死後事務委任契約を利用されている人が増えています。また、興味があって調べている人も増えています。
どのような場合に死後事務委任契約を利用されているのでしょうか。
代表的な7つのケースを紹介しますので、ご検討されている場合は参考にしてください。
1.独身(1人暮らし)
死後事務委任契約を利用することが、1番多いケースだと思います。
生涯未婚であった人だけではなく、配偶者が亡くなっている人も当てはまります。
自分が亡くなった後の賃貸物件の解約や遺品の整理、電気・水道・ガス・電話等の解約手続き等を委任することが多いです。
離れて暮らしている親族がいるかどうかでも、委任する内容に違いがあります。
独身の場合は相続対策も重要です。
『独身の相続|相続順位と亡くなった後の相続手続』を参考にしてください。
2.親族が遠方に住んでいる
親族が遠方に住んでいると、あなたが亡くなったことを知ってもすぐに駆け付けれるとは限りません。
そのため、すぐに行わなければならないことだけ、死後事務として委任している人もいます。
たとえば、リストアップしておいた知人等への連絡。
あるいは、決めておいた葬儀会社への連絡等が考えられます。
遠方に住んでいる親族がするには手間や労力がかかるので、あらかじめ手配しておくことも重要です。
親族が飛行機を利用しなければならない地域に住んでいる場合は、天候によっては駆け付けるのに数日はかかることに注意しましょう。
3.親族が高齢である
死後事務をすべてこなすには、時間と労力が必要となります。
ですので、兄弟等の親族が近くに住んでいても、すでに高齢になっている場合は厳しいかもしれません。
そのような場合に、体力的な負担をかけないように、面倒な死後事務だけ委任することも可能です。
たとえば、遺品整理等は数日かかることもあるので、業者等とあらかじめ契約しておくことも考えておきましょう。
4.親族と疎遠になっている
親族がいても疎遠になっていて、死後事務を頼みたくない場合があります。
あるいは、金銭で第3者に頼むほうが気が楽なのかもしれません。
自分が亡くなった後に、疎遠な親族に遺品等を見られるのを嫌がる人もいます。
そのような場合には、あらかじめ死後事務委任契約を結んでおきましょう。
5.葬儀・納骨等に希望がある
自分の葬儀や納骨等に希望がある場合は、死後事務委任契約を結んでおく方が安全です。
近年、海や山での散骨等を希望する人が増えています。
しかしながら、親族が希望に沿って行ってくれるとは限りません。
理由としては、高齢のため難しいや時間が確保できない等が考えられます。
第3者と死後事務委任契約を結ぶことにより、責任を持って行ってもらえます。
6.事実婚
法律上の婚姻関係ではなく、いわゆる事実婚の場合は死後事務委任契約は重要です。
事実婚の配偶者が亡くなっても、当然に死後事務ができるわけではないです。
ですので、お互いに死後事務を委任しておく必要があります。
特に、相続で法定相続人と揉めそうな場合は、死後事務でも揉める可能性が高いので準備をしておきましょう。
事実婚の相続については『事実婚の配偶者に知ってほしい相続対策|子どもの相続にも関係する』で説明しております。
7.同性婚
同性カップルは、現時点では法律上の婚姻関係になることができません。
したがって、死後事務委任契約を結んでおかなければ、パートナーの死後手続きをすることが困難になります。
事実婚のケースと同じですが、相続で揉めそうな場合は死後事務でも揉めます。
実際に死亡診断書の受取や遺骨の受取等では、親族と揉めるケースは珍しくないです。
同性パートナーは不安定な立場なので、しっかりと準備をしておくべきです。
8.さいごに
死後事務委任契約を結んでいる理由としては、「親族が近くに住んでいない」「親族が高齢である」「揉める可能性がある」など、人により様々です。
遺言書等の相続対策だけではなく、死後事務にも気を付けておかなければなりません。
相続対策等を専門家に相談する際に、死後事務についても聞いておくことをお勧めします。