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不在者財産管理人の予納金は申立人の負担となる

不在者財産管理人の予納金
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不在者財産管理人の選任申立てを検討している人にとって、予納金がいくら必要なのかは重要です。

目安としては20万円~100万円ぐらいと言われていますが、数十万円も幅があるので判断に困る人もいます。

予納金の額を決めるのは家庭裁判所なので、決め方について知っておきましょう。

1.財産管理にはお金が必要

不在者の財産管理には、お金が必要となります。

不在者の財産管理に必要な金額

財産管理に必要な金額が予納金に関係します。

1-1.不在者財産管理人の報酬

家庭裁判所により選任された不在者財産管理人は、家庭裁判所に対して報酬付与を請求することができます。

報酬額は管理財産額や管理期間等を考慮して、家庭裁判所の審判により決められます。

報酬を請求することができるなので、請求しなければ発生しません。ただし、実際には専門家(弁護士等)が選任されると、間違いなく請求されます。

1-2.管理行為の事務費

管理行為の事務費とは、不在者財産管理人が管理行為をする際に発生した実費のことです。

不在者財産に不動産がある場合の管理費用等も含まれます。

 

2.予納金を決めるのは担当裁判官

予納金については法律で金額が定められていないので、家庭裁判所の担当裁判官が決めることになります。

予納金の目安は20万円から100万円ぐらいと言われています。

予納金の決め方は以下の流れです。

  1. 管理に必要な金額を計算
  2. 不在者の預貯金等を確認
  3. 足りない分を予納金で補う

予納金の計算

2-1.管理に必要な金額を計算

担当裁判官は管理財産や管理期間等を考慮して、不在者の財産管理に必要な金額を計算します。

財産の中に不動産等があると、管理費用は増えやすいと思われます。

2-2.不在者の預貯金等を確認

不在者の財産管理に必要な金額は、不在者の財産から支払うことになります。

ですので、不在者の預貯金等を確認して、支払いに使える金額を計算します。

2-3.足りない分を予納金で補う

不在者の預貯金等では必要な金額に足りない場合や、不動産等しか財産が無い場合には、予納金で補うことになります。

予納金の目安額に幅があるのは、不在者の財産構成によって金額に差が生まれるからです。

 

3.予納金が判明するのは申立ての後

予納金の額が判明するのは、不在者財産管理人の選任申立てをした後です。

申立を検討されている人からすると、あらかじめ金額が分からないと不安ではないでしょうか。

予納金に対する考え方は2つあります。

  • 多めに見積もっておく
  • 払える金額を決めておく

3-1.多めに見積もっておく

予納金の額を多く見積もっておくという考え方です。

20万円~100万円ぐらいが目安と言われているので、予納金は100万円必要だと考えて準備しておきます。

実際の金額が100万円以内であれば、想定の範囲内なので慌てることもないです。

欠点としては、用意しておく金額が高額になります。

3-2.払える金額を決めておく

払える金額を決めておくという考え方です。

申立をして予納金が払える金額であれば支払う、払えない金額であれば申立てを取り下げます。

例えば、50万円なら支払うと決めておいて、予納金が50万円以下なら支払います。一方、50万円を超えているなら、申立てを取り下げるということです。

欠点としては、専門家に申立書の作成を依頼していると、支払った報酬が無駄になります。

 

4.終了後に余れば返還される

不在者の財産管理が終了した際に、予納金が残っていれば申立人に返還されます。

ただし、予納金は残らないこともあるので、その場合は1円も返還されません。予納金を納付する場合は、戻って来ないことを覚悟しておく必要があります。

財産管理の終了事由は『不在者財産管理人の終了はいつなのか|5つの事由を知っておこう』をご覧ください。

 

5.さいごに

不在者財産管理人がいなければ、遺産分割協議や共有不動産の処分ができません。

ですが、不在者財産管理人の選任を検討するうえで、予納金の存在が申立人を不安にさせます。

一般的に20万円から100万円ぐらいが目安と言われていますが、不在者の財産構成によって金額に差が生まれます。

確実な金額は申立てをしなければ判明しません。ただし、不在者に預貯金等があれば予納金は下がります。