
- 専門家報酬
不在者財産管理人の申立て費用は、決まっているので計算しやすいです。
また、専門家報酬は自由報酬ですが、事務所のホームページであらかじめ確認できます。
それに対して、予納金は不在者の財産によって違いがあるので、目安となる金額にも幅があります。
不在者財産管理人に関する費用は、予納金の額によって違いが生まれます。
まずは、不在者の財産をチェックして、予納金がどのくらい必要かの目安を立てましょう。