同性婚と生命保険|パートナーを受取人にできる

同性パートナーを生命保険金の受取人にすることは可能です。

かつては、保険会社に否定されていましたが、保険会社の対応が変わったことにより可能となりました。

すでに同性パートナーを受取人にしている人もいるはずです。一方、まだ生命保険契約を結んでいない人も多いでしょう。

今回の記事では、同性カップルと生命保険契約について説明しているので、契約を検討しているなら参考にしてください。

目次

  1. 生命保険契約を結ぶ
    1. パートナーシップ証明書の有無
    2. 生命保険契約の注意点
  2. 生命保険金を受け取る
    1. 死亡診断書の取得が難しい
    2. 生命保険金の非課税枠が適用されない
  3. 同性婚におけるメリット
    1. 生命保険本来の意味での利用
    2. 相続税の納税資金に充てる
    3. 遺留分侵害額請求に備える
    4. 住宅ローンの支払い
  4. まとめ

1.生命保険契約を結ぶ

以前は生命保険契約の受取人に、同性パートナーを指定することは不可能でした。

なぜなら、保険金詐欺等を防ぐ目的により、受取人は配偶者と2親等以内の親族に限られていたからです。

2015年11月4日にライフネット生命が、同性パートナーを受取人に指定することを可能としました。

現在では、10社以上の保険会社で、同性パートナーを受取人に指定することができます。

1-1.パートナーシップ証明書の有無

保険会社によってパートナーシップ証明書の有無に違いがあります。

  • パートナーシップ証明書が必要
  • パートナーシップ証明書があると便利
  • パートナーシップ証明書は不要

保険会社によっては、パートナーシップ証明書が必須な場合もあるので、取得されていない人は注意が必要です。

1-2.生命保険契約の注意点

同性カップルが生命保険契約を結ぶ際の注意点です。

契約を断られることもある

生命保険契約なので、健康状態によっては断られることもあります。100%契約が結べるわけではないです。

また、生命保険会社によっては、同性パートナーを受取人にできません。

生命保険料控除は使えない

生命保険料控除とは、支払った保険料の一定額を所得から控除することです。

同性パートナーを受取人にする生命保険契約では、生命保険料控除を適用することができません。

なぜなら、受取人のすべてが、契約者または配偶者その他の親族であることが要件だからです。

 

2.生命保険金を受け取る

同性パートナーが生命保険金を受け取る際の問題が2つあります。

  • 死亡診断書の問題
  • 非課税枠の問題

2-1.死亡診断書の取得が難しい

生命保険金の請求に必要な死亡診断書の取得が、スムーズに進まない恐れがあります。

なぜなら、親や兄弟姉妹が死亡診断書の引き渡しを拒否したり、病院側も発行に難色示したりするからです。

家族に関しては感情論の問題なので明確な解決方法はありません。

病院の対応

基本的な病院のホームページでは、死亡診断書の発行対象者を次のように書いています。

  • 配偶者
  • 子ども
  • 父母
  • 上記の代理人

同性パートナーは発行対象者に入っていないので、病院は死亡診断書を渡すことに難色を示します。

ただし、以下のような文言を追加している病院もあります。

  • 死亡診断書を発行することが、妥当だと思われるような客観的な条件を備えた人
  • 亡くなった人から委任を受けていた人(書面による証明)

上記の文言を満たすために必要になるのが、パートナーシップ証明書死後事務委任契約書です。

同性パートナーシップ合意契約書|呼び方は色々あるけど中身は同じ

亡くなった人から委任を受けていた人とは、死後事務委任契約の受任者のことです。契約条項に死亡診断書の受取も書いておきます。

死後事務委任契約とは

追加の文言が書かれている病院は、同性パートナーがスムーズに受け取れる可能性があります。

生命保険会社の対応

同性パートナーが死亡診断書を取得する難しさは、生命保険会社も把握しています。

保険会社によっては次善策を考えているので、契約を結ぶ際に尋ねておきましょう。

結論と対策

同性パートナーが病院から死亡診断書を、確実に受け取れる保障はありません。
けれども、受け取れるようように準備しておくことは重要です。

  • 保険会社と生命保険契約を結ぶ際に確認する
  • 死後事務委任契約を結ぶ
  • パートナーシップ証明書を取得する
  • 病院にあらかじめ確認を取る

死亡診断書を取得した際は、忘れずにコピーを取っておきましょう。役所に提出すると返還されませんので、再発行に余計な費用が発生します。

2-2.生命保険金の非課税枠が適用されない

同性パートナーが生命保険金を受け取ると、相続税の対象になります。

同性カップルに対する相続税のルールも厳しいです。生命保険金に関しても非課税枠が使えません。

生命保険金の非課税枠は、「500万円×法定相続人の人数」です。
生命保険金の非課税枠
配偶者や子どもが生命保険金を受け取る場合は、非課税枠を超えた部分が相続税の対象です。
一方、同性パートナーは全額が相続税の対象です。

同性パートナーが生命保険金を受け取る場合は、相続税が発生しやすいので注意が必要です。

 

3.同性婚におけるメリット

同性カップルが生命保険契約を、結んでおくメリットは複数考えられます。

3-1.生命保険本来の意味での利用

同性カップルの一方が専業主婦(主夫)の場合に、働き手が亡くなってしまうと生活に困るので、パートナーを受取人にしておくことで生活資金に充てることができます。

2人とも働いている場合は貯蓄に回した方がいいです。

3-2.相続税の納税資金に充てる

原則として、相続税は現金一括納付です。

そのため、相続財産が不動産等で現金が乏しい場合には、受取人を同性パートナー(相続税納付者)にする生命保険を結んでおくと、相続税の支払いに充てることができます。

相続税が支払えないと、最悪の場合は相続した不動産を処分して、現金を用意する必要があります。

3-3.遺留分侵害額請求に備える

遺言書で全部遺贈しても、両親が健在な場合は遺留分(3分の1)があります。

遺留分侵害額請求は金銭請求権なので、受取人を同性パートナーにすることで、請求されても支払に充てることができます。

生命保険金の受取人は同性パートナーにしておく

注意点は受取人を同性パートナーにしておくことです。

なぜなら、受取人を遺留分権利者(両親)にしても、遺留分を侵害していることには変わりがないからです。

生命保険金は相続財産ではないので、最悪の場合は生命保険金を受け取ったうえで、遺留分侵害額請求権を行使されます。

3-4.住宅ローンの支払い

同性カップルが住宅を購入する際に、どちらか一方の名義で契約して、支払いは2人で担っている場合です。

住宅ローンの契約者は、団体信用生命保険に入っていると思います。問題は、名義人でない方の人が亡くなると支払いが厳しくなることです。

万が一に備えて、同性パートナー(住宅ローン契約者)を受取人にしておくことで、住宅ローンの支払いに充てることができます。

 

4.まとめ

生命保険契約を結ぶ際には、パートナーシップ証明書があると便利です。取得されていない場合は、ご検討されてはどうでしょうか。

生命保険金を受け取る際には、死亡診断書をスムーズに受け取ることが重要です。確実に受け取れる方法はないですが、受け取れるように対策はしておくべきです。

同性パートナーが生命保険金を受け取ると、相続税が発生しやすくなります。

同性パートナーに相続税が発生する可能性|2つの理由から考える

同性婚においても、生命保険契約を結ぶメリットはありますので、事例に該当する場合には2人で話し合ってみてください。

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