農地の相続|農業委員会への届出は義務なので忘れずに

亡くなった人が農地を所有していると、農地も相続財産となり相続人へと引き継がれます。

農地を相続した人は農業委員会に届け出をしなければいけません。ただし、農地の名義変更を先に済ませてからになります。

農地を相続された際の流れを確認しておいてください。

1.農地を相続する人は誰

亡くなった人の農地を誰が相続するのか決める必要があります。

農地も相続財産

相続は大きく分けると3つあります。

  • 遺言書が残されている
  • 遺産分割協議で決める
  • 法定相続分で相続する

1-1.遺言書の記載に従って相続する

亡くなった人が遺言書を残していたなら、記載に従って相続することになります。

残されていた遺言書が公正証書遺言または法務局保管の自筆証書遺言以外なら、家庭裁判所で遺言書の検認手続きが必要となります。

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遺言書の検認

1-2.遺産分割協議で農地を相続する人を決める

亡くなった人が遺言書を残していなければ、相続人全員で遺産分割協議を行います。誰が農地を相続するのかを決めて遺産分割協議書を作成します。

法定相続人が全員参加して、かつ、全員の同意が無ければ遺産分割協議は不成立です。

1-3.法定相続分で相続する

上記の2つに比べると少ないですが、法定相続分で相続するという方法もあります。

例えば、相続人が子ども2人であれば、農地を2分の1ずつで相続するということです。

ちなみに、相続人が1人しかいなければ、法定相続分(1分の1)で相続したということになります。

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法定相続分の割合

2.農地の名義変更を先に済ませる

農地を相続する人が決まれば、次は農地の名義変更を済ませます。

農地の名義変更とは相続登記のことです。農地であっても一般の土地・建物と同じ手続きとなります。

なぜ先に名義変更をするかというと、農業委員会に届出をする際に相続登記済みの登記事項証明書が必要だからです。

2-1.登録免許税が発生

相続登記をする際には、登録免許税という税金が発生します。

登録免許税の計算(相続)
固定資産税評価額×1000分の4

例えば、農地の固定資産税評価額が1,000万円なら登録免許税は4万円となります。

2-2.司法書士に委任することも可能

相続登記に必要な書類としては、戸籍謄本等や遺言書(検認済み)・遺産分割協議書等があります。

相続登記については司法書士に委任することも可能です。委任した場合は書類等の収集も代わりに行ってくれます。

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3.農業委員会に届出をする

基本的に農地の名義を変更するには、農業委員会の許可を得る必要があります。なぜなら、農地を自由に売却・贈与できてしまうと、日本の食料自給率にも影響を与えてしまうからです。

ただし、農地を相続した場合は許可ではなく、農業委員会への届出となります。

平成21年に農地法が改正されてから、相続時に農業委員会への届出が義務となりました。

3-1.届出先の確認

農地を相続した際の届出先は、農地を管轄する農業委員会です。

ほとんどの市区町村には農業委員会がありますので、〇〇(市区町村名)+農業委員会で検索すると見つかると思います。検索しても見つからない場合は、役所等にお問い合わせください。

3-2.届出に必要な書類

農業委員会の届出に必要な書類です。

  • 相続の届出書
  • 相続登記済みの登記事項証明書

届出書の正式名称は「農地法第3条の3第1項の規定による届出書」です。

届出書は市区町村役場の窓口で取得するか、ホームページ等からダウンロードすることもできます。

3-3.届出を怠ると過料もある

農業委員会への届出には期限が定められています。

相続発生から10ヶ月以内に届出をしなければ、10万円以下の過料が科されることもあります。

4.さいごに

亡くなった人が農地を所有していても、基本的な相続の流れは変わりません。相続する人が相続登記をすることになります。

ただし、農業委員会への届出を忘れないようにしましょう。10ヶ月が経過してしまうと過料の恐れがあります。

農地を相続したが農業を営んでいない場合は、農業委員会への届出をする際に相談してみてください。農地の管理について相談に応じてくれます。

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