同性カップルと養子縁組|相続対策にはリスクもある

同性パートナーに財産を相続させるために、養子縁組を利用することはあります。

なぜなら、養子縁組により親族関係を発生させ、相続人として相続させることができるからです。

養子縁組には親子型と兄弟姉妹型の2つがありますが、どちらでも相続人の地位を得ることができます。

ただし、養子縁組にはリスクもあるので、すべての同性カップルにお勧めできるわけではないです。

今回の記事では、同性カップルと相続対策としての養子縁組について説明しているので、悩みを解決する参考にしてください。

目次

  1. 親子型(2人が親子になる)
    1. 養子は第1順位の相続人
    2. 親子型の問題点
  2. 兄弟姉妹型(2人が兄弟姉妹になる)
    1. 精神的な抵抗が少ない
    2. 親の理解が必要
  3. 養子縁組にはリスクがある
    1. 親族とトラブルになる可能性
    2. 結婚できなくなる可能性
  4. 相続対策としての効力
  5. 最終的な相続対策は別に必要
  6. まとめ

1.親子型(2人が親子になる)

同性カップルで養子縁組をして、親子になる方法です。

役所に養子縁組届を提出します。2人が成年であれば特に問題なく受理されます。

1-1.養子は第1順位の相続人

養子の法定相続人としての順位は、実子と同じく第1順位です。

したがって、親や兄弟姉妹よりも順位が上になるので、確実に財産を相続することができます。

親が健在でも相続人ではないので、遺留分を気にする必要もありません。

1-2.親子型にも問題点がある

親子型の問題点は3つ考えられます。

  • 養親を選べない
  • 代襲相続の可能性
  • 予期せぬ発覚

①養親を選べない

どちらが養親になるかを選ぶことができないです。

同性カップルの年長者が自動的に養親になるので、財産を残す方が養子になることもあります。

養子が先に亡くなる可能性

養子が先に亡くなると、同性パートナーは親としての相続順位(第2位)になります。

実親が健在の場合に遺言書を書いていないと、同性パートナーは実親と遺産分割協議をする必要があります。

②代襲相続の可能性

同性パートナー(養親)が亡くなった後で、代襲相続人になる可能性があります。

養子が代襲相続

代襲相続とは、本来は同性パートナー(養親)が相続人になるはずだった相続を、子ども(養子)が代わりに相続することです。

亡くなった同性パートナーの兄弟姉妹と共同相続人になるので、余計なトラブルを招く可能性はあります。
*兄弟姉妹からすると、親の財産を他人が相続する形になる。

相続財産はプラスの財産だけではないので、マイナスの財産(借金)も相続することになります。

③予期せぬ発覚

養子縁組は戸籍に記載されます。

日常生活において戸籍謄本を見ることは少ないですが、相続手続の際には戸籍謄本を見ます。家族にカミングアウトしていない場合は、養子縁組に疑問を持たれる恐れがあります。

2.兄弟姉妹型(2人が兄弟姉妹になる)

同性カップルの親と養子縁組をして、兄弟姉妹になる方法です。

方法論としては可能ですが、相続対策として選ぶメリットは少ないです。

2-1.精神的な抵抗が少ない

同性パートナーと親子関係を結ぶことに、精神的な抵抗がある人もいます。法律上はあくまでも夫婦ではなく親子になるからです。

それに対して、兄弟姉妹型なら親子関係を結ばずに、相続人の地位を得ることが可能です。

2-2.親の理解が必要

兄弟姉妹型を利用するには親の協力が必要不可欠です。同性愛に対する理解がない限り、方法として選びようがないです。

同性パートナーの相続順位は、兄弟姉妹(第3位)になります。そのため、遺言書を書く等の対策は必須となります。

3.養子縁組にはリスクがある

同性カップルが養子縁組を結ぶことにより、発生するリスクもあります。

3-1.親族とトラブルになる可能性

同性パートナーの親族と、トラブルになる可能性があります。

養子縁組でトラブル

同性パートナーが養子になることにより、財産を相続することができなくなる親族が、養子縁組無効の訴えを起こす可能性はあります。

相続目的で養子縁組をするのは一般的なので、負ける可能性は低いですが揉めて得することはないです。

3-2.結婚できなくなる可能性

現在の法律では、一度親子の養子縁組をすると、養子縁組を解消しても結婚することができません。

(養親子等の間の婚姻の禁止)
第七百三十六条 養子若しくはその配偶者又は養子の直系卑属若しくはその配偶者と養親又はその直系尊属との間では、第七百二十九条の規定により親族関係が終了した後でも、婚姻をすることができない。

出典:e-Govウェブサイト(民法736条)

そのため、同性婚が認められても結婚できない恐れがあります。法改正があったときに、国が同性カップルに配慮してくれる保障はないです。

4.相続対策としての効力

同性パートナーに財産を残すための対策としては、養子縁組はリスクもあるので積極的にはお勧めできないです。

家族にも利害関係が生じるので、安易に選ぶべきではないです。財産を残すだけなら遺言書や生前贈与等でも可能です。

ただし、同性カップルが生活をするうえで、養子縁組をするメリットは十分にあります。
*財産を残す以外のメリット

  • 同性カップルで同じ氏を名乗ることができる
  • 同性パートナーの緊急時に、家族として医療行為の同意ができる
  • 扶養家族として税務上のメリットがある
  • 遺族年金を取得できる

今回の記事では同性カップルが、財産を残す手段としての養子縁組で考えています。ですので、上記のメリットは除外しています。

生活面でのメリットは下記の記事をご覧ください。

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5.最終的な相続対策は別に必要

同性カップルが相続対策の為に養子縁組を利用するのは、2人の間の相続についてです。最終的な2人の財産の行方については、養子縁組では解決できていません。

残された人は2人の財産の行方を決める必要があります。法定相続人に相続してもらうのか、お世話になった人に遺贈するのか等です。

養子縁組をしても相続対策が終了したわけではないので、2人で最終的な相続についても話し合っておいてください。

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6.さいごに

同性カップルが財産を残すための手段として、養子縁組を利用することはあります。

ただし、相続させるためだけに養子縁組を利用するとリスクも大きくなります。安易に使うことで、残された同性パートナーが困ることにもなります。

同性パートナーに財産を残すためだけなら、他の方法で達成できます。ただし、年齢等を考慮した結果、養子縁組を選ぶ場合も当然あります。

同性カップルで養子縁組を利用するときは、得られるメリットとリスクについて熟慮する必要があります。

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