限定承認をわかりやすく簡単に説明しています

限定承認を検討したいが、説明が難しく理解できなくて困っていませんか。

限定承認で重要な点は以下のとおりです。

  • 限定承認は相続方法の1つ
  • 借金の負担額に限度がある
  • 相続人全員でなければできない

初めからすべてを理解しようとすると難しいです。まずは、重要な点だけ知っておく方が、結果としてわかりやすいです。

今回の記事では、限定承認の基本をわかりやすく説明しているので、限定承認を理解する手助けになれば幸いです。

1.限定承認とは相続方法の1つ

人が亡くなると相続が発生します。限定承認とは3つある相続方法の1つです。

  • 単純承認
  • 相続放棄
  • 限定承認

残りの2つも少しだけ説明しておきます。

単純承認が一般的に言われる相続のことです。亡くなった人の財産をすべて相続します。

相続放棄は相続する権利を放棄することです。亡くなった人の財産をすべて放棄します。

単純承認と相続放棄については、全部相続するか全部放棄するかなので分かりやすいです。

それに対して、限定承認はプラスの財産を限度として、マイナスの財産を負担する相続方法。単純承認との違いは、マイナス財産の負担額に限度がある点です。

 

2.借金の負担額に限度がある

限定承認の最大の特徴は、亡くなった人のプラスの財産を限度として、マイナスの財産を負担するということです。

プラスの財産
現金・預貯金や不動産等
マイナスの財産
借金や未払金等

(限定承認)
第九百二十二条 相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。

出典:e-Govウェブサイト(民法922条)

上記をわかりやすく説明するなら、「相続財産の限度でしか借金は支払いません」と宣言して相続するようなものです。
借金の負担額に限度がある

例えば、亡くなった人の借金が1,000万円だったとしても、限定承認をした相続人はプラスの財産を限度して負担します。

以下の表は亡くなった人の借金が1,000万円だった場合の負担額です。

借金が1,000万円の場合
プラスの財産借金の負担額
100万円100万円
500万円500万円
700万円700万円
1,000万円1,000万円

わかりやすく100万円単位にしていますが、プラスの財産が1万円しかなければ1万円しか負担しません。

また、最終的にプラスとマイナスのどちらが多いか分からないときは、限定承認を選ぶ方が得になることもあります。

なぜなら、限定承認をした場合でも、プラスの財産が多ければ相続人が相続できるからです。

 

3.支払いをして残れば貰える

限定承認をした相続人は、プラスの財産を限度として借金等を支払います。

そして支払いをした結果、プラスの財産が残れば貰えます。

わかりやすく説明するなら、限定承認をしても相続人であることに変わりはないので、プラスの財産が残れば相続します。

マイナスの財産が多い場合とは結論が逆になります。

プラスの財産が多ければ貰える

借金の方が多いかもしれないので限定承認をしたが、結果としてプラスの財産の方が多いこともあります。プラスの財産が多ければすべて相続することができます。

限定承認をしてからプラスの財産が見つかる可能性もあるので、亡くなった人の財産構成によっては限定承認を検討しましょう。

 

4.限定承認は相続人全員で行う必要がある

限定承認は相続人全員で行う必要があります。

(共同相続人の限定承認)
第九百二十三条 相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。

出典:e-Govウェブサイト(民法923条)

誰か1人でも限定承認に反対する相続人がいれば、単純承認か相続放棄のどちらかを選ぶことになります。

限定承認は全員の同意が必要

限定承認を選ぶには他の相続人に連絡を取って、全員の意見を一致させる必要があります。

誰が相続人になるかは『法定相続人|誰がなるかは法律により定められている』でご確認ください。

 

5.限定承認の申立ては相続を知った日より3ヶ月以内

限定承認をするなら相続の開始を知った日より、3ヶ月以内に家庭裁判所に申立てをしなければいけません。

(限定承認の方式)
第九百二十四条 相続人は、限定承認をしようとするときは、第九百十五条第一項の期間内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申述しなければならない。
(相続の承認又は放棄をすべき期間)
第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

出典:e-Govウェブサイト(民法924条・915条)

相続人同士の話し合いでは、限定承認の効力は発生しません。

相続人の意見をまとめるのに時間がかかるなら、申述期間の伸長を申し立てることもできます。

 

6.さいごに

限定承認とは3つある相続方法の1つです。残り2つが単純承認と相続放棄となります。

限定承認は亡くなった人のプラスの財産を限度として、マイナスの財産を負担する相続方法です。

限定承認をするには3ヶ月以内に、相続人全員で家庭裁判所の手続きをする必要があります。

今回の記事は分かりやすさを優先していますので、詳しい説明に関しては個別の記事でご確認ください。

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