同性パートナーと養子縁組|生活面でのメリットは多い

同性パートナーと養子縁組を結ぶことで、親族関係を得ることができます。親族になることで生活面でメリットが発生します。

生活するうえでの費用については様々なメリットがあります。所得控除の発生や年金を受け取ることもできます。

今回の記事は生活面に関してなので、相続面は『同性カップルと養子縁組|相続対策にはリスクもある』で説明しております。

目次

  1. 親族として権利と義務が発生
    1. 親子として相続人になる
    2. 2人の間に扶け合う義務
    3. 家族として付き添いや面会
  2. 所得控除も発生する
    1. 扶養親族として扶養控除
    2. その他の控除も適用
  3. 親子として年金の受取人
  4. 贈与税の特例税率が適用
  5. 相続税の基礎控除額に影響
  6. まとめ

1.親族として権利と義務が発生

同性パートナーと養子縁組を結ぶことにより、親族として権利と義務が発生します。

1-1.親子として相続人になる

同性カップルが養子縁組を結ぶことで、親子として相続権が発生します。

「実子と養子」「実親と養親」の相続人としての地位は同じです。

相続順位

養子は第1順位の相続人となるので、確実に相続することができます。

それに対して、養親は第2順位の相続人となるので、先順位相続人がいる場合は相続できません。

相続順位については『法定相続人|誰がなるかは法律により定められている』でご確認ください。

1-2.2人の間に扶け合う義務が発生

養子縁組を結ぶと同性カップル間でたす合う義務が発生します。

(親族間の扶け合い)
第七百三十条 直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならない。

出典:e-Govウェブサイト(民法730条)

直系血族には養親と養子も含まれるので、同性カップルは法律上も扶け合わなければなりません。

注意貞操義務や同居義務は発生しません。

1-3.家族として付き添いや面会

同性カップルにとって困ることが多い、医療関係においてもメリットがあります。

同性パートナーの入院時に家族として付き添いや面会等ができますし、手術の同意書への署名も求められます。

法律上は養親と実親(養子と実子)に区別は無いので、医療機関も断ることはできません。

 

2.所得控除も発生する

養子縁組を結ぶことで所得控除も発生します。長期間になると費用面のメリットも増えます。

2-1.扶養親族として扶養控除

同性パートナーを扶養親族として、控除を受けることができます。

扶養親族とは、その年の12月31日の現況が以下の4つをすべて満たす人です。

  • 配偶者以外の親族
  • 納税者と生計を一にしていること
  • 年間の合計所得金額が38万円以下であること
    (給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
  • 青色申告者の事業専従者として、その年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと。または白色申告者の事業専従者でないこと。

2-2.その他の控除も適用される

養子縁組を結ぶと、その他の控除も適用されます。

医療費控除

同性パートナーのために医療費を支払った場合、一定額を超えるときは医療費控除を受けることができます。

社会保険料控除

同性パートナーが負担すべき社会保険料を支払った場合に、支払い金額について社会保険料控除を受けることができます。

生命保険料控除

通常、生命保険金の受取人に同性パートナーを指定しても、生命保険料控除を受けることはできないです。

ですが、養子縁組を結ぶと親族になるので、生命保険料控除を受けることができます。

 

3.親子として年金の受取人

年金に関しては説明が複雑になるので、簡略化して記載しています。

【遺族厚生年金】

同性パートナー(養子)が厚生年金に加入していて、養子が先に亡くなり養親が55歳以上の場合は、条件を満たすと遺族厚生年金が受け取れます。

【死亡一時金】

同性パートナーが国民年金第1号被保険者として36ヶ月以上保険料を納めていて、年金を受給する前に亡くなった場合は、条件を満たすと死亡一時金を受け取れます。

【未支給年金】

すでに年金を受給している同性パートナーが亡くなった場合は、未支給年金が受け取れます。
*年金は2ヵ月に一度支給なので、未支給分が発生します。

 

4.贈与税の特例税率が適用

養親から養子(20歳以上)への贈与については、一般の贈与税の税率よりも低い特例税率が適用されます。

基礎控除110万円を除いた価格に税率を適用します。

基礎控除後
の課税価格
一般税率特例税率
税率控除額税率控除額
200万以下10%10%
200万超
300万以下
15%10万15%10万
300万超
400万以下
20%25万
400万超
600万以下
30%65万20%30万
600万超
1,000万以下
40%125万30%90万
1,000万超
1,500万以下
45%175万40%190万
1,500万超
3,000万以下
50%250万45%265万
3,000万超
4,500万以下
55%400万50%415万
4,500万超55%640万

(例)養親から養子に1,000万円贈与した場合

養子縁組をしていない同性カップル

1,000万円-110万円=890万円
890万円×40%=356万円
356万円-125万円=231万円
贈与税は231万円

養子縁組をした同性カップル

1,000万円-110万円=890万円
890万円×30%=267万円
267万円-90万円=177万円
贈与税は177万円

注意養子から養親への贈与は一般税率になります。

贈与する金額が増えるとメリットも増えますが、相続税との比較も必要です。

同性婚と生前贈与|確実に渡せるが注意点もある』で注意点等について説明しております。

 

5.相続税の基礎控除額に影響

同性カップル間で養子縁組をすると、相続税に影響を及ぼします。

なぜなら、法定相続人の数に変更があると、基礎控除額等も変更するからです。

例えば、養子縁組を結ぶ前の法定相続人が兄弟3人だったとします。養子縁組を結ぶことにより法定相続人は1人となります。

  • 法定相続人3人:基礎控除額4,800万円
  • 法定相続人1人:基礎控除額3,600万円

相続税に関しては、養子縁組をすると結果として増額になる可能性もあります。

養子縁組と相続税|同性カップルにメリットはあるのか』で養子縁組と相続税の関係について説明しています。

 

6.まとめ

同性カップルが親子の養子縁組をすると、生活面において様々なメリットが発生します。

同性婚では認められなかった権利や義務が、法律上の家族になることで認められるようになります。

同性パートナーに相続させるためだけに、養子縁組を利用するのはリスクが多いです。
しかしながら、生活面も考慮するならメリットも多いです。

今回の記事では、すべてを書くことはできませんでした。年金や社会保険等は複雑になるので簡略化しています。

あなたにとって何がベストなのかは、本当のところはわからないです。それでも、2人で考えたうえでの結果なら、後悔は少ないのではないでしょうか。

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