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任意後見人の報酬額も当事者が決める【報酬の相場】

任意後見人の報酬
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任意後見人の報酬は当事者が自由に決めれます。

家族を任意後見人にするなら無報酬も可能ですが、専門家に依頼する場合は事務所ごとに報酬が違います。

任意後見人の報酬も契約の一部なので、任意後見公正証書に記載する必要があります。

今回の記事では、任意後見人の報酬について説明しているので、任意後見を検討しているなら参考にしてください。

1.任意後見人の報酬額は自由に決めれる

任意後見人の報酬額は自由に決めることができます。

ただし、任意後見契約の中で報酬額を決めておく必要があります。

1-1.任意後見人の報酬額は契約で定める

任意後見契約は公正証書で作成するのが条件なので、任意後見人の報酬額も契約書に記載する必要があります。

契約書には基本報酬額だけでなく、報酬額の変更条件や特別報酬についても記載可能です。

ちなみに、任意後見人の報酬を無報酬にする場合でも、契約書には無報酬であると記載してください。報酬額についての記載が無ければ、公証人から指摘されます。

1-2.任意後見人が家族でも報酬は設定できる

一般的には、家族と任意後見契約を結ぶ場合、無報酬とすることが多いでしょう。

ですが、任意後見人を家族にする場合でも、報酬額を設定することは自由です。

任意後見人の仕事は決して楽ではないので、少額であっても設定する意味はあります。

 

2.任意後見人の報酬額には相場がある

任意後見人を専門家に依頼する場合は、家族とは違い報酬が必要になります。

専門家の報酬額は事務所により違いますが、報酬額の相場を知っておくことはできます。

なぜかというと、専門家は成年後見人の報酬額を目安に設定しているからです。

成年後見人の報酬額は家庭裁判所が決めるのですが、管理財産額により判断しています。

成年後見人の報酬額
管理財産額 報酬額(月額)
1,000万円以下 2万円
1,000万円超
5,000万円以下
3万円~4万円
5,000万円超 5万円~6万円

各事務所は成年後見人の報酬額を参考にして、任意後見人の報酬額を決めています。

ただし、あくまでも参考にしているだけなので、相場より高い報酬額の事務所も存在します。

 

3.任意後見人の報酬はいつから支払うのか?

任意後見契約を結んだ時点では、任意後見人の報酬は発生しません。

では、いつから報酬を支払うのかというと、任意後見契約の効力が発生してからです。

3-1.任意後見人が就任してから報酬を支払う

任意後見受任者が任意後見人に就任するのは、任意後見契約の効力が発生してからです。

したがって、任意後見人に報酬を支払うのも、任意後見契約の効力発生後になります。

報酬の支払い時期に関しては、任意後見契約で決めておきます。

3-2.報酬の支払い日も契約書に記載する

報酬の具体的な支払い日については、任意後見契約書に記載しておく必要があります。

以下は、報酬の支払い日に関する記載例です。

任意後見契約公正証書

(報酬)
第〇条 甲は、本契約の効力発生後、乙に対して、本件後見事務処理に対する報酬として毎月末日に金〇万円を支払うものとし、乙は、その管理する甲の財産から支払いを受けることができる。

※甲=委任者、乙=任意後見人

報酬の支払い日をいつにするかは、当事者が契約で自由に決めれます。

 

4.任意後見人の報酬に関する注意点

任意後見人の報酬に関する注意点も確認しておいてください。

4-1.任意後見人の報酬に助成金の付与はない

成年後見人の申立て費用や報酬については、一定の要件を満たす人に助成金の付与があります。

成年後見を必要とする人が、金銭を理由に利用できなくなるのを防ぐためです。

ですが、任意後見に関しては、申立て費用や報酬についての助成金はありません。

任意後見人の報酬額を決める際は、支払える金額になっているか注意してください。

4-2.任意後見人の報酬が支払えないとどうなる?

専門家が任意後見人に就任した後で、財産額の減少により報酬が支払えなくなった場合です。

任意後見契約の効力発生後は正当な事由がなければ、任意後見契約を解除することはできません。

ただし、契約で定めた報酬が支払えないのは、正当な事由に該当すると考えられます。

任意後見契約を解除した後は、成年後見人の選任申立てをします。

 

5.さいごに

任意後見人の報酬額は自由に決めることができます。

専門家に依頼する場合は各事務所により報酬額が違うので、前もって確認しておきましょう。

また、家族に依頼する場合でも、契約で報酬を定めることは可能です。

任意後見人の報酬を支払うのは、契約の効力が発生してからになります。報酬の支払い日をいつにするかも、任意後見契約で定めておいてください。