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遺産分割協議に相続人以外が参加することはあるのか?

遺産分割協議に相続人以外が参加
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遺産分割協議には相続人全員が参加する必要があります。

では、遺産分割協議に相続人以外が参加することはあるのでしょうか。

結論から言えば、相続人以外が遺産分割協議に参加することはあります。

  • 相続人の法定代理人
  • 包括受遺者
  • 相続分の譲受人

上記の人は、相続人と一緒に遺産分割協議に参加する必要があります。

遺産分割協議の参加者を間違えて除外すると、遺産分割協議は不成立となるので注意してください。

今回の記事では、遺産分割協議と相続人以外の関係について説明しているので、遺産分割協議の参考にしてください。

目次

  1. 原則として遺産分割協議に相続人以外は参加しない
    1. 相続人以外が参加すると遺産分割協議の効力はどうなるのか?
    2. 相続人以外が遺産分割協議書に署名捺印すると作り直し
  2. 相続人以外が遺産分割協議に参加する3つのケース
    1. 相続人の法定代理人は遺産分割協議に参加する
    2. 包括受遺者は相続人と同じ扱いなので遺産分割協議に参加する
    3. 相続人から相続分の譲渡を受けた人も遺産分割協議に参加する
  3. 相続人であっても遺産分割協議に参加しないケース
    1. 相続放棄した相続人は遺産分割協議に参加しない
    2. 相続分の譲渡をした相続人は遺産分割協議に参加しない
    3. 相続人が遺産分割協議の参加を弁護士に依頼
  4. さいごに

1.原則として遺産分割協議に相続人以外は参加しない

原則として、遺産分割協議に相続人以外が参加することはありません。

遺産分割協議とは、亡くなった人の相続財産について、相続人全員で話し合って相続財産の分配を決める手続きだからです。

1-1.相続人以外が参加すると遺産分割協議の効力はどうなるのか?

勘違いにより相続人以外が参加して遺産分割協議が成立した場合、遺産分割協議の効力は効力はどうなるかご存知でしょうか。
※相続人は全員参加しています。

原則として、相続人以外の人が遺産分割協議に参加しても、遺産分割協議は有効に成立します。

ただし、例外もあるので注意は必要です。

相続人以外の人が取得した部分は無効になる

相続人全員が参加している以上、遺産分割協議全体が無効になるわけではなく、相続人以外の人が取得した部分だけ無効になります。

相続人でない以上、遺産分割協議により相続財産を取得することはできないので、一部だけを無効にするという考えです。

無効になった一部については、相続人全員で遺産分割協議を行って取得者を決めます。

相続人以外の参加が遺産分割協議に与えた影響が大きい

相続人以外の参加が遺産分割協議に与えた影響が大きければ、遺産分割協議全体が無効になります。

相続人以外の人が遺産分割協議に参加していなければ、遺産分割協議の内容が大きく異なる場合は、遺産分割協議全体を無効にするという考えです。

遺産分割協議は無効なので、相続人全員で遺産分割協議をやり直しましょう。

1-2.相続人以外が遺産分割協議書に署名捺印すると作り直し

相続人以外の人が遺産分割協議書に署名捺印しても、相続人同士の間では問題ありません。

ですが、相続手続きで遺産分割協議書を使用する場合は、相続人以外の署名捺印があると問題になるかもしれません。

相続手続きの相手方(銀行や法務局)の考えによりますが、おそらく遺産分割協議書の作り直しになるはずです。

余計な手間を発生させないためにも、遺産分割協議書には相続人だけが署名捺印してください。

 

2.相続人以外が遺産分割協議に参加する3つのケース

相続人以外の人が、遺産分割協議に参加するケースは3つあります。

  • 相続人の法定代理人が参加する
  • 包括受遺者が参加する
  • 相続分の譲受人が参加する

上記の人は、遺産分割協議に参加する権利を有しているので、除外すると遺産分割協議が成立しません。

2-1.相続人の法定代理人は遺産分割協議に参加する

相続人の中に未成年者や被後見人がいる場合、法定代理人(親権者や後見人)が遺産分割協議に参加します。

なぜなら、未成年者や被後見人は財産に関する法律行為を単独ではできないからです。

法定代理人が本人に代わって遺産分割協議に参加し、遺産分割協議書にも署名捺印します。

ただし、未成年者や被後見人と法定代理人が利益相反に該当する場合は、特別代理人等が必要になるので注意してください。

2-2.包括受遺者は相続人と同じ扱いなので遺産分割協議に参加する

亡くなった人が遺言書で包括遺贈をしていた場合、包括遺贈の内容によっては包括受遺者も遺産分割協議に参加します。

なぜなら、包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有しているので、相続人と一緒に遺産分割協議する権利義務も有しているからです。

例えば、亡くなった人の相続人がAとBの2人で、Cが遺言書により2分の1を包括遺贈されている場合です。

遺産分割協議の参加者はA・B・Cの3人なので、Cを除外して遺産分割協議をしても無効になります。

包括遺贈の内容によって、遺産分割協議の有無や参加者が変わるので、遺贈をする際は気を付けてください。

2-3.相続人から相続分の譲渡を受けた人も遺産分割協議に参加する

相続人が相続人以外に相続分の譲渡をした場合、相続分の譲受人も遺産分割協議に参加します。

相続分の譲渡
自分の相続分を譲渡すること

相続分の譲渡をする相手は相続人以外も可能なので、譲受人が相続人以外であっても遺産分割協議に参加する権利を有します。

ただし、共同相続人は相続分の取戻権を有しているので、対価を支払うことで相続人以外から相続分を取り戻すことは可能です。

相続人以外に相続分を譲渡することは少ないですが、相続人同士の仲が悪いと譲渡する可能性はあります。

相続人以外の人も遺産分割協議に参加する

 

3.相続人であっても遺産分割協議に参加しないケース

相続人であっても遺産分割協議に参加しないケースがあります。

  • 相続人が相続放棄した
  • 相続分の譲渡をした
  • 相続人が弁護士に依頼した

それぞれ簡単に説明します。

3-1.相続放棄した相続人は遺産分割協議に参加しない

相続人が相続放棄すると、初めから相続人ではなかったとみなされます。

したがって、相続放棄した相続人は遺産分割協議に参加しません。

亡くなった人と疎遠だった相続人の中には、相続手続きに関わりたくないので相続放棄する人もいます。遺産分割協議に参加したくなければ、相続放棄も検討してみてください。

3-2.相続分の譲渡をした相続人は遺産分割協議に参加しない

相続分の譲渡をした相続人は、遺産分割協議に参加しません。

【2-3.相続人から相続分の譲渡を受けた人も遺産分割協議に参加する】で説明したとおり、相続分の譲受人が遺産分割協議に参加します。

遺産分割協議に関わりたくなければ、他の相続人や第3者に相続分を譲渡することで、遺産分割協議の参加者ではなくなります。

3-3.相続人が遺産分割協議の参加を弁護士に依頼

遺産分割協議の参加者は、弁護士に代理を依頼することも可能です。弁護士を代理人にした場合は、弁護士が遺産分割協議に参加します。

相続人同士の仲が悪ければ、遺産分割協議の段階で弁護士に依頼するケースもあります。

ただし、遺産分割協議に弁護士が登場すると、他の相続人からのイメージは悪くなるので、遺産分割訴訟等を前提にしている人以外はお勧めしません。

相続人同士の話し合いで解決できないなら、弁護士に遺産分割協議も代理してもらいましょう。

相続人であっても遺産分割協議に参加しない

 

4.さいごに

今回の記事では「遺産分割協議と相続人以外の関係」について説明しました。

原則として、遺産分割協議には相続人しか参加しません。

ただし、相続人の法定代理人や包括受遺者等が、遺産分割協議に参加することはあります。

相続人であっても、相続放棄や相続分の譲渡をすると遺産分割協議には参加しません。

遺産分割協議の参加者を間違えて除外してしまうと、遺産分割協議は不成立になるので注意してください。