遺留分にも時効があるので請求期限は確認しておこう

  • 2021年11月3日
  • 2021年11月11日
  • 遺留分

遺留分侵害額請求権にも請求期限があるのはご存知でしょうか。

一定期間に請求しなければ、請求権は時効により消滅します。

消滅時効は2つあります。

  • 知った日から1年経過
  • 相続の開始から10年経過

どちらかに該当すると、遺留分侵害額請求権を行使することはできません。

今回の記事では、遺留分侵害額請求権の請求期限について説明しているので、遺留分を侵害されているなら参考にしてください。

1.遺留分を侵害されているなら請求が必要

あなたの遺留分が侵害されていても、請求しなければ何も起こりません。

あくまでも、遺留分を侵害されている場合に、侵害額を請求できる権利です。

また、遺留分を侵害している側も、請求されなければ支払う義務はありません。

間違えやすいのですが、遺留分を侵害する遺言書が残されていても、遺言書は有効に成立しています。

1-1.請求は意思表示だけで大丈夫

遺留分侵害額請求権を行使するという意思表示があれば、具体的な金額を明示する必要はありません。

一般的には、遺留分侵害額請求の意思表示をした後で、具体的な侵害額を計算していきます。

亡くなった人の財産が預貯金だけであれば、侵害額も計算しやすいです。一方、不動産などがあると、侵害額の計算で揉めやすくなります。

1-2.意思表示には期限の定めがある

意思表示は口頭でも可能ですが、証拠を残すためにも書面で請求しましょう。通常は、配達証明付きの内容証明郵便で郵送します。

なぜ、証拠を残すのかというと、遺留分侵害額は一定期間内に請求しなければ、請求権が消滅してしまうからです。

以下の期限内に、請求したことを書面で証明します。

  • 遺留分の侵害を知った日から1年以内
  • 相続の開始から10年以内

各項目で説明していきます。

 

2.知った時から1年で請求権は時効で消滅する

1つ目の請求期限は、遺留分の侵害を知った時から1年以内です。

遺留分侵害額請求権は、遺留分の侵害を知った時から1年以内に行使しなければ、時効により消滅します。

(遺留分侵害額請求権の期間の制限)
第千四十八条 遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。

出典:e-Govウェブサイト(民法1048条)
消滅時効
一定期間行使されない権利を消滅する制度のこと

侵害を知った日から1年で消滅

遺留分の侵害を知った日から1年以内なので、知った日が重要になります。

2-1.遺留分の侵害を知った日が重要になる

遺留分の侵害を知った日とは、2つの事実を知った日のことです。

  • 相続の開始(死亡したこと)
  • 遺留分を侵害する贈与または遺贈

死亡したことを知っただけでなく、遺言書の内容(侵害の事実)なども知る必要があります。

例えば、亡くなった人と疎遠であれば、死亡したことを知るのも遅くなるので、遺留分の侵害を知った日も遅くなります。

あるいは、死亡したことは当日に知っていても、遺言書の存在を知らなければ、遺留分の侵害を知った日は死亡日よりも遅くなります。

2-2.消滅時効の起算日は争いになりやすい

遺留分の侵害を知った日がいつになるのかは、請求する側と請求される側で争いになりやすいです。

なぜなら、請求される側からすると、知った日が早いほど1年経過している可能性が高くなるからです。

死亡日よりも後に遺留分の侵害を知った場合は、知った経緯について説明できるようにしておきましょう。

 

3.相続の開始から10年でも請求権は消滅する

2つ目の請求期限は、相続の開始から10年以内です。

遺留分侵害額請求権は、相続の開始から10年以内に行使しなければ消滅します。

(遺留分侵害額請求権の期間の制限)
第千四十八条 遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。

出典:e-Govウェブサイト(民法1048条)

相続の開始から10年で消滅

相続の開始から10年経過すると、遺留分侵害額請求権を行使することはできません。

つまり、死亡日から10年経過すると、遺留分の侵害を知らなくても請求権は消滅します。

亡くなった人と疎遠になっていて、死亡したことを10年以上知らなければ、すでに遺留分侵害額請求権は消滅しています。

 

4.発生した金銭債権にも請求期限がある

遺留分侵害額請求により発生した金銭債権にも、遺留分請求権の時効期間とは別に時効期間があります。

(債権等の消滅時効)
第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

出典:e-Govウェブサイト(民法166条)

遺留分侵害額請求権を行使することにより、遺留分侵害額を金銭で請求することができます。

ただし、金銭請求権にも消滅時効があるので、知った時から5年間行使しなければ消滅します。

分かりやすく説明するなら、遺留分侵害額請求権を期限内に行使しても、その後何もしなければ金銭請求権は時効により消滅します。

遺留分侵害額請求により発生した金銭請求権についても、放置せずに請求しておきましょう。

 

5.さいごに

遺留分侵害額請求権にも請求期限があります。

請求期限は、以下のどちらかです。

  • 遺留分の侵害を知った日から1年以内
  • 相続の開始から10年以内

請求期限内に請求しなければ、請求権は時効により消滅します。

遺留分侵害額請求権を行使する場合は、期限内に請求したことを証明するためにも書面で行いましょう。

遺留分侵害額請求により発生した金銭請求権にも消滅時効があるので、忘れずに金銭請求権も行使しておいてください

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