不動産が共有名義なら固定資産税は誰が払うのか?

不動産が共有名義の場合、固定資産税は共有者全員に納付義務があります。自分の持分だけ支払うのではなく全額を支払う義務です。

亡くなった人の相続人が複数人いれば、相続人全員に固定資産税の納付義務が発生します。

1人で固定資産税を全額支払った場合、他の共有者に負担額を請求できます。

今回の記事では、共有名義不動産の固定資産税について説明しているので、不動産が共有状態であれば参考にしてください

1.固定資産税は共有者が連帯納付

まず初めに、固定資産税について簡単に説明しておきます。

固定資産税とは、固定資産の所有者が市町村に納める税金のことです。

固定資産税とは、固定資産の所有者が、固定資産の資産価値に応じて算定された税額をその固定資産の所在する市町村に納税する税金です。

出典:総務省ホームページ(固定資産税の概要)

土地と建物はどちらも固定資産となります。

そして、不動産が共有であれば、固定資産税は連帯納付となります。

第十条の二 共有物、共同使用物、共同事業、共同事業により生じた物件又は共同行為に対する地方団体の徴収金は、納税者が連帯して納付する義務を負う。

出典:e-Govウェブサイト(地方税法10条の2第1項)

分かりやすく説明するなら、共有者が何人であっても、固定資産税の納付は連帯責任となります。

例えば、共有者が3人(A・B・C)の場合、Aは3分の1を納めるのではなく、全額を納める義務があります。
*BやCも同じです。

たとえ共有持分が少しであっても、固定資産税の連帯納付者です。

共有者が固定資産税を納めれば、他の共有者の納税義務は消滅します。

固定資産税の請求は共有者全員にするのではなく、代表者に請求することになっています。

 

2.共有者の中から代表者を決める

不動産が共有の場合、固定資産税の請求は代表者に対して行われます。

固定資産税の納付書も代表者の住所地に送付されます。

2-1.代表者の決め方を知っておこう

代表者の決め方は、共有になった経緯により少し違います。

  • 最初から共有
  • 相続により共有

市町村ごとに決まっている

最初から共有とは、複数人で不動産を購入(新築)した場合です。

最初から共有の場合は、市町村ごとに代表者の決め方があります。

  • 不動産に居住している人
  • 市内に居住している人
  • 持分の多い人
  • 登記簿の記載順

各市町村ごとに決め方が違うので、ご注意ください。

ただし、代表者は市町村の強制ではなく、共有者同士で決めることもできます。

市町村に代表者変更届を提出することで、固定資産税の代表者は変更可能です。

相続人の代表者を決める

相続により共有になった場合は、市町村より相続人代表者指定届が送られてきます。

相続人の中から固定資産税の代表者を決めて、市町村に届出書を送付してください。

届出書を送付しなければ、市町村が代表者を決めます。

注意固定資産税の代表者を決めるのと遺産分割は別の手続きです。

2-2.代表者が納付しなければ他の共有者に請求

勘違いしやすいのですが、固定資産税の納付義務は共有者全員にあります。

あくまでも、手続き上の代表者を決めているだけなので、代表者が固定資産税を納付しなければ、他の共有者に請求が届きます。

固定資産税の代表者

たとえ共有者同士で固定資産税の負担について決めていても、納税義務とは無関係となります。

不動産の共有者である限り、固定資産税の納税義務者です。

 

3.不動産の相続と固定資産税の関係

不動産の相続と固定資産税の関係についてです。

  • 登記名義と固定資産税
  • 共有者の相続人も納税義務

3-1.相続登記が済んでいなくても納税義務

亡くなった人の相続人が相続登記を申請していなくても、固定資産税の納税義務は発生します。

なぜなら、不動産名義が亡くなった人であっても、不動産の所有権は相続人に移転しているからです。

市町村は固定資産税が納付されなければ、所有者が亡くなっているか確認します。そして、戸籍謄本等で死亡を確認すると、相続人の確認も同時に行います。

相続人が複数人であれば、市町村より相続人代表者指定届が送られてきます。

司法書士から一言亡くなった人と疎遠であれば、相続人代表者指定届で死亡を知ることも多いです。

相続放棄は相続の開始を知った日から3ヶ月以内なので、相続放棄をするなら期限経過に気をつけてください。

3-2.共有名義人の相続人も連帯納付義務

不動産の共有名義人が亡くなった場合、共有名義人の相続人も固定資産税の納付義務者となります。

また、共有名義人が亡くなる前に固定資産税を滞納していると、未払いの固定資産税も負債として相続財産となります。

亡くなった共有者が固定資産税の代表者だった場合、相続人も含めて新しい代表者を決めます。

相続人が複数人だったとしても、納付義務は全員にあるので注意しましょう。

 

4.固定資産税を1人で支払った場合

一般的に代表者は他の共有者から金銭を受け取り、市区町村に固定資産税を支払います。

ただし、他の共有者が金銭を支払わず、代表者が全額負担することも珍しくありません。

あるいは、代表者が支払わないので、共有者が全額支払うこともあります。

4-1.他の共有者に負担額を請求できる

1人で固定資産税を全額支払うと、他の共有者に対して求償権を取得します。

求償権
他人のために債務を弁済した場合、その他人に弁済を求める権利のこと

例えば、共有者がAとBの2人(持分同じ)で、Aが固定資産税を全額負担した場合です。

Aは共有者Bに対して、固定資産税の2分の1(Bの負担額)を請求することができます。


固定資産税は連帯納付なのですが、共有持分により負担割合は決まっています。

4-2.不動産を単独で使用しているなら注意

固定資産税を支払った人が、不動産を単独で使用しているなら注意が必要となります。

なぜなら、共有者に固定資産税を請求すると、逆に家賃を請求される可能性があるからです。

固定資産税と家賃

共有者からすると、固定資産税を請求するなら、代わりに家賃を請求するになります。

固定資産税を共有者に請求するなら、家賃の負担についても確認しておきましょう。

 

5.さいごに

不動産が共有名義だった場合の固定資産税について説明しました。

  • 固定資産税は連帯納付義務
  • 代表者に請求が届く
  • 登記名義と納付義務は別
  • 1人で全額支払うと求償権

共有者が固定資産税を支払わないと、あなたが全額負担することになります。

また、共有名義人に相続が発生すると、相続人も連帯納付義務者となります。

不動産を共有状態で放置しておくと、さまざまな問題が発生します。できる限り早めに不動産の共有状態は解消しておきましょう。

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