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【失踪宣告の効果と影響】何が起きるのか6つの事項を説明

失踪宣告の効果
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失踪者に対する失踪宣告には、主に6つの効果があります。

  • 死亡とみなされる
  • 失踪者の相続発生
  • 共同相続人の変更
  • 生命保険金の請求
  • 遺族年金の支給
  • 婚姻関係の消滅

一番大きな効果は、失踪者が死亡とみなされるです。

そして、失踪者の死亡により、さまざまな効果が発生します。

今回の記事では、失踪宣告の効果について、6つの事項を説明するので確認しておいてください。

目次

失踪宣告の効果(1)失踪者の死亡

1つ目の効果は、失踪宣告により失踪者が死亡とみなされるです。

失踪宣告の効果で一番重要であり、その他の効果は死亡が原因となります。

1-1.失踪者は死亡とみなされる

失踪宣告の審判が確定すると、失踪者の死亡が確認できなくても、死亡とみなされます。

「死亡とみなす」と「死亡」は、法律上同じ扱いです。

したがって、失踪者の失踪宣告が認められると、死亡による効果も発生します。

1-2.失踪届の提出義務が発生する

失踪届の提出者は失踪宣告の申立人

失踪宣告の審判が確定すると、申立人には失踪届の提出義務が発生します。

市役所等に失踪届を提出しなければ、戸籍に死亡が記載されないです。

相続手続きを進めるには、戸籍に死亡記載が必要なので、忘れずに失踪届を提出してください。

1-3.失踪者の権利能力には影響しない

失踪宣告されても失踪者の日常生活に影響なし

失踪宣告の効果により死亡とみなされても、失踪者の権利能力には影響しません。

したがって、法律上は死亡なのですが、日常の買い物などは今までどうり可能です。

戸籍や住民票を必要としていない生活をしていれば、失踪者は失踪宣告に気付きにくいでしょう。

失踪宣告の効果(2)失踪者の相続発生

失踪宣告の効果により相続発生

2つ目の効果は、失踪宣告により相続が発生するです。

相続の発生要件は死亡なので、失踪宣告による死亡でも発生します。

2-1.死亡とみなされた日に相続開始

失踪者の相続開始日は、死亡とみなされた日です。

間違えやすいのですが、「申立日」や「審判確定日」ではありません。

したがって、失踪者の生死不明が長期間だと、相続開始日が何年(何十年)も前になります。

失踪者の相続人を確認する際は、死亡とみなされた日で判断してください。

2-2.相続税の期限は審判確定を知ってから

失踪宣告の効果により相続が発生した場合でも、相続税は課税されます。

ただし、相続税の申告・納付期限が、通常の相続とは違います。

通常の相続では、死亡を知った日から10ヶ月以内です。

一方、失踪宣告による相続では、審判確定を知った日から10ヶ月以内です。死亡とみなされた日は関係ありません。

失踪者の相続財産によっては、相続税も課税されるので気を付けてください。

2-3.失踪宣告でも相続放棄は可能

失踪宣告の効果により相続が発生した場合でも、相続放棄は自由に選べます。

たとえ失踪宣告の申立人であっても、相続は強制できません。

失踪宣告の審判確定を知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所へ申述書を提出してください。

何もしなければ、3ヶ月経過により相続は確定します。

失踪宣告の効果(3)共同相続人の変更

失踪宣告の効果により相続人が変更

3つ目の効果は、失踪宣告により相続人が変更するです。

失踪者が共同相続人だった場合、失踪宣告により相続人が変わります。

  • 失踪者の死亡日が被相続人よりも前
  • 失踪者の死亡日が被相続人よりも後

どちらに該当するかで、相続人が違います。

3-1.失踪者の死亡日が被相続人より前

失踪者の死亡とみなされた日が、被相続人より前だった場合です。

失踪者に子どもがいれば、代襲相続により相続人となります。

一方、失踪者に子どもがいなければ、失踪者は相続と無関係です。

3-2.失踪者の死亡日が被相続人より後

失踪者の死亡とみなされた日が、被相続人より後だった場合です。

失踪者に相続人(子ども以外も含む)がいれば、数次相続により相続人となります。

一方、失踪者に相続人がいなければ、遺産分割協議等をするのに相続財産清算人が必要です。

失踪宣告の効果(4)生命保険金の支払い

失踪宣告の効果により生命保険金も請求できる

4つ目の効果は、失踪宣告により生命保険金が支払われるです。

失踪宣告による死亡であっても、支給事由に該当するので、生命保険金を請求できます。

4-1.生命保険契約が継続している

失踪宣告の効果により生命保険金を請求するには、生命保険契約の継続が条件となります。

行方不明になって以降、保険料を支払っていなければ、契約は保険会社から解約されます。

そして、生命保険契約が解約されると、死亡とみなされても生命保険金は請求できません。

失踪宣告により生命保険金を受け取るつもりなら、保険料の支払いを続けてください。

4-2.団体信用生命保険でも支払われる

失踪者が団体信用生命保険の加入者だった場合、失踪宣告の効果により住宅ローンも支払えます。

ただし、死亡とみなされるまでは、住宅ローンの支払いが必要です。

失踪宣告により不動産の所有権も移転するので、相続登記も忘れずに申請してください。

失踪宣告の効果(5)遺族年金の支給

失踪宣告の効果により遺族年金が支給

5つ目の効果は、失踪宣告により遺族年金が支給されるです。

失踪宣告による死亡であっても、支給要件を満たしていれば、遺族年金は支給されます。

5-1.支給要件の判断日が通常とは違う

失踪宣告の効果により遺族年金が支給されるには、支給要件を満たす必要があります。

ただし、通常の死亡とは判断日が違うので、確認する際は注意してください。

行方不明になった日死亡とみなされた日
生計維持関係身分関係
保険料納付要件年齢
被保険者の資格障害の状態
支給要件の判断日

生計維持関係・保険料納付要件・被保険者の資格は、行方不明になった日で判断します。

一方、身分関係・年齢・障害の状態は、死亡とみなされた日で判断します。

失踪宣告による遺族年金は複雑なので、支給要件を間違えないようにしてください。

5-2.死亡とみなされる日から時効スタート

失踪宣告の効果により遺族年金が支給される場合でも、時効により消滅している部分は請求できません。

死亡とみなされた日の翌日から時効はスタートするので、失踪宣告が認められた時点で時効消滅している部分はあります。

生死不明が長期間だったしても、請求できる期間は限られています。

失踪宣告の効果(6)婚姻関係の消滅

失踪宣告の効果により婚姻関係消滅

6つ目の効果は、失踪宣告により婚姻関係が消滅するです。

失踪者が配偶者であれば、配偶者の死亡により婚姻関係は消滅します。

6-1.婚姻関係が消滅するので再婚も可能

配偶者の死亡で婚姻関係の消滅

失踪宣告の効果により婚姻関係が消滅すると、再婚も可能になります。

仮に、失踪者(配偶者)が生存していても、再婚当事者が善意(生存を知らなかった)であれば、再婚は有効です。

ただし、配偶者から相続した財産は返還する必要があるので、失踪者が生存していた場合は注意してください。

6-2.生存配偶者は婚姻前の名字に戻せる

婚姻により失踪者(配偶者)の名字(氏)に変えている人は、婚姻前の名字に戻すこともできます。

以下は、民法の条文です。

(生存配偶者の復氏等) 第七百五十一条 夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者は、婚姻前の氏に復することができる。
出典:e-Govウェブサイト(民法751条1項)

あくまでも、戻すことができるなので、何もしなければ名字は変わりません。

婚姻前の名字に戻したい場合は、失踪宣告の審判確定から3ヶ月以内に復氏届を提出してください。

6-3.失踪宣告の効果では離婚にならない

失踪宣告で婚姻関係は消滅するが離婚にならない

失踪宣告により婚姻関係は消滅しますが、離婚ではありません。

あくまでも、死別による婚姻関係の消滅です。失踪者と離婚したい場合は、失踪宣告ではなく離婚訴訟をしてください。

ただし、離婚訴訟の場合、死亡を原因とする法律行為は発生しないので、どちらを選ぶかは慎重に判断しましょう。

まとめ

今回の記事では「失踪宣告の効果」について説明しました。

失踪宣告による主な効果は6つあります。

  • 死亡とみなされる
  • 失踪者の相続発生
  • 共同相続人の変更
  • 生命保険金の請求
  • 遺族年金の支給
  • 婚姻関係の消滅

失踪宣告により、失踪者は死亡とみなされます。

そして、死亡により相続も発生しますし、生命保険金や遺族年金も支払われます。

失踪者が配偶者であれば、婚姻関係の消滅により、生存配偶者は婚姻も可能です。

失踪宣告すると、さまざまな効果が発生するので、前もって確認しておいてください。

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