【補助人の同意権】付与するには家庭裁判所に申立てが必要

補助人は同意権で本人を援助します。

ただし、補助人は無条件で同意権を有しているのではなく、家庭裁判所に付与の申立てをして認めてもらう必要があります。

補助人に同意権が付与されている場合、本人が同意を得ずにした行為は取消すことができます。

今回の記事では、補助人の同意権について説明しているので、補助を検討する際の参考にしてください。

1.補助人の同意権とは何なのか?

まず初めに、補助人の同意権について簡単に説明していきます。

同意権
本人の行為に賛成の意思を示す権利のこと

本人が補助人の同意を得ずにした行為は、取消すことができます。

例えば、補助人が不動産処分の同意権を有している場合、本人が補助人の同意を得ずに不動産を処分すると、補助人は不動産の処分を取消せます。

同意権が付与されている行為については、本人単独では有効に成立せず、補助人の同意が必要になります。

本人の行為と補助人の同意で有効に成立

気を付ける点としては、同意権を有していない補助人も存在する点です。

 

2.同意権を有していない補助人もいる

補助人であっても同意権を有していないケースがあります。

なぜかというと、補助人が同意権を有するには、家庭裁判所に請求する必要があるからです。

(補助人の同意を要する旨の審判等)
第十七条 家庭裁判所は、第十五条第一項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。(省略)

出典:e-Govウェブサイト(民法17条1項)

補助人が同意権を有するには、家庭裁判所に申立をして審判で認められる必要があります。

補助人が選任されていても、同意権を有しているとは限りません。代理権だけ有している補助人も存在します。

補助人の権利は3パターン

補助人の同意権は保佐人とは違うので、申立をする際は気を付けてください。

 

3.補助人と保佐人では同意権の範囲が違う

補助人と保佐人では、付与される同意権の範囲が違います。

(補助人の同意を要する旨の審判等)
第十七条 (省略)ただし、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、第十三条第一項に規定する行為の一部に限る。

出典:e-Govウェブサイト(民法17条1項但し書き)

補助人は同意権付与の申立てが必要で、かつ、民法13条1項の一部についてのみ同意権を付与されます。

それに対して、保佐人は民法13条1項の全部について、初めから同意権を有しています。

補助人と保佐人では、対象となる人の判断能力に違いがあるので、同意権の範囲も違います。

補助人と保佐人の同意権
補助人保佐人
同意権付与
の申立
必要不要
同意権
の範囲
民法13条1項
一部
民法13条1項
の全部

民法13条1項については、下記の記事で説明しています。

 

4.補助人の同意権付与の申立て

補助人が同意権を得るには、同意権付与の申立てをする必要があります。

4-1.申立ての際に補助人の同意行為目録を添付する

一般的には、補助開始の申立てと同時に、同意権付与の申立も行います。

補助開始の申立書に同意行為目録を添付して、管轄家庭裁判所に申立てをします。

同意行為目録は、提出先の家庭裁判所に書面があるはずなので、申立の準備をする際に確認しておきおましょう。

ちなみに、補助開始後に追加で同意権付与の申立てをすることも可能です。

4-2.補助人に同意権を付与するには本人の同意が必要

補助人に同意権を付与するは、本人(被補助人)の同意が必要になります。

(補助人の同意を要する旨の審判等)
第十七条 (省略)
2 本人以外の者の請求により前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。

出典:e-Govウェブサイト(民法17条2項)

補助の対象となる人の判断能力は残っているので、同意権を付与するにも本人の同意が必要です。
※本人が申立てをする場合は除く。

ちなみに、補助開始の申立てをするにも、本人の同意が必要になります。

 

5.補助人の同意権を証明する書類

選任された補助人が同意権を証明する場合、登記事項証明書を取得しましょう。

5-1.登記事項証明書には同意行為目録も記載される

本人の後見登記事項証明書を取得すれば、補助人の氏名等だけでなく同意行為目録も記載されています。

以下は、同意行為目録の記載例です。

補助人の登記事項証明書

登記事項証明書を見せることで、補助人の同意権を証明することができます。

5-2.補助人が登記事項証明書を取得する方法は2つ

補助人が登記事項証明書を取得する方法は2つあります。

  • 法務局・地方法務局の本局の窓口で取得
  • 東京法務局から郵送で取得

上記の取得方法にはそれぞれ注意点があります。

法務局・地方法務局の本局の窓口で取得

補助人が後見登記事項証明書を窓口で取得する場合、取得できる法務局が限られるので注意してください。

後見登記事項証明書を取得できるのは、法務局・地方法務局の本局の窓口です。支局や出張所の窓口では取得できません。

法務局・地方法務局の本局は以下の法務局ウェブサイトで確認できます。

法務局ウェブサイト』に移行する。

東京法務局から郵送で取得

法務局や地方法務局が近くに無い場合や、平日の昼間に法務局に行く時間が無い場合は、郵送で後見登記事項証明書を取得することになります。

ただし、郵送請求に対応しているのは、東京法務局の後見登録課のみです。

東京法務局以外では郵送請求に対応していないので、郵送請求する場合は注意してください。

 

6.さいごに

補助人は同意権で本人を援助します。

ただし、保佐人の同意権とは違い、家庭裁判所に申立てをして認めてもらう必要があります。

また、同意権の範囲も、民法13条1項の一部となります。

同意権付与の申立てをするには、本人の同意を得なければなりません。本人が反対すると同意権は付与できません。

補助人に付与された同意権は、後見登記事項証明書を取得すると確認できます。

補助人の同意権は限られているので、付与された同意権は必ず確認しておきましょう。

後見人の選任が必要なケースには、以下があります。

  • 遺産分割協議
  • 不動産の処分
  • 保険金の受取

後見開始の申立てを検討されている場合は、以下のボタンより料金と流れについて確認することができます。

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