相続放棄したいが、親戚に迷惑をかけたくないと悩んでいませんか。
借金などを原因に先順位相続人が全員相続放棄すると、次順位(親戚)に相続権が移ります。結果として、親戚も相続放棄の手続きが必要です。
親戚に迷惑をかけたくなければ、4つの方法が考えられます。
- 相続放棄の費用を負担する
- 限定承認をして相続権を移さない
- 誰か1人が相続して相続権を移さない
- 被相続人の情報を渡してあげる
今回の記事では、親戚に迷惑をかけない方法について説明していますので、相続放棄の悩みを解決する参考にしてください。
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1.費用と手間で親戚に迷惑をかける
亡くなった人の子どもが全員相続放棄すると、兄弟姉妹や甥姪に相続権が移ります。
※直系尊属は亡くなっているケースが多い。
親戚付き合いがまったくなければ気にしませんが、連絡先は知っている程度の関係性だと気にする人が多いです。
そのため、親戚に迷惑をかけたくないと悩んで、相続放棄が進まない人もいます。
では、迷惑をかけるとは、具体的に何を指しているのでしょうか。
- 相続放棄の費用
- 相続放棄の手間
上記の2つが、迷惑の元だと考えられます。
つまり、迷惑の元を無くす(少なくする)ことができれば、悩みも解決(軽減)できるでしょう。
私が相談を受けた際は、4つの方法を提案しています。
- 相続放棄の費用を負担する
- 相続放棄ではなく限定承認する
- 誰か1人は相続放棄しない
- 相続放棄に必要な情報を渡す
どの方法にもメリット・デメリットがあるので、各項目で説明していきます。あなたに当てはまる方法があれば、ぜひ参考にしてください。
関連記事を読む『相続放棄を連絡する必要はあるのか?家庭裁判所は連絡しない 』
2.次順位の相続放棄費用を負担する
1つ目の方法は、次順位の相続放棄費用を負担するです。
相続放棄により親戚に相続権が移ると、親戚も相続放棄する可能性が高いです。
ですが、相続放棄を専門家(司法書士・弁護士)に依頼すると、専門家報酬が発生します。
費用面で迷惑をかけたくなければ、次順位の相続放棄費用を負担するのも方法の一つです。
あなたの相続放棄を専門家に依頼するのであれば、次順位分も同じ事務所に依頼することをお勧めします。
2-1.2人目以降は割引価格の事務所が多い
相続放棄の依頼は、2人目以降の報酬を割引にしている事務所が多いです。
なぜなら、同じ戸籍は1枚で十分なので、被相続人の戸籍や住民票は再度取得する必要がないからです。
わざわざ別々の事務所に依頼するメリットは少ないので、同じ事務所に依頼した方が費用面でも得になります。
ちなみに、みかち司法書士事務所では、2人目以降は2万5,000円で定額です。
※実費費用を含んでいます。
関連記事を読む『【相続放棄の費用】実費と専門家報酬の組み合わせで決まる 』
2-2.委任状への署名捺印等は必要になる
相続放棄の費用を負担した場合でも、委任状等への署名捺印という手間は発生します。
あらかじめ、親戚に相続放棄の手続きを説明して、理解してもらわなければ相続放棄できません。
親戚が相続放棄の手続きを理解できない状態であれば、1つ目の方法は使用できません。
関連記事を読む『【相続放棄の手続きは家庭裁判所】その他の方法では成立しない 』
3.限定承認をして次順位に回さない
2つ目の方法は、限定承認して相続権を移さないです。
相続放棄ではなく限定承認であれば、次順位に相続権は移りません。
なぜなら、限定承認は相続なので、相続人の変更は起きないからです。
次順位相続人に迷惑をかけたくなければ、限定承認を選んで相続を確定させるのも方法の一つです。
関連記事を読む『限定承認のメリットとデメリットを4つずつ説明』
3-1.プラスの財産を限度にマイナスの財産を負担する
限定承認は、プラスの財産を限度に、マイナスの財産を負担する相続です。
つまり、借金がいくらであろうと、プラスの財産分でしか負担しません。
例えば、プラスの財産が50万円なら、借金が100万円でも1,000万円でも、相続人が負担するのは50万円までとなります。
あまり利用されていない限定承認ですが、次順位に相続権を回さないというメリットはあります。
3-2.限定承認の依頼は料金が高額になりやすい
限定承認をすると後順位相続人に相続権は回りません。
ですが、限定承認にもデメリットはあります。
- 相続人全員の協力が必要
- 清算手続きに手間がかかる
- 専門家報酬が高額
上記の中でも、専門家報酬が一番のデメリットです。
専門家に限定承認を依頼した場合、どこの事務所に依頼しても報酬額は高いです。
報酬額だけを比べるなら、次順位相続人の相続放棄費用を負担する方が安くなります。
※次順位相続人の人数も関係。
4.誰か1人が相続して相続権を移さない
3つ目の方法は、誰か1人が単純承認するです。
次順位に相続権が移るのは、先順位相続人が全員相続放棄した場合です。
したがって、誰か1人でも相続すれば、次順位に相続権は移りません。
4-1.1人でも相続放棄しなければ次順位に移らない
先順位相続人が1人でも相続放棄しなければ、次順位に相続権は移りません。
言い方は悪いですが、誰か1人が犠牲になれば、親戚に迷惑はかからないです。
4-2.借金があれば1人で相続する
誰か1人は相続人になるので、亡くなった人に借金があれば1人で相続します。
借金を相続しても問題ないなどの理由がなければ、お勧めできる方法ではありません。
また、相続人全員が相続を嫌がると、そもそも使えない方法です。
5.被相続人の情報を渡してあげる
4つ目の方法は、被相続人の情報を渡してあげるです。
意外に思われるかもしれませんが、被相続人の情報を渡すだけでも、親戚の手間は軽減されます。
被相続人の戸籍と住民票のコピーがあれば、相続放棄の手間は圧倒的に少なくなるからです。
費用面を負担できないのであれば、、手間の部分だけでも軽減させてあげましょう。
あなたが相続放棄する際にコピーを取っておいて、相続放棄が済めばコピーを渡すだけで大丈夫です。
5.まとめ
今回の記事では「相続放棄が親戚に迷惑」について説明しました。
先順位の相続人が全員相続放棄をすると、後順位相続人(親戚)に相続権が移ります。
親戚に相続放棄で迷惑をかけたくなければ、4つの方法が考えられます。
- 相続放棄の費用を負担する
- 限定承認をして相続権を移さない
- 誰か1人が相続して相続権を移さない
- 被相続人の情報を渡してあげる
後順位相続人(親戚)の相続放棄費用を負担するは、当事務所に依頼する相続人も利用している方法です。ただし、委任状等への署名捺印は必要なので、手間は少なからず発生します。
限定承認をして相続権を移さなければ、親戚は相続に関わりません。ただし、清算手続きに手間がかかるのと、専門家報酬が高額になります。
誰か1人でも相続すれば、親戚は相続に関わりません。ただし、借金等も1人で相続するので、全員が放棄を希望すると選べません。
被相続人の戸籍と住民票のコピーを送るだけでも、親戚の手間は軽減されます。相続放棄を知らせる際に、コピーを送ってあげましょう。
どの方法もメリット・デメリットがありますので、専門家と相談して選んでください。
相続放棄は親戚迷惑に関するQ&A
- 親戚に協力するのは義務ですか?
-
義務はありません。疎遠であれば気にする必要もないです。
- 私は自分で手続きをしましたが、伯母は高齢であり自分で手続きができません。
伯母の分だけ依頼は可能でしょうか? -
叔母さんの代わりに事務所を探すのは自由です。叔母さんに相続放棄の意思があれば問題ありません。
- 特定の親戚だけ依頼は可能ですか?
-
可能です。