事実婚でも生命保険金を受け取れるが税制面では不利になる

事実婚の配偶者を生命保険金の受取人にすることも可能です。

ただし、事実婚の配偶者を受取人にするには、各保険会社が定める条件を満たす必要があります。

また、生命保険金のに関する税制面については、法律上の配偶者よりも不利になっています。

今回の記事では、事実婚と生命保険金について説明しているので、生命保険契約を検討しているなら参考にしてください。

1.無条件では配偶者を受取人にできない

事実婚の配偶者を生命保険金の受取人にするには、各保険会社で決めてある条件をクリアする必要があります。

また、保険会社によっては、今でも事実婚の配偶者を受取人にできないこともあります。

受取人の条件として主に以下の3つが挙げられます。

  • 法律上の配偶者がいない
  • 事実婚の配偶者と同居している
  • 事実婚の配偶者と生計を同一にしている

上記以外に訪問面談を行うこともあるそうです。

1-1.法律上の配偶者がいない

当然ですが、法律上の配偶者がいないことが条件となります。

別居していても離婚していなければ、保険会社に事実婚であると認めてもらうことは難しいでしょう。

法律上の配偶者がいないことは、お互いの戸籍謄本を提出すれば確認できます。

1-2.事実婚の配偶者と同居している

各保険会社が定める期間以上同居しているかです。一般的には3年から5年ぐらいの同居期間が求められます。

住民票を提出するのですが、一点だけ確認しておいてください。住民票の続柄を変更しているかです。

住民票の続柄を妻(未届)または夫(未届)に変更している事実は、事実婚の証明では非常に重要になります。役所で手続きをするだけなので、必ず変更しておいてください。

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1-3.事実婚の配偶者と生計を同一にしている

同居しているだけでなく、生計を同一にしている必要があります。何を提出するかは各保険会社に確認を取ってください。

一般的には、夫の収入で家賃や光熱費を支払っているなら、事実を証明するために通帳のコピー等を提出します。

あるいは、健康保険の扶養者になっているのなら、健康保険証のコピーを提出することもあります。

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2.生命保険金の受取人は遺言書で変更できる

事実婚の配偶者を生命保険金の受取人にできなくても、別の方法で受取人にすることは可能です。

(遺言による保険金受取人の変更)
第四十四条 保険金受取人の変更は、遺言によっても、することができる。
2 遺言による保険金受取人の変更は、その遺言が効力を生じた後、保険契約者の相続人がその旨を保険者に通知しなければ、これをもって保険者に対抗することができない。

出典:e-Govウェブサイト(保険法44条)

平成22年4月1日に施行された保険法では、受取人の変更は遺言書でもできるとされています。

ですので、契約で受取人を別の家族にして、遺言書で受取人を事実婚の配偶者に変更することはできます。

ただし、注意点は2つあります。

  • 保険法施行前の生命保険契約
  • 受取人変更がスムーズに進むかは不明

2‐1.保険法施行前の契約は確認が必要

平成22年4月1日以降に締結した契約は問題ないのですが、施行以前に締結していた契約に関しては各保険会社によって対応が違います。

遺言書による変更を考えている場合は、あらかじめ保険会社に確認しておいてください。

2‐2.受取人変更がスムーズに進むかは不明

保険会社は受取人が第3者に変更されていると、保険金の支払いを慎重に行います。相続人と事実婚の配偶者とのトラブルに、巻き込まれないようにするためです。

遺言書で受取人を変更する方法は、お勧めできるわけではないです。事実婚の配偶者を受取人にできる保険会社と、契約を結ぶ方が簡単だと思います。

3.生命保険料控除は適用されない

事実婚の配偶者を受取人とする生命保険では、生命保険料控除が適用されません。

生命保険料控除
納税者が生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料を支払った場合に、一定の金額の所得控除を受けること

生命保険料控除が適用されるのは、保険金の受取人が契約者または配偶者その他の親族である場合です。生命保険料控除の配偶者とは法律上の配偶者となります。

生命保険契約を結んでいる期間が長くなれば、年間数万円でも数十万円の差となります。

生命保険契約と生命保険料控除では、配偶者の範囲が違うのでご注意ください。

4.生命保険金の非課税枠が適用されない

生命保険金を受け取ると、事実婚の配偶者も相続税の課税対象者となります。生命保険金は相続財産ではないのですが、相続税の計算においては「みなし相続財産」として加えます。

本来、生命保険金には非課税枠があるので、超えた金額だけが相続税の計算に加えられます。ただし、事実婚の配偶者が保険金を受け取った場合は適用されません。全額が相続税の計算対象となります。
事実婚の配偶者は全額が対象

生命保険金の非課税枠
500万円×法定相続人の人数

(例)2,000万円の生命保険金を受け取る場合

法律婚の配偶者なら最低でも500万円は非課税です。子どもが1人いれば1,000万円が非課税となります。

それに対して、事実婚の配偶者が受け取ると、2,000万円全額が相続税の計算に加えられます。子どもが何人いても関係ありません。

事実婚の配偶者は相続税の計算でも不利になるので、相続税が発生するかどうかは確認しておいてください。

5.さいごに

事実婚の配偶者も生命保険金の受取人になれます。

ただし、無条件で認められるのではなく、各保険会社の定める条件をクリアする必要があります。

主な条件は以下のとおりです。

  • 法律上の配偶者がいない
  • 事実婚の配偶者と同居している
  • 事実婚の配偶者と生計を同一にしている

前もって事実婚である事実を積み重ねておくことも重要です。

また、契約を結べても保険料控除や非課税枠等では、今でもデメリットは残っています。

受け取った際には相続税も関係しますので、発生するかどうかの確認だけはしておいてください。

事実婚では相続対策が必須となります。後回しにするメリットはありません。

以下の2つだけでも済ませておいてください。

  • 遺言書の作成
  • 子どもの認知

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