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相続放棄するのに印鑑証明書は不要【認印で大丈夫!】

相続放棄と印鑑証明書
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相続放棄申述書には申述人が押印します。

ただし、使用する印鑑に決まりはないので、認印でも実印でもどちらでも大丈夫です。印鑑の種類は相続放棄の結果に影響しません。

相続放棄申述書に実印で押印した場合でも、印鑑証明書の添付は不要です。

今回の記事では、相続放棄と印鑑について説明しているので、相続放棄の参考にしてください。

1.相続放棄申述書に使用する印鑑に決まりはない

相続放棄申述書への押印

相続放棄申述書に使用する印鑑に、法律上の決まりはありません。

ですので、認印でも実印でもどちらでも大丈夫です。

1-1.相続放棄申述書への押印は認印でも問題ない

相続放棄申述書への押印は、認印でも問題ありません。

以下は、相続放棄申述書の申述人欄です。

相続放棄申述書の申述人欄

申述人(相続放棄する人)の氏名と押印をしてください。

相続放棄申述書に認印で押印しても、相続放棄は問題なく認められます。相続放棄の判断基準に使用した印鑑は関係ありません。
※要件を満たしている場合。

実印が無くても相続放棄は可能なので、慌てて市役所等に登録しなくても大丈夫です

気を付ける点としては、相続放棄申述書に押印した印鑑は覚えておいてください。家庭裁判所から照会書が届くと使用します。

詳しくは【3.照会書(回答書)には申述書に押印した印鑑を使う】をお読みください。

司法書士から一言相続放棄申述書に認印で押印しても、私が依頼を受けたケースではすべて問題なく受理されています。

1-2.相続放棄申述書に実印で押印しても印鑑証明書は不要

相続放棄申述書に実印で押印するのは自由です。実印を使用しても相続放棄に影響はありません。

では、実印で押印した場合に、印鑑証明書を添付する必要はあるのか。

結論から言えば、相続放棄申述書に実印で押印しても、印鑑証明書の添付は不要です。

家庭裁判所は押印の有無は確認しますが、申述書に使用された印鑑の種類は確認しません。実印で押印した証拠を提出する必要がないので、印鑑証明書も添付する必要がありません。

気を付ける点としては、相続放棄申述書に実印で押印した場合、裁判所からの照会書にも実印を使用してください。申述書に使用した印鑑と同じ印鑑になります。

2.一部の家庭裁判所では印鑑証明書の添付で予納郵券に違い

家庭裁判所に相続放棄申述書を提出する場合、予納郵券も一緒に提出します。

予納郵券

相続放棄の手続きで家庭裁判所が使用する郵便切手

予納郵券の額は家庭裁判所によって違うので、提出する前に必ず確認してください。

一部の家庭裁判所では、相続放棄申述書に印鑑証明書を添付する場合、予納郵券に違いがあります。

以下は、岡山家庭裁判所の予納郵券です。

相続放棄の予納郵券:84円×3枚

一方、被相続人の死亡(先順位者の相続放棄受理)から3カ月以内に、印鑑証明書を添付して相続放棄申述書を提出する場合。

相続放棄の予納郵券:84円×1枚

条件付にはなりますが、印鑑証明書を添付すると予納郵券が少なくなります。

ただし、印鑑証明書の発行手数料が予納郵券より高いので、費用面で得するわけではありません。
※印鑑証明書の発行手数料は約300円。

岡山家庭裁判所の予納郵券は、『裁判所ウェブサイト』から確認できます。「申立ての際に必要な郵便切手額」に一覧表が添付されています。

注意一部の家庭裁判所だけの運用なので確認は必要です。

3.照会書(回答書)には申述書に押印した印鑑を使う

相続放棄申述書への押印は、認印と実印どちらでも大丈夫です。

ただし、家庭裁判所から郵送される照会書(回答書)には、申述書に押印した印鑑を使用します。

照会書は本人確認を兼ねているので、印鑑が違うと別人だと判断されます。申述書に認印を使用したなら照会書にも認印、実印を使用したなら照会書にも実印で押印してください。

申述書に使用した印鑑が分からなければ、家庭裁判所に問い合わせてください。家庭裁判所によって対応は違いますが、対処方法を指示してくれるはずです。

4.相続放棄に実印と印鑑証明書が必要だと言われたら注意

他の相続人から、「相続放棄に実印と印鑑証明書が必要なので用意して」と言われたら注意してください。

すでに説明したとおり、相続放棄には実印も印鑑証明書も必要ありません。

では、他の相続人は何の目的で、実印と印鑑証明書を用意させるのでしょうか。

  • 他の相続人が勘違いしている
  • 相続分の放棄(相続分の譲渡)

他の相続人が勘違いしているだけなら問題ありません。実印と印鑑証明書は必要ないと教えてあげましょう。

注意が必要なのは、「相続分の放棄」をしてもらうための準備だった場合です。「相続放棄」と「相続分の放棄」は別の手続きになります。

簡単に言えば、「相続はするが相続分は他の相続人に放棄する」という手続きです。

詳しい説明は別記事でしているので、相続放棄とは別の手続きという点だけ覚えておいてください。

5.まとめ

今回の記事では「相続放棄と印鑑」について説明しました。

相続放棄申述書に使用する印鑑に決まりはありません。認印でも実印でもどちらでも大丈夫です。

実印を使用したからといって、印鑑証明書を添付する必要もありません。

ただし、家庭裁判所から照会書が郵送されたら、申述書に使用した印鑑で押印してください。別の印鑑で押印すると、別の人が手続きをしていると判断されます。

他の相続人から実印と印鑑証明書が必要だと言われたら注意してください。相続分の放棄や相続分の譲渡をするつもりかもしれません。

相続放棄をするのに実印と印鑑証明書は不要です。

相続放棄と印鑑証明書に関するQ&A

他の相続人に印鑑証明書を渡しました。相続放棄になっていますか?

印鑑証明書は不要なので、相続放棄できてない可能性があります。

認印が理由で申述が却下される可能性はありますか?

無いです。