補助人に代理権を付与するには要件が2つある

補助人にも代理権を付与することはできます。

ただし、後見人とは違い無条件では付与できません。代理権を付与するには、本人の同意が必要となります。

代理権の付与は補助開始と同時、または後から追加で付与することもできます。

特定の法律行為について不安があれば、補助人に代理権を付与することは可能なので、今回の記事を参考にしてください。

1.代理権の付与には条件がある

補助人は後見人とは違い、無条件で代理権が付与されるわけではありません。

補助人に代理権を付与するには、条件が2つあります。

  • 本人の同意が必要
  • 特定の法律行為に限られる

1-1.本人の同意が必要

補助人に代理権を付与するには、本人の同意が必要となります。

なぜなら、本人の判断能力は残っているので、本人の意思を確認する必要があるからです。

どんなに必要な法律行為であっても、本人が同意しない限り代理権は付与されません。

1-2.特定の法律行為に限られる

補助人に付与できる代理権は、後見人の代理権とは違い特定の法律行為に限られます。

(補助人に代理権を付与する旨の審判)
第八百七十六条の九 家庭裁判所は、第十五条第一項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求によって、被補助人のために特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。

出典:e-Govウェブサイト(民法876条の9)

補助の場合は本人の判断能力が残っているので、包括的な代理権を付与する必要がないからです。

例えば、被補助人(本人)の全財産の売却などは、代理行為が特定されていないので許可されません。

代理行為目録が用意されている

家庭裁判所が代理行為目録を用意しているので、必要な法律行為にチェックを入れるだけで大丈夫です。

以下は代理行為目録の一部です。

代理行為目録

代理行為目録は細かく記載されているので、該当する法律行為にチェックを入れてください。

例えば、被補助人(本人)の家を改築するのであれば、1-(1)-③の増改築にチェックを入れます。

代理権を付与するかどうかは家庭裁判所が判断します。

事実行為は対象ではない

代理権付与の対象は法律行為となります。単なる事実行為は対象行為ではありません。

例えば、キャッシュカードを預かるや、不動産の売却先を探すなどは事実行為です。

上記の行為は、預貯金に関する金融機関との取引や、不動産の売却契約締結などに関連する事実行為となります。

2.代理権付与の申立て手続き

補助人に代理権を付与するには、家庭裁判所に代理権付与の申立てをします。

代理権付与の申立ては2通りあります。

  • 補助開始と同時に申立て
  • 補助開始後に追加で申立て

2-1.補助開始と同時に申立て

補助開始の申立てをする際には、同意権または代理権の付与を同時に申し立てる必要があります。

補助開始の審判をするには,同意権の付与の審判又は代理権の付与の審判を同時にしなければならないので,申立人にその申立てをしていただく必要があります。

出典:裁判所ウェブサイト

申立ての組合せは以下のとおりです。

  • 補助開始と同意権の付与
  • 補助開始と代理権の付与
  • 補助開始と同意権の付与と代理権の付与

補助開始の申立て組合せ

必要な代理行為が分かっているのであれば、最初から代理権付与の申立てもしておきましょう。

2-2.補助開始後に追加で申立て

補助開始後に代理権が必要になれば、代理権付与の申立てを追加ですることも可能です。

例えば、補助開始後に不動産を売却することになったので、不動産売却について代理権を付与するなどです。

本人が不安に思う法律行為があれば、後からでも追加できますのでご安心ください。

3.不要になった代理権は取消せる

補助人に付与される代理権は、必要な範囲で付与されています。

ですので、特定の法律行為が終了すれば、代理権が不要になることもあります。

不要になった代理権については、家庭裁判所に代理権付与取消の申立てをすることができます。

【申立に必要なもの】

申立書は家庭裁判所のホームページでダウンロードするか、家庭裁判所から直接取得しましょう。

申立人と本人の戸籍謄本・住民票は、裁判所に提出済みで変更が無ければ不要です。

収入印紙は申立分と登記分が必要です。

  • 申立分(800円)
  • 登記分(1,400円)
登記分(1,400円)の収入印紙は、申立書に貼らずに提出してください。

4.さいごに

補助人に代理権を付与することは可能です。

ただし、後見人とは違い無条件では付与できません。本人の同意が必要なのと、特定の法律行為であることが条件となります。

代理権付与の申立ては、補助開始の申立てと同時にするか、補助開始後に追加で申立てることができます。

本人が不安に思う法律行為があれば、補助人に代理権を付与することができるので、上手く活用してください。

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