特別縁故者制度は相続人がいる場合は利用できない

特別縁故者制度を検討する人にとって、一番怖いのは相続人が存在することです。相続人が1人でも存在すると、特別縁故者制度を利用することはできません。

亡くなった人と相続人が疎遠であっても関係ありません。あるいは、生前に存在を知らなかった相続人が見つかることもあります。

相続人がいる可能性について、あらかじめ知っておいてください。

1.誰が相続人に該当するのか

最初に確認しておくのは、誰が相続人に該当するのかです。

法定相続人

1‐1.配偶者は絶対に相続人

配偶者とは法律上の婚姻関係にある人です。一緒に住んでなくても配偶者ですし、離婚に向けての話し合いをしていても配偶者です。

法律上の婚姻届けを提出していない場合は、相手の戸籍謄本を見ることも少ないと思いますので、一度は確認をしておくと安心できます。

正式に離婚していない限り配偶者は相続人となります。

1‐2.未婚でも子どもは存在する

子どもには実子だけでなく、養子も含みます。つまり、結婚したことがなくても、養子縁組をしていれば相続人は存在します。

結婚はしていなくても、相手の子どもを認知している人もいます。未婚というだけで、子どもがいないと判断するのは危険です。

1‐3.親だけではなく祖父母も関係する

意外と勘違いしやすいので注意が必要です。

相続順位の第2位は直系尊属です。
したがって、親が亡くなっていても、祖父母が健在なら相続人になります。親は亡くなっていると聞いていても、祖父母の確認まで取っている人は少ないのではないでしょうか。

親には実親だけではなく養親も含みます。養子縁組を結んでいる場合は、養親が健在なら相続人です。

1‐4.兄弟姉妹に注意

大人になってから、兄弟姉妹と疎遠になっている人は少なくないです。

相続人かどうかは、生前の交流とは関係ないです。何十年連絡を取っていなくても相続人です。

甥・姪

兄弟姉妹が亡くなっていても、甥・姪が健在なら代襲相続人となります。生前に兄弟姉妹と連絡を取っていないと、甥・姪がいるのかどうかも分からないでしょう。

「兄弟はいない」と言っていても、すでに亡くなっているという意味かも知れないので確認は必要です。

 

2.相続人の存在に気付いていない

亡くなった人自身が相続人の存在に、気付いていない可能性もあります。

実際に相続の仕事をしていると、誰も知らなかった相続人が出現することは珍しくないです。

2‐1.異父(母)の兄弟姉妹

実際の相続手続きにおいて、異父(母)の兄弟姉妹の存在に途中で気づくことは、決して珍しくないです。

子どものころに両親が離婚している場合等は、親が話していないと気づくことは難しいです。

私の両親も離婚していますが、父親は義理の兄について生前一度も話したことがありません。
*父親は2回離婚しています。

2‐2.死後認知の可能性

死後認知とは父親が亡くなってから3年以内に、認知を請求して認められることです。

認知が認められると、生まれたときに遡って父親の子どもであったとみなされます。
したがって、相続人が存在するということです。

認知していない子どもが存在していると、死後認知の可能性は残っています。

 

3.相続放棄により相続人がいなくなる

例外として、相続放棄により相続人がいなくなるケースを説明します。

相続放棄をすると、初めから相続人ではなかったとみなされます。ですので、相続人全員が相続放棄をすると、初めから相続人が1人も存在しないことになります。

相続人全員が相続放棄をすると、特別縁故者制度を利用することが可能になります。

例えば、あなたにとって住んでいた不動産は重要ですが、相続人にとって重要とは限りません。不動産を相続するのが嫌であれば、相続放棄を選ぶ相続人もいるでしょう。全員が相続放棄を選ぶなら、不動産を取得できる可能性は残っています。

 

4.さいごに

亡くなった人に1人でも相続人がいると、特別縁故者制度は利用することができません。

亡くなった人に相続人がいる可能性はあります。本当に天涯孤独の人は意外と少ないです。相続人に該当することを知らない場合もありますし、存在自体に気付いていない可能性もあります。

生前から特別縁故者制度を当てにするのは危険なので、可能であれば相続対策を取ってもらってください。もちろん、遺言書を書いてもらうのが一番確実です。

ただし、遺言書を書くかどうかは、本人の意思によります。絶対に書かない人も存在します。

あなたに出来ることは、特別縁故者と認められやすいように、証拠を残しておくことになります。相続人が存在しなくても、特別縁故者と認められなければ意味がないからです。

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