後見制度支援預貯金|支援信託との違いは何なのか

後見制度支援預貯金とは、親族を後見人にする場合等に利用される方法です。すでに親族が後見人に就任している場合にも、家庭裁判所から利用を進められることがあります。

似た名称の後見制度支援信託と、何が違うのか分からない人も多いのではないでしょうか。

2つの支援制度は基本的に同じです。
ただし、違う点が後見制度支援預貯金のメリットとなりますので、まだご存知なかった人は確認しておいてください。

 

1.後見制度支援信託と基本は同じ

平成24年にスタートした後見制度支援信託と基本は同じです。
*後見制度支援預貯金は平成30年スタート。

支援信託をご存知ない場合は『後見制度支援信託は誰を支援しているのか』を先に読んでおくと理解しやすいです。

本人(後見される人)の財産のうち、日常的に必要な金銭は後見人が預貯金口座で管理して、普段使うことがない金銭は信用金庫等に預貯金として預けておきます。
後見制度支援預貯金
信用金庫等に預けている金銭を引き出すには、家庭裁判所の指示書が必要になります。
ですので、後見人による財産の不正利用を防ぐことができます。

1‐1.利用できる人も同じ

後見制度支援預貯金を利用できるのも、支援信託と同じで成年後見と未成年後見です。保佐・補助や任意後見は利用することができません。

 

2.後見制度支援預貯金のメリット

後見人の不正利用を防ぐのに支援信託は優秀です。実際に不正利用の件数は減少しています。

一定の効果を上げている後見制度支援信託ですが、問題点も指摘されています。

  • 専門職後見人の報酬が必要
  • 口座開設費用が発生
  • 預ける金額に下限設定

上記の問題点を解決できるのが、後見制度支援預貯金のメリットです。

2‐1.専門職後見人は必須ではない

後見制度支援信託を利用する際には、初めに専門職後見人(弁護士・司法書士等)が選任されます。信託契約等の準備を終わらせると、親族後見人が後見業務を引き継ぎます。

ただし、専門職後見人の報酬が発生します。報酬額は準備等にどれだけ手間がかかるかで違いますが、約20万円ぐらい発生することもあります。

それに対して、後見制度支援預貯金は専門職後見人の選任が必須ではないので、初めから親族後見人だけで手続きを進めることもあります。

2‐2.口座開設費用等が発生しない

信託銀行等で口座を開設する際には、開設費用等が発生することもあります。口座管理費用が発生する信託銀行等も存在します。

それに対して、信用金庫等で口座を開設するのは、通常の口座開設と同じで無料です。

2‐3.預ける金額に決まりがない

信託銀行等の中には預ける金額に、下限設定を設けていることがあります。例えば、最低1,000万円は預けておかなければ、支援信託を利用できない信託銀行等も存在します。

それに対して、支援預貯金では最低金額の定めはありません。

 

3.利用を断ると後見監督人が登場

後見開始の申立てをする際に、後見制度支援預貯金の利用を断る人はあまりいません。問題になるのは、すでに親族が後見人になっているケースです。

親族が後見人になっていても本人の財産額によっては、家庭裁判所から利用を勧められます。利用は強制ではないので断ることもできるのですが、後見監督人を選任される可能性があります。

後見監督人とは、後見人の後見業務を監督する人です。

簡単に言うと、「支援預貯金の利用」または「後見監督人の選任」のどちらかを選ぶことになります。

どちらが良いかは人それぞれですが、後見監督人が選任されると報酬が発生するので、支援預貯金の方が本人の財産は減りません。

 

4.さいごに

親族の後見業務を支援するのが、後見制度支援預貯金の目的です。

日常生活で利用することのない金銭は、信用金庫等の預貯金口座で管理します。それにより、煩わしい金銭管理から解放されます。

後見の申立てを検討されている人や、すでに後見人に就任している人も関係します。成年後見に関することは時代と共に変化していますので、定期的に知識を補充しておいてください。

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