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【認知後の入籍】母親とは別に子どもの入籍届を提出

認知後の入籍
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父親が子どもを認知した後に入籍するなら、子どもの入籍も忘れずに行いましょう。

婚姻により母親が父親の戸籍に入籍しても、子どもは母親の戸籍に残ったままです。

子どもを父親の戸籍に入籍させるには、母親とは別に入籍届を提出する必要があります。

今回の記事では、認知後の入籍について説明しているので、認知された子供がいるなら参考にしてください。

1.子どもの認知後に入籍すると嫡出子になる

父親が胎児認知または通常認知をすることにより、法律上の父子関係は発生します。

ですが、認知の有無に限らず、婚姻関係にない男女の間に生まれた子どもは非嫡出です。

父親が認知をしたからといって、子どもが嫡出子になるわけではありません。

ただし、認知後に父母が婚姻すると、子どもは嫡出子となります。

以下は、民法の条文です。

(準正)
第七百八十九条 父が認知した子は、その父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得する。

出典:e-Govウェブサイト(民法789条)

「父親の認知」と「父母の婚姻」により、婚姻関係にある男女の間に生まれた子どもと実質的に同じなので、嫡出子の身分を取得します。

父母の婚姻により嫡出の準正

子どもが非嫡出子として生まれても、父母が婚姻すれば嫡出子になるのでご安心ください。

1-1.嫡出子と非嫡出子の法定相続分は同じ

かつては嫡出子と非嫡出子で法定相続分が違いました。

ですが、判決により違憲と判断され、法改正により法定相続分は同じになっています。

非嫡出子だからといって、相続で損をすることはありません。

1-2.父母の入籍後に認知しても嫡出子になる

父親の認知と父母の婚姻が揃えば嫡出子

「父親の認知」と「父母の婚姻」は順序が逆であっても、子どもは嫡出子となります。

母親が子供を出産した後に父親と婚姻して、婚姻後に父親が子どもを認知しても嫡出子です。

父親が認知する前に婚姻しても、子どもは嫡出子になれるのでご安心ください。

 

2.認知後に母親が入籍しても子どもは戸籍に残る

認知後に父母が婚姻すると嫡出子になるのですが、何もしなければ子どもだけが戸籍に残ります。

なぜかというと、母親は婚姻による入籍で父親の戸籍(新戸籍)に移るのですが、子どもは元の戸籍に残るからです。

母親は婚姻により入籍する

あくまでも、婚姻により入籍するのは母親なので、子どもは父親の戸籍に移りません。

また、母親は父親の氏に変わりますが、子どもは母親の氏のままです。

子どもを父親の戸籍に移すには、母親とは別に入籍の手続きが必要です。

 

3.父母の婚姻後に父母の氏を称する入籍届

父母の婚姻により母親が父親の戸籍に入籍すると、父母の氏と子どもの氏が異なることになります。

氏の変更
父母の婚姻前 父母の婚姻後
父親 父親の氏 父親の氏
母親 母親の氏 父親の氏
子ども 母親の氏 母親の氏

通常、子どもの氏を父(母)に変更するには、家庭裁判所の許可が必要です。

ですが、父母が婚姻中であれば、家庭裁判所の許可は不要になります。

以下は、民法の条文です。

(子の氏の変更)
第七百九十一条 子が父又は母と氏を異にする場合には、子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができる。
2 父又は母が氏を改めたことにより子が父母と氏を異にする場合には、子は、父母の婚姻中に限り、前項の許可を得ないで、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父母の氏を称することができる。

出典:e-Govウェブサイト(民法791条2項)

「戸籍法の定めるところにより届け出る」とは、父母の氏を称する入籍届のことです。

父母の氏を称する入籍

父母の氏を称する入籍届を提出することで、子どもは父親の戸籍に移りますし、子どもの氏も父親の氏に変わります。

3-1.子どもが15歳未満なら親権者が届出

父母の氏を称する入籍届は、子どもが15歳未満なら親権者が代わりに届出ます。

一方、子どもが15歳以上なら、子ども自身が届出人となります。

入籍届を提出する際に必要な戸籍謄本は、当事者の本籍地がどこにあるかで変わるので、前もって市役所等の窓口で確認しておきおましょう。

 

4.父親が母親の氏を称するなら子どもの入籍は不要

今まで説明してきたのは、婚姻により母親が父親の戸籍に入籍する場合です。
※男性の氏を称するケース。

それに対して、婚姻により父親が母親の戸籍に入籍する場合、子どもの手続きは不要になります。

なぜなら、子どもは元の戸籍から動かないですし、子どもの氏(母親の氏)も変わらないからです。

父親が母親の戸籍に入籍

父親が母親の氏を称するなら、子どもの手続きは不要なので、間違えないように注意しましょう。

 

5.さいごに

父親が子どもを認知した後に父母が婚姻すると、子どもは嫡出子となります。

ただし、母親が婚姻により父親の氏を称しても、子どもは母親の氏のままです。

子どもの氏を父親の氏にするには、父母の氏を称する入籍届を提出する必要があります。

母親の入籍と子どもの入籍は別の手続きになるので、認知後に婚姻する場合は気を付けてください。