任意後見契約は公正証書で作成しなければ成立しない

任意後見契約は公正証書で作成しなければ、成立しないのはご存知でしょうか。

任意後見契約の締結方法は、法律により公正証書と決まっています。

公正証書は公証人が作成するので、自分たちで作成するわけではありません。

今回の記事では、任意後見契約と公正証書について説明しているので、任意後見契約を検討しているなら参考にしてください。

1.任意後見契約の締結方法は決まっている

任意後見契約の締結方法は、法律により決められています。

(任意後見契約の方式)
第三条 任意後見契約は、法務省令で定める様式の公正証書によってしなければならない。

出典:e-Govウェブサイト(任意後見契約に関する法律3条)

任意後見契約は公正証書で作成しなければ成立しません。

公正証書
公証人がその権限において作成する公文書のこと
公証人
国の公務である公証事務を担う公務員のこと

任意後見契約を締結するには、公証人に任意後見契約書を作成してもらう必要があります。

任意後見契約は口頭では不成立

当然ですが、口頭や私文書(自分で作成した書面)では、任意後見契約は不成立となります。

 

2.公正証書を作成するのに公証人手数料が必要

公証人に公正証書を作成してもらうには、公証人手数料が必要となります。

任意後見契約の公証人手数料は、1契約につき1万1,000円と決められています。

任意後見契約公正証書の手数料は、1契約につき1万1000円、それに証書の枚数が法務省令で定める枚数の計算方法により4枚(法務省令で定める横書の証書にあっては、3枚)を超えるときは、超える1枚ごとに250円が加算されます。報酬の定めがある場合でも、契約の性質上、目的価額は算定不能となるので、手数料令16条により1万1000円になります。

出典:日本公証人連合会のホームページ(手数料)

任意後見人の報酬を定めている場合でも、公証人手数料は1万1,000円です。

ただし、任意後見契約を結ぶ際に必要な費用は、公証人手数料以外にも存在します。

  • 登記嘱託手数料(1,400円)
  • 印紙代(2,600円)
  • 郵便切手代(約600円)
  • 正本謄本の作成料(1枚250円)

任意後見契約書を作成するのに、約2万2,000円ぐらいかかります。
*契約書の枚数により違います。

 

3.任意後見契約書の作成手続の流れ

公証人に任意後見契約書を作成してもらう場合、以下のような流れになります。

  1. 任意後見契約の内容を考える
  2. 公証役場に連絡して文案を提出
  3. 公証役場にて任意後見契約書を作成

3-1.任意後見契約の内容を考える

まずは、任意後見契約の内容を考えます。

任意後見契約の内容を考えるとは、委任する代理権の範囲を決めるということです。

自分たちで調べて決めても良いですし、専門家に相談しながら決めても良いです。

3-2.公証役場に連絡して文案を提出する

任意後見契約書の文案が完成したら、公証役場に連絡して文案を提出します。公証役場に管轄はないので、どこの公証役場でも問題ありません。

公証人が文案を確認して、内容に問題があれば修正していきます。

文案の確認が済めば、作成日を予約することになります。

3-3.公証役場にて任意後見契約書を作成する

任意後見契約書の作成当日は、2人で公証役場に行きます。

必要書類としては以下があります。

  • 本人の戸籍謄本
  • 本人の住民票
  • 本人の印鑑証明書(免許証など)
  • 受任者の住民票
  • 受任者の印鑑証明書(免許証など)

上記書類は発行後3ヶ月以内となります。

任意後見契約書の作成が終われば、本人と受任者それぞれに任意後見契約書の謄本が渡されます。

 

4.任意後見契約書を作成する際の注意点

任意後見契約書を作成する際の注意点を3つ説明します。

  • 判断能力が低下していると診断書が必要
  • 公正証書遺言とは違い証人は不要
  • 契約書の作成と効力発生は別もの

4-1.判断能力の低下を疑われると診断書が必要になる

任意後見契約も通常の契約と同じく、成立には判断能力が必要です。

本人の判断能力が低下していると、公証人から診断書の提出を求められます。

診断書の内容によっては、任意後見契約書の作成を断られます。

4-2.公正証書遺言とは違い証人は不要です

公正証書で作成する書面には公正証書遺言もあります。

ただし、公正証書遺言とは違い、任意後見契約に証人は不要です。

証人が必要だと勘違いして、任意後見契約を諦めないように気をつけてください。

4-3.契約書の作成と効力発生は別もの

任意後見契約書を作成しても、任意後見契約の効力が発生するわけではありません。

任意後見契約の効力発生には2つの要件があります。

  • 判断能力の低下
  • 任意後見監督人の選任申立て

上記2つを満たさなければ、任意後見契約の効力は発生しません。

 

5.さいごに

任意後見契約は公正証書で作成しなければ、有効に成立しません。

たとえ契約書の内容に問題が無かったとしても、公正証書で作成していなければ何の効力も発生しません。

公正証書は公証役場で勤務している、公証人が作成してくれます。

公証人手数料は1万1,000円です。その他の費用と合わせて約2万2,000円が必要となります。

まずは、任意後見契約の文案を考えることから始めましょう。

任意後見契約は元気な間しか結べないので、後見に希望があれば早めにご利用ください。

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