相続放棄に印鑑証明書は不要!押印は認印でも問題なく認められる

相続放棄と印鑑証明書
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相続放棄の手続きに印鑑証明書は必要ありません。

申述書に使用する印鑑に決まりはないので、認印・実印どちらでも大丈夫です。印鑑の種類は相続放棄の結果に影響しません。

もし申述書に実印で押印した場合でも、印鑑証明書の添付は不要です。

ただし、照会書に使用する印鑑は、申請書で使用した印鑑なので、間違えないよう注意してください。

今回の記事では、相続放棄と印鑑について説明しているので、相続放棄の参考にしてください。

記事作成者
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司法書士 小嶋高士
大阪司法書士会 第4921号

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目次

1.相続放棄に印鑑証明書は不要

相続放棄の申述書に使用する印鑑に決まりはない

相続放棄の手続きに印鑑証明書は必要ありません。

なぜなら、申述書に使用する印鑑に、法律上の決まりはないからです。

認印・実印どちらの印鑑を使用しても、相続放棄の手続きに影響はありません。

1-1.認印で押印しても相続放棄は認められる

相続放棄申述書に認印で押印しても認められる

相続放棄申述書に認印で押印しても、相続放棄は問題なく認められます。相続放棄の判断基準に使用した印鑑は関係ありません。
※要件を満たしている場合。

実印が無くても相続放棄は可能なので、慌てて市役所等に登録しなくても大丈夫です

以下は、相続放棄申述書の署名押印欄です。

相続放棄申述書の申述人欄

申述人(相続放棄する人)の氏名と押印をしてください。

気を付ける点としては、相続放棄申述書に押印した印鑑は覚えておいてください。家庭裁判所から照会書が届くと使用します。

詳しくは【2.照会書(回答書)には申述書に押印した印鑑を使う】をお読みください。

司法書士から一言相続放棄申述書に認印で押印しても、私が依頼を受けたケースすべて問題なく受理されています。

1-2.実印で押印しても印鑑証明書は不要

相続放棄申述書に実印で押印しても印鑑証明書は不要

相続放棄申述書に実印で押印するのは自由です。実印を使用しても相続放棄に影響はありません。

では、実印で押印した場合に、印鑑証明書を添付する必要はあるのか。

結論から言えば、相続放棄申述書に実印で押印しても、印鑑証明書の添付は不要です。

家庭裁判所は押印の有無は確認しますが、申述書に使用された印鑑の種類は確認しません。実印で押印した証拠を提出する必要がないので、印鑑証明書も添付する必要がありません。

気を付ける点としては、相続放棄申述書に実印で押印した場合、裁判所からの照会書にも実印を使用してください。申述書に使用した印鑑と同じ印鑑になります。

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2.照会書(回答書)には申述書に押印した印鑑を使う

照会書に使用する印鑑は申述書に使用した印鑑

相続放棄申述書への押印は、認印と実印どちらでも大丈夫です。

ただし、家庭裁判所から郵送される照会書(回答書)には、申述書に押印した印鑑を使用してください。

2-1.同じ印鑑かどうかで本人確認している

照会書は本人確認を兼ねているので、申請書と違う印鑑を使用すると、別人が照会書に回答していると判断される可能性があります。

申述書に認印を使用したら照会書にも認印、実印を使用したら照会書にも実印で押印してください。

申述書照会書
認印認印
実印
実印認印
実印

照会書にも「申述書に使用した印鑑で押印」と注意書きがあるので、もし印鑑が分からない場合は家庭裁判所に電話してください。

2-2.印鑑が分からない場合は家庭裁判所に確認

申述書に使用した印鑑が分からなくなった場合は、家庭裁判所に電話して対応方法を確認してください。

私の経験上、以下のような対応がありました。

  • 印鑑の形を教えてくれる
  • 候補の印鑑をすべて押印する

家庭裁判所によっては印鑑の形を教えてくれます。迷っている印鑑の形が違えば、形を聞けば印鑑が分かるはずです。

別の家庭裁判所では、候補の印鑑を照会書(回答書)にすべて押印するケースもありました。

どの対応をするかは家庭裁判所によって違うので、勝手に判断せず電話で確認してください。

3.相続放棄に印鑑証明書が必要と言われたら注意

他の相続人から、「相続放棄に印鑑証明書が必要なので用意して」と言われたら注意してください。

すでに説明したとおり、相続放棄に印鑑証明書は不要だからです。

では、他の相続人は何の目的で、印鑑証明書を用意させるのでしょうか。

  • 勘違いしている
  • 別の手続きをするため

他の相続人が勘違いしているだけなら問題ありません。印鑑証明書は必要ないと教えてあげましょう。

注意が必要なのは、別の手続きをするための準備だった場合です。

3-1.相続分の放棄や遺産分割協議では印鑑証明書が必要

他の相続人が「相続分の放棄」や「遺産分割協議」を考えているなら、あなたに印鑑証明書の準備を要求してきます。

相続分の放棄

自分の相続分を他の相続人に放棄する手続き

遺産分割協議

相続人全員で遺産の分割について話し合う手続き

なぜなら、「相続分放棄書」や「遺産分割協議書」には、実印での押印が必要だからです。

他の相続人が相続手続きをする場合、実印での押印を証明するため、印鑑証明書も提出する必要があります。

他の相続人が印鑑証明書を求めている場合、相続放棄とは違う可能性が高いので注意してください。

相続分の放棄については、下記の記事で詳しく説明しています。

3-2.相続分の放棄や遺産分割協議をすると単純承認

「相続分放棄書」や「遺産分割協議書」に署名捺印すると、単純承認したとみなされ相続放棄できなくなります。

なぜなら、相続した財産(権利)を処分したと判断されるからです。


▼家族構成

被相続人|父親
相続人 |長男・二男

▼相続財産

不動産|建物、宅地
負債 |住宅ローン(500万円)

▼法定相続分

長男|2分の1
二男|2分の1

▼法定相続分

長男|全財産を相続する

二男は遺産分割協議で自分の持分(2分の1)を長男に譲ったことになるので、相続財産を処分したと判断されます。


あなたが相続放棄をしたいなら、「相続分放棄書」や「遺産分割協議書」に署名捺印しないよう注意してください。

4.印鑑証明書が理由で相続放棄する人もいる

私が依頼を受けたケースでは、印鑑証明書が理由で相続放棄している人もいました。

なぜなら、相続人である以上、相続財産が不要でも、遺産分割協議書に署名捺印(実印)して、印鑑証明書を渡す必要があるからです。

  • 他の相続人と仲が悪く印鑑証明書を渡したくない
  • 仕事を休んでまで印鑑証明書を取りに行きたくない

    以下は、よくあるケースです。


    ▼家族構成

    被相続人|父親
    相続人 |長男・二男
    ※二男は家族と絶縁している

    ▼相続財産

    不動産|建物、宅地
    預貯金|500万円

    ▼遺産分割協議書

    相続財産は長男がすべて相続する

    長男から二男への書面には、遺産分割協議書への署名捺印と印鑑証明書を一緒に返送するよう書いてあった。

    二男は相続財産を取得する気はなかったが、長男に言われるまま印鑑証明書を渡すのは嫌だったので、相続放棄の手続きをした。


    相続放棄をすると相続人ではないので、印鑑証明書を渡す必要がありません。また、相続放棄に印鑑証明書は不要なので、取りに行く時間が無い人でも手続きできます。

    印鑑証明書を渡したくないなら、相続放棄という手段もあるので覚えておいてください。

    5.相続放棄と印鑑証明書に関するQ&A

    相続放棄と印鑑証明書について、よくある質問と回答をまとめました。

    他の相続人に印鑑証明書を渡しました。相続放棄できていますか?

    相続放棄の手続きに印鑑証明書は不要なので、別の手続きをしている可能性が高いです。

    認印が理由で申述が却下される可能性はありますか?

    ありません。相続放棄の条件に印鑑の種類は含まれていません。

    申述書への押印が不明瞭になった場合、どうすれば良いですか?

    私の経験上、右横に押し直せば問題なく手続きできています。

    司法書士に相続放棄を依頼する場合、印鑑証明書は必要ですか?

    不要です。相続放棄の委任状は認印でも問題ありません。

    相続放棄のQ&Aについては、上記以外にもあるので参考にしてください。

    6.まとめ

    相続分放棄と印鑑証明書に関するまとめ画像

    今回の記事では「相続放棄と印鑑証明書」について説明しました。

    相続放棄申述書に使用する印鑑に決まりはありません。認印でも実印でもどちらでも大丈夫です。

    実印を使用したからといって、印鑑証明書を添付する必要もありません。

    ただし、家庭裁判所から照会書が郵送されたら、申述書に使用した印鑑で押印してください。別の印鑑で押印すると、別の人が手続きをしていると判断されます。

    他の相続人から実印と印鑑証明書が必要だと言われたら注意してください。相続分の放棄や相続分の譲渡をするつもりかもしれません。

    相続放棄をするのに実印と印鑑証明書は不要です。

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