相続放棄申述書の郵送方法はレターパックにした方が良い

相続放棄の郵送
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家庭裁判所が遠方にあり困っていませんか。あるいは、平日の昼間に家庭裁判所の窓口に行く時間が無く困っていませんか。

相続放棄の申述書は郵送で提出することも認められています。

相続放棄の申述書を郵送で提出したからといって、相続放棄が不利になるわけではありません。

ただし、家庭裁判所への郵送方法は気を付けてください。できれば普通郵便ではなく、レターパックや書留での郵送をお勧めします。

今回の記事では、相続放棄の郵送提出について説明しているので、窓口に行けなくて困っていた人は参考にしてください。

記事作成者
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司法書士 小嶋高士
大阪司法書士会 第4921号

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目次

1.相続放棄申述書の提出は郵送でも可能

相続放棄申述書の提出方法は、窓口・郵送どちらでも問題ありません。

なぜなら、申立書(申述書)の提出は定められていますが、提出方法は定められてないからです。

以下は、家事事件手続法の条文です。

(申立ての方式等)
第四十九条 家事審判の申立ては、申立書(以下「家事審判の申立書」という。)を家庭裁判所に提出してしなければならない。
出典:e-Govウェブサイト(家事事件手続法49条1項)

私の経験上、以下のようなケースでは郵送による提出を選んでいる人が多いです。

  • 管轄家庭裁判所が遠方に存在する
  • 平日の昼間に家庭裁判所へ行けない
  • 窓口での提出を優先する理由がない

1-1.管轄家庭裁判所が遠方に存在する

相続放棄申述書の提出先は、亡くなった人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所になります。

以下は、家事事件手続法の条文です。

第二百一条 相続の承認及び放棄に関する審判事件(別表第一の八十九の項から九十五の項までの事項についての審判事件をいう。)は、相続が開始した地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

出典:e-Govウェブサイト(家事事件手続法201条)

家庭裁判所の管轄は『申立書提出先一覧(家庭裁判所)』から確認できます。

したがって、管轄家庭裁判所が遠方であれば、申述書は郵送でしか提出できないはずです。


▼家族構成

被相続人|伯父
相続人 |甥

▼住所

伯父|東京都江戸川区
甥 |大阪府大阪市

▼相続放棄

管轄|東京家庭裁判所

伯父の相続放棄をするのに、東京家庭裁判所は遠方なので申述書の提出は郵送で済ませた。


被相続人が伯父や伯母だと、住んでいる場所が離れているケースが多いので、管轄家庭裁判所も遠方の可能性が高いです。

申述書を無理に窓口で提出する必要はないので、離れていれば郵送で問題ありません。

1-2.平日の昼間に家庭裁判所へ行けない

相続放棄の管轄家庭裁判所が近くにあっても、昼間に時間が取れない人は郵送で提出するかしかありません。

なぜなら、家庭裁判所の窓口は平日の昼間しか開いてないからです。


▼家族構成

被相続人|父親
相続人 |子

▼住所

父親|大阪府豊中市
子 |大阪府大阪市

▼相続放棄

管轄|大阪家庭裁判所

大阪家庭裁判所は遠くないが、子は平日の昼間に仕事をしているので、申述書は郵送で提出した。


平日の昼間に家庭裁判所へ行ける人は限られるので、行く時間が無い人は郵送で提出しても問題ありません。

ちなみに、窓口で提出するのは家族でも可能なので、家族が行けるなら窓口で提出しても大丈夫です。

1-3.窓口での提出を優先する理由がない

家庭裁判所に行く時間があっても、窓口での提出を優先する理由が無ければ、郵送で提出している方もいます。

実際、私が依頼を受けたケースでも、原則として郵送で提出しています。わざわざ時間を使って窓口で提出する理由が特に無いからです。

ただし、郵送で提出するなら、確認が取れる方法を選んでください。申述書が家庭裁判所に届いていなければ、3ヶ月の期間は過ぎていくからです。

次章では、相続放棄申述書の郵送方法について説明します。

相続放棄の定額料金を確認する

2.相続放棄申述書の郵送は確認が取れる方法

相続放棄申述書を郵送で提出するなら、確認が取れる方法を選んでください。

なぜなら、申述書が届いていない事実に気付かないまま、3ヶ月経過する可能性があるからです。

2-1.家庭裁判所に申述書が届いても連絡は来ない

到着連絡は来ない

家庭裁判所に申述書が到着しても、あなた(申述人)に連絡は来ません。

したがって、普通郵便(確認が取れない方法)で送ると、無事に到着しているか分からないです。もし宛先を間違って郵送していると、気付かないまま3ヶ月経過する可能性もあります。
※期間ギリギリで郵送した場合。


普通郵便で発送|7月11日
相続放棄の期限|7月16日

管轄家庭裁判所|大阪家庭裁判所
普通郵便の宛先|大阪地方裁判所

大阪家庭裁判所の住所をネットで調べたが、間違えて大阪地方裁判所の住所を書いてしまった。

大阪家庭裁判所と大阪地方裁判所は住所が違うので、大阪家庭裁判所に申述書は届きません。間違えた事実に気付いた時には期限を過ぎています。


相続放棄の期限に余裕がある場合は別ですが、残り期間が短い場合は到着確認をした方が良いです。

申述書が家庭裁判所に到着しない限り、3ヶ月の期間は経過していきます。

3-2.レターパックには追跡番号がある

相続放棄申述書をレターパックで郵送しておけば、到着確認は簡単にできます。

なぜなら、レターパックには「追跡番号」があり、郵便局の『郵便追跡サービス』から到着を確認できるからです。


▼住所情報

被相続人|東京都
相続人 |大阪府

相続人は大阪府在住だったので、申述書は家庭裁判所にレターパックプラスで郵送した。

以下は、郵便局の配達状況詳細です。

レターパックの配達状況確認

6月30日に発送して、7月1日に東京家庭裁判所に到着しています。


私の考えになりますが、申述書を郵送で提出するなら、レターパックプラスにした方が良いです。

以下は、普通郵便とレターパックの料金比較。

郵送方法料金特徴
普通郵便約140円料金が安い
レターパック
ライト
430円追跡番号
レターパック
プラス
600円追跡番号
受取サイン
申述書の郵送方法

普通郵便の料金は重さによって違うので、戸籍等の枚数によって料金に差がでます。

レターパックライトでも追跡番号はありますが、レターパックプラスであれば受取サインも貰うので、確実に到着したと確認できます。

ちなみに、みかち司法書士事務所で依頼を受けた際は、レターパックプラスで家庭裁判所に提出しています。

3.相続放棄申述書を郵送する前に確認

相続放棄の申述書を郵送で提出する場合、郵送する前に必ず書類が揃っているか確認してください。

  • 相続放棄申述書
  • 戸籍謄本等
  • 予納郵券

それぞれチェックポイントを説明していきます。

3-1.相続放棄申述書に記入漏れがないか

相続放棄申述書は記入漏れだけでなく、以下の点もチェックしてください。

  • 氏名は戸籍と同じ漢字で書いているか
  • 申述人の印鑑は押されているか
  • 提出先の家庭裁判所は記載しているか
  • 収入印紙(800円分)はあるか

戸籍が旧字なら申述書にも旧字で書いてください。収入印紙は最後に貼るケースが多いので、郵送する前に貼り忘れがないか確認してください。

念のため、郵送する前に申述書のコピーを取っておきましょう。家庭裁判所から照会書が届いた際に、申述書に何を書いたのか分かるので役立ちます。

3-2.相続を証する戸籍等が揃っているか

申述人が相続人であると証する戸籍が揃っているか確認してください。

戸籍は申述人によって違うのですが、以下の戸籍は共通で必要です。

  • 被相続人の死亡が記載された戸籍謄本
  • 被相続人の住民票(戸籍附票)
  • 相続人(申述人)の戸籍

申述人が兄弟姉妹や甥姪の場合は、上記だけでなく以下の戸籍も必要になります。

  • 被相続人の出生からの戸籍すべて
  • 直系尊属の死亡が記載された戸籍
  • 兄弟姉妹の死亡が記載された戸籍
    ※甥姪の場合

申述人によっては、戸籍の枚数が多くなるので、抜けが無いか郵送前にチェックしておいてください。

相続放棄に必要な戸籍については、下記の記事で詳しく説明しております。

3-3.予納郵券は家庭裁判所によって違う

相続放棄に必要な予納郵券は、家庭裁判所によって違います。

したがって、管轄家庭裁判所が判明したら、裁判所のホームページまたは電話で確認しておいてください。

切手は小さいので失くさないよう、小袋に入れて申述書にクリップで留めておきましょう。

相続放棄の予納郵券については、下記の記事で詳しく説明しています。

4.申請書を郵送で提出する場合の注意点

相続放棄申述書を家庭裁判所に郵送で提出する場合、注意点が2つあります。

  • 配達日数を計算に入れておく
  • 期限がギリギリなら窓口提出

どちらも非常に重要なので、必ず確認しておいてください。

4-1.配達日数を計算に入れて郵送する

申請書を郵送で提出する場合、必ず配達日数を計算に入れてください。

なぜなら、レターパックで提出する場合は翌日や翌々日に到着しますが、普通郵便だと到着までに1週間かかるケースもあるからです。


普通郵便で発送|7月11日(木)
相続放棄の期限|7月16日(火)

申述書を7月11日(木)の夜に郵便ポストに投函した場合、家庭裁判所が遠方だと7月16日(火)に間に合わない可能性があります。


普通郵便の到着は早くても翌々日であり、家庭裁判所が遠方であれば日数が加算されていきます。また、土日祝は配達されません。

申請書を郵送で提出する場合は、期限に余裕を持って発送してください。

4-2.期限がギリギリなら窓口提出を優先する

相続放棄の期限がギリギリなら、郵送ではなく窓口での提出を優先した方が良いでしょう。

なぜなら、郵送だと配達日数や配達トラブル(大雨で遅くなる等)があるので、確実に間に合う保証がないからです。


相続人の住所 |大阪市
管轄家庭裁判所|神戸家庭裁判所

窓口で提出  |7月15日(月)
相続放棄の期限|7月16日(火)

相続人は大阪市在住だったが、期限が明日までだったので、郵送ではなく神戸家庭裁判所の窓口で提出した。


残り期間がギリギリなら、手間と費用がかかっても、窓口での提出をお勧めします。

相続放棄で一番重要なのは、相続の開始を知った日から3ヶ月以内

5.相続放棄を依頼する際も郵送で可能

相続放棄を司法書士に依頼する場合、遠方に住んでいる人や事務所に行く時間が無い人は、郵送での依頼も可能です。

遠方からの依頼であっても、料金は増えないので、司法書士に任せたい人は安心してください。

以下は、郵送で依頼する場合の流れです。

  1. 電話で相続放棄の意思を確認
  2. 依頼人の住所に委任状を郵送
    ※本人確認書類コピー返送
  3. 戸籍の取得・申述書の作成
  4. 依頼人の住所に申述書を郵送
    ※申述書に署名捺印して返送
  5. レターパックプラスで家庭裁判所に郵送

必要な戸籍も郵送で取得できますし、家庭裁判所にも郵送で提出できるので、司法書士が遠方でも特に問題はありません。

私の事務所は大阪ですが、申述書の7割ぐらいは大阪以外の家庭裁判所に提出しています。

6.郵送での相続放棄に関するQ&A

郵送での相続放棄について、よくある質問と回答をまとめました。

申請書を普通郵便で送っても受付してもらえますか?

受付されます。郵送方法に決まりはないので、普通郵便で送っても却下されません。

ただし、相続放棄には3ヶ月以内という期間制限があるので、郵送物が届いていないと大変なことになります。そのためレターパックなど確認が取れる方法をお勧めします。

申述書は書留で送っても大丈夫ですか?

大丈夫です。書留でも到着確認はできるので問題ありません。

郵送と窓口で相続放棄の結果に違いはありますか?

違いはありません。家庭裁判所への提出方法は相続放棄に影響を与えないです。

私は依頼の99%を郵送で提出していますが、郵送だからという理由で不利になったケースは一度もありません。

申述書は家族に郵送してもらっても大丈夫ですか?

大丈夫です。申請書を家庭裁判所に郵送するのは、家族がしても問題ありません。

上記以外にも、相続放棄のQ&Aは100以上あるので参考にしてください。

7.まとめ

郵送での相続放棄に関するまとめ画像

相続放棄の申述書は郵送で提出することも認められています。

なぜなら、亡くなった人の最後の住所地が管轄となるので、郵送でなければ提出できない人もいるからです。

家庭裁判所に郵送で提出する場合は、提出する前に必ず申述書の確認をしてください。

  • 氏名は戸籍と同じ漢字で記載しているか
  • 申述人の印鑑は押されているか
  • 収入印紙(800円分)は貼られているか

上記は忘れやすいので気を付けてください。

郵送方法は普通郵便ではなく、書留やレターパックプラスで郵送した方が安全です。万が一の事態が起こると3カ月の期間を経過する可能性があるからです。

家庭裁判所に郵送で提出する場合は、期間に余裕を持って行動しましょう。

目次