死亡届に関することは、戸籍法により定められています。
- 戸籍法25条:届出先の役所
- 戸籍法86条:死亡届の届出期間
- 戸籍法87条:死亡届の届出人
死亡届の提出先や届出人も、戸籍法の条文に記載されています。
今回の記事では、死亡届と法律に関して説明しているので、不明点があれば条文を確認してみましょう。
目次
死亡届の届出先(戸籍法25条)
戸籍法25条では、届出先の原則について定めています。
役所への届出は、原則として以下のどちらかになります。
※死亡届も含む。
- 本人(死亡者)の本籍地
- 届出人の所在地
ただし、外国人が亡くなった場合は、本籍地が無いので届出人の所在地です。
死亡届の届出先については、戸籍法88条にも定めがあります。
死亡届の届出(戸籍法86条)
戸籍法86条では、死亡届の届出について定めています。
戸籍法86条は重要な定めなので、しっかりと確認しておいてください。
死亡届の届出期間(戸籍法86条1項)
死亡届の届出義務者(戸籍法87条1項)は、以下の期間内に届出をする義務があります。
- 国内で死亡:死亡の事実を知った日から7日以内
- 国外で死亡:死亡の事実を知った日から3ヶ月以内
正当な理由なく届出をしなければ、5万円以下の過料に処されます。
関連記事を読む『死亡届はいつまでに出す?期限は7日以内なので期間経過に注意』
死亡届には死亡診断書を添付(戸籍法86条2項)
死亡届には、死亡診断書(死体検案書)を添付する必要があります。
ただし、死亡診断書と死亡届は1枚の用紙(A3サイズ)になっているので、添付を忘れるという事態にはなりません。
死亡診断書の部分(右半分)を医師に記入してもらい、死亡届の部分(左半分)を届出人が記入して役所に提出します。
関連記事を読む『【死亡届の書き方】図を用いて記入のポイントを説明』
死亡届に死亡診断書を添付できない(戸籍法86条3項)
やむを得ない事由により死亡診断書(死体検案書)を取得できない場合は、死亡の事実を証する書面を死亡届に添付します。
具体的な書面については、提出先の役所に確認してください。
死亡届の届出人(戸籍法87条)
戸籍法87条では、死亡届の届出人について定めています。
死亡届の届出人は、「届出義務者」と「届出資格者」に分かれています。
関連記事を読む『死亡届の届出人は誰がなれる?届出義務者と届出資格者を確認』
死亡届の届出義務者(戸籍法87条1項)
戸籍法87条1項では、死亡届の届出義務者について定めています。
- 同居の親族
- 同居者
- 大家・管理人等
上記の順序にしたがって、死亡届を出す義務があります。
ただし、前順位届出義務者が存在していても、後順位届出義務者は死亡届を提出できます。
死亡届の届出資格者(戸籍法87条2項)
戸籍法87条2項では、死亡届の届出資格者について定めています。
死亡届は届出義務者以外も届出人になれます。
- 同居者以外の親族
- 死亡者の後見人等
上記に該当する人は、届出義務者が存在する場合でも死亡届を提出できます。
死亡届の届出先(戸籍法88条)
戸籍法88条では、死亡届の届出先について定めています。
死亡届の届出先については、戸籍法25条の役所だけでなく、死亡地の役所でも届出ができます。
- 戸籍法25条:本人(死亡者)の本籍地
- 戸籍法25条:届出人の所在地
- 戸籍法88条:本人の死亡地
死亡届の届出先は3つの役所から選べるので、提出しやすい役所で大丈夫です。
関連記事を読む『死亡届の提出先はどの役所?3つの役所から自由に選べる』
船舶・公設所で死亡(戸籍法93条)
戸籍法93条では、船舶・公設所で死亡した場合について定めています。
戸籍法55条と56条を、死亡の届出に準用しています。
航海中に死亡した場合(戸籍法55条を準用)
航海中に死亡した場合についても、戸籍法に定めがあります。
以下は、準用元になる戸籍法55条です。
航海中に死亡した場合、船長が市町村長に航海日誌の謄本を送付します。
ちなみに、航海日誌を備えていない船で死亡した場合は、戸籍法87条の届出人が死亡届を出します。
公設所で死亡した場合(戸籍法56条を準用)
公設所で死亡した場合についても、戸籍法に定めがあります。
以下は、準用元になる戸籍法56条です。
公設所(公立病院や刑事施設等)で亡くなった場合、届出義務者が死亡届を出さないときは、公設所の長が届出をしなければなりません。
ちなみに、私立病院で亡くなった場合は、病院の長が戸籍法87条1項第三に該当します。
まとめ
今回の記事では「死亡届と法律」について説明しました。
死亡届に関することは、戸籍法で定められています。
- 戸籍法25条:届出先の役所
- 戸籍法86条:死亡届の届出期間
- 戸籍法87条:死亡届の届出人
日常生活で戸籍法の条文を読むことは少ないと思いますが、届出先や届出人等で不明な点があれば、条文を確認してみましょう。