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遺族基礎年金はいつまでもらえる?受給権が消滅すると終了

遺族基礎年金はいつまで支給される
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遺族基礎年金がいつまで支給されるかは、消滅要件を確認すれば分かります。

なぜなら、消滅要件に該当しない間は、遺族基礎年金が支給されるからです。

遺族基礎年金の消滅要件は、配偶者と子どもで違いがあり、一つでも該当すると受給権は消滅します。

今回の記事では、遺族基礎年金の消滅要件について説明しているので、支給期間を確認する際の参考にしてください。

1.遺族基礎年金はいつからいつまで?

遺族基礎年金がいつからいつまで支給されるかは、法律により決められています。

以下は、国民年金法の条文です。

(年金の支給期間及び支払期月)
第十八条 年金給付の支給は、これを支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から始め、権利が消滅した日の属する月で終るものとする。

出典:e-Govウェブサイト(国民年金法18条1項)

上記の条文を遺族基礎年金に当てはめると、以下のようになります。

遺族基礎年金の支給期間

遺族基礎年金の支給期間は、死亡日の属する月の翌月からスタートします。

例えば、令和5年7月15日に死亡した場合、死亡月の翌月である令和5年8月が支給開始月です。

そして、遺族基礎年金は受給権が消滅する月まで支給されます。

問題は、受給権がいつ消滅するかは、受給権者によって違う点です。

遺族基礎年金の受給権者は「子のいる配偶者」と「子」ですが、消滅要件に違いがあります。

 

2.配偶者は遺族基礎年金をいつまで受給できる

配偶者に関する遺族基礎年金の消滅要件

配偶者が遺族基礎年金の受給権者であっても、消滅要件に該当すると受給権は消滅します。

配偶者の消滅要件は、「配偶者自身の要件」と「子の要件」に分かれています。

2-1.配偶者自身に関する遺族基礎年金の消滅要件

配偶者自身に関する遺族基礎年金の消滅要件

配偶者自身に関する遺族基礎年金の消滅要件は、以下の3つです。

  • 配偶者の死亡
  • 配偶者が再婚
  • 配偶者が養子になった

上記に一つでも該当すると、配偶者の受給権は消滅します。

配偶者が死亡しても受給権は相続されない

遺族基礎年金の受給権は「一身専属権」なので、配偶者が死亡しても相続されません。

ただし、子が受給権を有しているなら、子は自らの権利で遺族基礎年金を受給できます。

配偶者が再婚すると支給も終了

配偶者が再婚すると、遺族基礎年金の受給権は消滅します。

再婚を検討しているなら、遺族基礎年金の受給期間(残り期間)も確認しておいてください。

配偶者が養子になると受給権は消滅(例外あり)

原則として、配偶者が養子になると受給権は消滅します。

ただし、養子縁組の相手(養親)が、直系血族または直系姻族なら消滅しません。

例えば、配偶者が親の再婚相手と養子縁組を結んでも、遺族基礎年金の受給権は消滅しません。親の再婚相手は直系姻族に該当します。

養親が誰になるかで結論が違うので、養子縁組を結ぶ場合は気を付けてください。

2-2.配偶者は子に関する要件でも受給権が消滅

配偶者は子に関する要件でも遺族基礎年金の受給権が消滅

配偶者は子に関する要件でも、遺族基礎年金の受給権が消滅します。

  • 配偶者と子の生計が別になった
  • 子の受給権が消滅
    ※子が複数なら全員

遺族基礎年金は子の養育が目的なので、配偶者と子の生計が別になると受給権も消滅です。

また、子の受給権が消滅した場合も、配偶者の受給権は消滅します。

遺族基礎年金は子のいる配偶者が対象なので、前提となる子が条件を満たさなければ、配偶者も条件を満たせないからです。

子の受給権消滅については、次章で説明します。

 

3.子は遺族基礎年金をいつまで受給できる

子に関する遺族基礎年金の消滅要件

子が遺族基礎年金の受給権者であっても、消滅要件に該当すると受給権は消滅します。

子の消滅要件は、「年齢要件」と「その他の要件」に分かれています。

3-1.遺族基礎年金の受給権は子の年齢で消滅

子の受給権は一定年齢に達すると消滅

遺族基礎年金の受給権は、子が一定年齢に達すると消滅します。

  • 18歳到達年度の3月31日
  • 20歳に到達(障害等級該当者)

原則として、子が18歳到達年度の3月31日に達すると、遺族基礎年金の受給権は消滅です。

ただし、子が障害等級に該当する場合は、20歳に到達するまで受給権が存続します。

遺族基礎年金の支給目的は「子の養育」なので、子が成人すれば目的を達成して終了です。

3-2.年齢以外の要件でも子の受給権は消滅

子の受給権は年齢以外でも消滅する

子の受給権は、年齢以外でも消滅します。

  • 子の死亡
  • 子が結婚
  • 子が養子になった
    ※直系血族・直系姻族を除く
  • 死後離縁
    ※亡くなった人が養親の場合

それぞれ簡単に説明していきます。

子が死亡しても受給権は相続されない

遺族基礎年金の受給権は「一身専属権」なので、子が死亡しても相続されません。

たとえ遺族基礎年金の受給期間が短くても、子が死亡すると受給権は消滅します。

子が結婚すると支給も終了

子が結婚すると遺族基礎年金の受給権は消滅します。

ただし、結婚できる年齢が男女とも18歳からなので、結婚により消滅するケースは少ないでしょう。

子が養子になると受給権は消滅(例外あり)

原則として、子が養子になると受給権は消滅します。

例外は、養親が直系血族または直系姻族の場合です。

例えば、子が祖父(祖母)と養子縁組を結んでも、遺族基礎年金の受給権は消滅しません。祖父は直系血族に該当します。

養子縁組を結ぶ場合は、受給権の消滅に注意してください。

死後離縁により親子関係は解消(養親の場合)

亡くなった人が養親であっても、子(養子)は遺族基礎年金を受給できます。

ただし、死後離縁(養子縁組の解消)をすると、親子関係が解消されるので、受給権も消滅します。

死後離縁については、下記の記事で詳しく説明しています。

 

4.遺族基礎年金の受給権消滅と支給停止は違う

遺族基礎年金の受給権消滅と停止要件

遺族基礎年金は受給権が消滅するまで支給されます。

ただし、受給権が消滅していなくても、停止要件に該当している間は支給されません。

遺族基礎年金の停止要件は複数あり、一つでも該当すると支給は停止されます。

例えば、配偶者が受給権を有しているなら、子の遺族基礎年金は支給停止です。

遺族基礎年金の受給権消滅と支給停止は要件が違うので、停止要件も確認しておいてください。

 

5.まとめ

今回の記事では「遺族基礎年金はいつまで支給されるか」について説明しました。

遺族基礎年金の支給期間は「死亡月の翌月」から「受給権の消滅月」まで。

受給権の消滅要件は、配偶者と子で違います。

配偶者は自身の要件だけでなく、子の要件でも受給権が消滅します。

子の受給権は年齢による消滅だけでなく、その他の要件でも消滅します。

遺族基礎年金は消滅要件に該当すると、支給期間に関わらず終了です。消滅要件に該当しないように注意してください