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同性婚と医療機関|相手を納得させるには準備が必要

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同性カップルにとって医療機関は、「付き添いを断られる」「治療の説明が受けられない」「手術の同意ができない」など悪いイメージが多いのではないでしょう。

医療機関は患者さんの個人情報を扱うので、どうしても法律上の家族以外に厳しくなります。

ですが、本人の口から「家族よりも優先してほしい」と聞けば、医療機関も対応しやすくなります。

今回の記事では、同性カップルと医療機関について説明しているので、しっかりと確認しておいてください。

目次

  1. 治療の説明や入院時の付き添い
    1. 本人の意思が優先される
    2. 意思表示の方法
  2. 手術の同意に法的根拠はない
  3. 同性パートナーが死亡診断書を受け取るのは大変
    1. 火葬許可証を貰うのに必要
    2. 生命保険金の受取に必要
    3. 死亡診断書を受け取るための対策
  4. さいごに

1.治療の説明や入院時の付き添い

同性パートナーが治療方法の説明を聞けないや、入院時の付き添いを断られる等の話を耳にしたことがあると思います。
あるいは、実際に嫌な思いをされた方がいるかもしれません。

そもそも、同性パートナーが説明を聞いたり、付き添いをすることの何がダメなのでしょうか。少なくとも法律上で禁止にしているわけではないです。

病院の内部ルールで決めているのなら、法改正が必要なわけではないので、対策を取っていれば何とかなりそうです。

1-1.本人の意思が優先される

治療方法の説明や入院時の付き添いを、家族に頼みたくない人は当然います。なぜなら、家族と疎遠であったり、仲が悪い人はいるからです。

家族だからといって、治療方法の説明を聞く権利があるわけではないです。本人の意思が優先されます。

医療機関に対して「家族とは疎遠なので、説明や付き添いは別の人にお願いします」と意思表示をすることが大事です。カミングアウトしていない場合は、親友として医療機関に説明するでも構わないです。

1-2.意思表示の方法

本人が医療機関に説明するのも大事ですが、書面で具体的に委任事項や代理事項等を定めておくことも重要です。

本人の意識がない場合は、同性パートナーが書面等で医療機関を納得させる必要があります。納得させることができなければ、医療機関は第三者に個人情報を教えないでしょう。

同性パートナーシップ合意契約書等の取り決め事項で、医療関係の項目を設定する人も多いです。作成する場合は専門家に相談してみてください。

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2.手術の同意に法的根拠はない

手術の同意に関しては、根本的な問題があります。

手術の同意をする権利は、誰にも認められていません。本来は家族であっても同意できないはずです。

医療機関が家族に同意を求めるのは、リスクヘッジの意味合いがあります。万が一手術が失敗して亡くなると、損害賠償請求をするのは相続人だからです。医療機関の対策として家族から同意を取っています。

同性パートナーが同意書に署名できないのは、リスクヘッジにならないからです。何かあれば家族は医療機関に損害賠償請求をするでしょう。

手術の同意をする権利が誰にもない以上は、本人の意思表示が重要です。書面等でしっかりと手術の同意に関することを、同性パートナーに託しておきます。医療機関が従う保障はないですが、できる限りの準備をしておいて損はないです。

前もって同性パートナーに配慮してくれる、医療機関を探しておくことも有効です。ホームページ等にLGBTの患者さんへの、対応方針等を記載している病院もあります。

 

3.同性パートナーが死亡診断書を受け取るのは大変

同性パートナーが亡くなった後にも、医療機関が関係してきます。亡くなったことを証明する死亡診断書の受取です。

同性カップルで一緒のお墓に入る場合や、生命保険金の受取に死亡診断書が関係します。

3‐1.火葬許可書を貰うのに必要

役所で火葬許可証を貰う際に、死亡診断書が必要です。

同性パートナーと一緒のお墓に入るには、遺骨を確実に手元に置く必要があります。
ですので、火葬も自分が主導して行う方が確実です。

事実婚の相手や同性パートナーが、亡くなった人の家族から遺骨を渡して貰えなかったという話を、ニュース等で目にすることがあります。

同性カップルで一緒のお墓に入るには、死亡診断書を受け取ることが大事です。

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3‐2.生命保険金の受取に必要

生命保険金の受取申請をする際に、死亡診断書が必要になります。

生命保険会社によっては、同性パートナーが死亡診断書を受け取れなかった場合は、別途相談してください等の記載があります。

生命保険契約を結ぶ際に、死亡診断書についても確認しておきましょう。

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3‐3.死亡診断書を受け取るための対策

入院する際に医師に意思表示を明確にするや、死後事務委任契約で死亡診断書の受取を同性パートナーに委任しておく等の対策が考えられます。もちろん、口約束ではなく、可能であれば公正証書で作成する方が安全です。

対策を講じていない場合、医療機関は同性パートナーに死亡診断書を渡さないでしょう。

医療機関よってはホームページ等で、死亡診断書を請求できる人を記載しています。

家族以外の受取について条件等を記載している医療機関もあるので、あらかじめホームページなどはチェックしておいた方が良いです。

確実に渡して貰う方法はないですが、受け取るための準備はしておく必要があります。

 

4.さいごに

同性パートナーの死亡診断書を受け取るのは大変です。

同性パートナーだからといって、無条件で渡してはくれません。医療機関は個人情報の取扱いに対して、とても厳しいです。

医療機関を納得させるためにも、あらかじめ準備をしておいた方が良いです。

意思表示ができるうちに意思表示しておく、医療機関が求める書類を用意しておく、できることは何でもしておきましょう。