限定承認の期限は3ヶ月なので期間伸長も検討しよう

限定承認を検討されているなら、熟慮期間の経過には気を付けてください。

相続放棄と違い相続人全員で共同して行うので、3ヶ月の期間を間違えやすいです。

少しでも期間経過に不安があれば、早めに期間伸長の申立てをしておきましょう。

1.限定承認は3ヶ月以内に全員で行う

限定承認の申立て期限は、相続放棄と同じで相続開始を知った日から3ヶ月以内です。

(相続の承認又は放棄をすべき期間)
第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

出典:e-Govウェブサイト(民法955条)

相続の開始を知った日がいつになるかは、以下の記事を参考にしてください。

相続放棄との違いは、限定承認の申立ては相続人全員で行う点です。

(共同相続人の限定承認)
第九百二十三条 相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。

出典:e-Govウェブサイト(民法923条)

限定承認を検討する際に問題になるのが、各相続人で相続の開始を知った日が違う場合に期限はどうなるかです。相続の開始を知った日が、相続人全員で同日ならば期限も同じです。

 

2.相続の開始を知った日が違う

相続開始を知ったタイミングが違う場合、限定承認の期限はどうなるのでしょうか。

2つの立場から考えてみましょう。

  • 相続開始を先に知った
  • 相続開始を後から知った

2-1.相続開始を先に知ったら期間伸長

相続開始を先に知って、かつ、限定承認を検討しているなら期間伸長の申立てをしておきましょう。

なぜかというと、相続開始を後から知った相続人が、限定承認を選ばない可能性もあるからです。

例えば、相続放棄をすると初めから相続人ではないので、限定承認には関わりません。あなたが相続開始を知った日から3ヶ月経過していると、単純承認をしたとみなされます。

相続の開始を先に知った

直ぐに連絡が取れない相続人がいるなら、期間伸長の申立てをしておかなければ危険です。

2-2.相続開始を後から知っても望みはある

あなたが相続開始を知った時には、先に知った相続人の熟慮期間(3ヶ月)経過後かもしれません。期間伸長の申立てをしていれば問題ないのですが、何もせずに単純承認とみなされている可能性もあります。

ただし、判例や通説では一部の相続人の熟慮期間が経過していても、当該相続人が限定承認することに同意するのなら、限定承認は認められるとしています。

相続を後から知っても限定承認は可能

同意を得ることが出来なければ、単純承認か相続放棄のどちらを選ぶことになります。

熟慮期間が経過している相続人は、限定承認に同意しても単純承認と同等の責任を負います。

 

3.他の相続人が相続放棄を選ぶ

あなたが限定承認をしたくても、他の相続人が同意するとは限りません。面倒な手続きを嫌がり、相続放棄を選ぶ相続人もいます。あるいは、あなたが知らない間に、相続放棄の手続きを進めているかもしれません。

相続放棄をすると相続人ではないので、限定承認の手続きには関わりません。ですので、残った相続人全員で限定承認の申立てをすることが可能です。

問題は、相続放棄にも時間がかかるので、待っている間に3ヶ月が経過する可能性があることです。待っている間に3ヶ月が経過すると、単純承認をしたとみなされます。
*相続放棄が受理される前に限定承認はできません。

他の相続人が相続放棄をする場合は、安全のためにも期間伸長の申立てをしておいてください。

 

4.限定承認と期間伸長はセットで検討

限定承認と期間伸長の申立てはセットで検討しておいてください。

4-1.3ヶ月では足りないことが多い

限定承認を検討していると、相続放棄と違い3ヶ月では期間が足りないことが多いです。

  • 財産を調査する時間の確保
  • 他の相続人と連絡が取れない
  • 相続放棄をする相続人がいる

財産を調査する時間の確保

単純に財産を調査する時間を確保するために、期間伸長を利用します。

亡くなった人の財産が多いのであれば、あらかじめ時間を確保しておきましょう。

他の相続人と連絡が取れない

他の相続人と連絡が取れない場合です。

連絡が取れないからといって、熟慮期間はストップしてくれません。相続人を探す時間を確保しておきましょう。

相続放棄をする相続人がいる

相続放棄をする相続人がいる場合です。

相続放棄が受理された後でなければ、限定承認の申立てをすることはできないです。
*受理される前は相続人だからです。

相続放棄にも時間がかかるので、待っている間に期間が経過する可能性もあります。

4-2.期間伸長はそれぞれ必要

限定承認の申立ては相続人全員が共同で行うのですが、期間伸長の申立ては各相続人がそれぞれ行う必要があります。誰か1人が期間伸長しても、他の相続人の熟慮期間に影響はありません。

期間伸長の申立ても3ヶ月以内にする必要があるので、限定承認を検討しているなら早めにしておきましょう。

 

5.さいごに

限定承認の期限は、相続の開始を知った日から3ヶ月以内です。

ただし、相続人全員で共同して行うので、知った日が違うと期限がいつまでなのか分かりにくいです。

あくまでも、相続の開始を知った日から3ヶ月が熟慮期間となります。連絡が取れない相続人がいる場合や、相続放棄を検討している相続人がいる場合は、期間伸長の申立てをして熟慮期間を延長しておいてください。

期間伸長の申立書作成依頼は下記からご確認ください。

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