不在者財産管理人と失踪宣告の違いを5つの項目で比較

行方不明者に対する申立てには、不在者財産管理人と失踪宣告の2つがあります。

どちらを選ぶかは申立ての理由にもよりますが、違う部分もあるので注意が必要です。

  • 行方不明の期間
  • 利害関係人の範囲
  • 予納金の有無
  • 審判までの期間
  • 本人の生死

今回の記事では、不在者財産管理人と失踪宣告の違いを5つの項目で説明しているので、申立てを検討しているなら参考にしてください。

1.申立てに必要な行方不明の期間

行方不明の期間に違い

1つ目の違いは、行方不明の期間です。

不在者財産管理人と失踪宣告のどちらであっても、前提として本人が行方不明になっているはずです。

ですが、不在者財産管理人と失踪宣告では、申立てに必要な行方不明の期間に大きな違いがあります。

1-1.不在者財産管理人に期間の定めはない

不在者財産管理人の申立てについては、行方不明の期間に定めはありません。

ただし、不在者とは「生死不明で当分帰ってくる見込みがない人」なので、行方不明の期間が数ヶ月では認められにくいです。

個々の事例ごとによって違いますが、1年ぐらいは行方不明の期間が必要だと思われます。

1-2.普通失踪と特別失踪で行方不明の期間が違う

失踪宣告の申立てについては、行方不明の期間が法律で定められています。

普通失踪がいわゆる行方不明で、特別失踪が特別な危難に遭遇した場合です。

失踪宣告(普通失踪)の申立てをするには、行方不明の期間が7年必要になります。行方不明の期間が7年に満たない場合は、申立ての理由にもよりますが、不在者財産管理人の申立ても検討しましょう。

 

2.申立てができる利害関係人の範囲

利害関係人の範囲

2つ目の違いは、利害関係人の範囲です。

不在者財産管理人と失踪宣告の申立てができるのは、どちらも法律上の利害関係人となります。

ただし、利害関係人の範囲が違います。不在者財産管理人の申立てはできても、失踪宣告の申立てはできない人もいます。

利害関係人の範囲
申立人不在者財産管理人失踪宣告
共同相続人×
債権者×
検察官×

上記の表を簡単に説明します。

【共同相続人】

共同相続人の中に行方不明者がいると、遺産分割協議をすることができません。そのため、不在者財産管理人を選任して、行方不明者の代わりに遺産分割協議に参加してもらいます。

共同相続人は失踪宣告について、法律上の利害関係が無いので申立てできません。
*推定相続人の地位も兼ねているなら可能です。

【債権者】

債権者は不在者の財産から弁済を受けるために、不在者財産管理人の申立てをすることができます。

債権者は失踪宣告について、法律上の利害関係が無いので申立てできません。

【検察官】

不在者財産管理人の申立てについては、検察官も法律で認められています。

検察官は失踪宣告について、法律上の利害関係が無いので申立てできません。

 

3.申立に必要な予納金の有無

予納金の有無

3つ目の違いは、予納金の有無です。

不在者財産管理人の選任申立てをするのに、予納金が必要になる場合があります。

なぜなら、不在者に預貯金等の財産が無ければ(少なければ)、不在者財産の管理費用や不在者財産管理人の報酬が支払えないからです。予納金として足りない金額を申立人が支払うイメージになります。

  1. 管理に必要な金額を計算
  2. 不在者の預貯金等を確認
  3. 足りない分を予納金で補う

予納金の計算

ですので、不在者の財産に預貯金等が十分にあれば、予納金が不要になることもあります。

それに対して、失踪宣告の申立てに予納金はありません。

不在者財産管理人と失踪宣告では、申立て費用が大きく違う可能性があるので注意してください。

 

4.申立から審判までの期間

審判での期間

4つ目の違いは、申立てから審判までの期間です。

不在者財産管理人の選任申立ては、提出先の家庭裁判所にもよりますが、約2~3ヶ月で不在者財産管理人が選任されます。

それに対して、失踪宣告の申立ては、失踪宣告の審判確定まで半年から1年ほどかかります。

失踪宣告の審判確定まで時間がかかるのは、官報公告の期間が法律で定められているからです。

失踪宣告の審判確定までの流れ

不在者財産管理人と失踪宣告では、手続き終了までの時間が違うことを知っておきましょう。

 

5.申立てが認められた後の本人

申立後の本人の生死

5つ目の違いは、申立てが認められた後の本人についてです。

不在者財産管理人が選任されても、本人は行方不明(生存)のままです。あくまでも、行方不明なので財産管理人を選任しているだけです。

それに対して、失踪宣告の審判が確定すると、本人は死亡とみなされます。死亡とみなされることにより、相続も発生することになります。

不在者財産管理人と失踪宣告は行方不明者に対する申立てですが、本人の生死については結果が違います。

 

6.まとめ

不在者財産管理人と失踪宣告は、行方不明者についての申立てですが、違う部分も複数あります。

不在者財産管理人と失踪宣告の比較
項目不在者財産管理人失踪宣告
行方不明の期間事例ごとに判断
*約1年ぐらい
普通失踪(7年)
特別失踪(1年)
利害関係人の範囲広い狭い
予納金必要
*不要な場合もある
不要
審判までの期間約2~3ヶ月約1年
本人の状態生存死亡とみなす

どちらの申立てが必要なのかは、申立ての理由によって違います。

どちらを選べばいいのか分からない場合は、専門家に相談してみてください。

行方不明者がいると以下のような場合に困ります。

  • 遺産分割協議が成立しない
  • 共有不動産が処分できない

不在者財産管理人を選任することで、行方不明者の法定代理人となってくれます。

不在者財産管理人に関する記事も複数ありますので、悩みを解決するための参考にしてください。

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