事実婚の相続について配偶者は知っておこう|子どもの相続にも関係する

事実婚(内縁関係)と法律婚の最大の違いは、法定相続人になるかどうかです。

事実婚に関しては、相続対策をしない限り配偶者に財産を残すことができないです
一方、法律婚の配偶者は何もしなくても、常に相続人として相続することができます。

もちろん、法律婚においても相続対策をしないと、相続はできてもトラブルが発生することも多いです。

事実婚(内縁関係)において、相続対策が必要になるのは配偶者と子どもさんです。「なぜ、子どもに相続対策が必要なのか」と思われたら、父親の認知が済んでいるか確認してください。認知が済んでいないと相続することができないです。

今回の記事では、事実婚(内縁関係)の相続対策について説明していきます。

目次

  1. 事実婚の配偶者
    1. 遺言書を作成する
    2. 生前贈与をしておく
  2. 事実婚夫婦の子ども
    1. 認知の方法
    2. 死後認知
  3. 亡くなった後の対策
    1. 相続税
    2. 死後事務委任契約
  4. 最後に

1.事実婚の配偶者

日本の相続ルールは、生前の愛情とは無関係に決められています。別居生活が何十年だろうと、法律上の配偶者なら無条件に相続できます。

一方、事実婚の配偶者には相続権がありません。ですので、財産を残すためには絶対に相続対策が必要なのです

1‐1.遺言書を作成する

事実婚の場合は法律婚と違い、「若いからまだ大丈夫」という言葉は使えません。万が一何かあっても、遺言書を作成していなければ、配偶者に財産は1円も残せないからです。

理由があって事実婚を選ばれていると思いますが、遺言書を書かないという選択肢を選んでは駄目です。事実婚と遺言書の作成は、セットで考える必要があります。
事実婚の配偶者に遺贈
あなたの財産を誰に残すかの意思表示が遺言書です。

遺留分に注意が必要

遺言書を作成する際に注意するのが、遺留分の存在です。遺留分とは、相続人に認められた最低限の相続分です

遺留分権利者は、配偶者・子ども・親が該当します。兄弟姉妹は遺留分権利者ではないです。

別れた相手との間に子どもがいる場合や、親御さんが健在な場合等が考えられます。

遺留分の割合』はこちらから確認できます。

1‐2.生前贈与をしておく

生前に贈与しておくことも、立派な相続対策になります。生前に行うので相続人かどうかも関係ないです。

贈与税が高額になる

生前贈与のネックになるのが、贈与税が高額になることです。
ただし、年間110万円までは贈与税が非課税なので、早めに贈与することで税金を抑えることも可能です。

 

2.事実婚夫婦の子ども

事実婚夫婦に子どもが生まれた場合に、相続で問題が生じるのは父親の財産です。
なぜなら、法律的な父子関係を生じさせるには、認知が必要だからです。
事実婚の子どもは認知が必要
子どもを認知をしていないと、父親が亡くなっても相続人となりません
ですので、まだ済んでいない場合は、必ず認知をしてもらってください。

2‐1.認知の方法

本籍地(父親または子ども)の役所で父親が認知届を出すことで手続きが完了します。

子どもが胎児の場合は、母親の同意が必要になります。子どもが成人している場合は、子どもの同意が必要です。

2‐2.死後認知

父親が亡くなるまでに認知が済んでいなくても、死後3年間は認知が可能となります。
子どもの住所地または亡くなった父親の最後の住所地を管轄する裁判所に、死後認知の訴えを申立てます。

死後認知が認められると、生まれたときに遡って父子関係が認められます。

2‐3.子どもを認知していても遺言書は役立つ

子どもを認知していても遺言書が役に立つ場合があります。

別れた相手との間に子どもがいる場合です。
なぜなら、遺言書を作成していないと、子ども同士で遺産分割協議をする必要があるからです。トラブルの元になるので避けなければなりません。

事実婚の子どもに関しては別記事でも説明しております。

 

3.亡くなった後の対策

亡くなった後に起こる事態にも、対策を立てる必要があります。

3‐1.相続税

遺贈等により財産を承継すると、事実婚の配偶者も相続税の対象になります。

相続税で注意が必要な点は2つです。

  1. 相続税は現金一括納付
  2. 事実婚には相続税の優遇措置がない

①相続税は現金一括納付

相続税は亡くなってから10ヶ月以内に、現金一括納付です。
不動産を残してもらった場合は、支払うことができなければ失う可能性もあります。

②事実婚には相続税の優遇措置がない

相続税には様々な優遇措置がありますが、事実婚の配偶者には一切適用されません。
ですので、不動産を遺贈する場合は、相続税が発生する可能性が高くなります。

詳細記事

事実婚の配偶者が財産を承継すると相続税の課税対象者となります。相続人でなくても遺贈や生命保険金等を受け取ることで、相続税を支払う可能性が発生します。事実婚は法律婚に比べて相続税では圧倒的に不利になっています。配偶者控除や特例[…]

3‐2.死後事務委任契約

死後事務委任契約とは、死後事務を生前に委任することです。

人が亡くなると様々な事務が発生します。

  • 死亡診断書の受取
  • 死亡届の提出
  • 葬儀等
  • 故人名義の公共サービスの解約
  • 遺品の整理等

事実婚の配偶者であっても、死後事務が当然に行えるわけではないです。
死後事務を誰が行うかで、故人の家族とトラブルになるケースも発生しています。

無用なトラブルを防ぐためには、生前に事実婚の配偶者と死後事務委任契約を結んでおく必要があります。

死後事務委任契約とは』でも説明しています。

 

4.さいごに

事実婚(内縁関係)を選ぶことにより法律的な手続きや、相手家族との関わりを避けることができます。
しかしながら、死後の手続きは法律婚よりも、難しくなってしまいます。

事実婚(内縁関係)では、相続権が無いので相続対策は必須になります。
年齢的に早い」や「もう少し考える」等は、事実婚においては致命的なミスに繋がりかねないです。

本来、相続対策に早いも遅いもありません。相手に残したい財産があるなら、今すぐにでも遺言書を作成するべきです。

相続対策をしない限り、1円も残すことができないです

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