特別縁故者が不動産を取得した際の手続き

特別縁故者が不動産を取得
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亡くなった人の特別縁故者と認められて不動産を取得すると、不動産に関する手続きが待っています。

不動産の所有権移転登記や不動産取得税・相続税等の税金の支払い。不動産を取得して終わりではなく、その後の手続きについても知っておく必要があります。

亡くなった人の不動産を取得する予定の人は、手続きについて確認しておいてください。

1.特別縁故者への所有権移転

特別縁故者への財産分与により不動産を取得した場合には、2つの不動産登記が必要となります。

  1. 所有権登記名義人氏名変更登記
  2. 所有権移転登記

特別縁故者への所有権移転登記

1‐1.登記名義人氏名変更登記

亡くなった人の相続人不存在が確定すると、相続財産は法人となります。たとえば、亡くなった人がAさんとすると、亡A相続財産という法人に名称が変わります。

氏名変更登記は家庭裁判所から選任された、相続財産管理人が申請します。

1‐2.所有権移転登記

「亡〇〇相続財産」という法人から特別縁故者への所有権移転となります。所有権移転登記は司法書士に依頼することが可能です。

登記原因

登記原因は「民法958条の3の審判」です。特別縁故者への財産分与ではないのでご注意ください。
日付は審判確定日となります。

申請人

判決による登記に準じて、特別縁故者からの単独申請が可能です。

添付書類

確定証明書付き審判書正本
(特別縁故者の確認)

特別縁故者の住民票
(住所の確認)

固定資産税評価証明書
(登録免許税の確認)

委任状
(司法書に依頼する場合)

必要な費用

所有権移転登記には登録免許税という税金が発生します。
登録免許税は固定資産税評価額×2%です。

登録免許税を計算するために、固定資産税評価証明書を取得しておきます。特別縁故者への財産分与確定後は、特別縁故者が評価証明書を取得することができます。

司法書士に依頼する場合は依頼料。
料金表|特別縁故者への移転登記

 

2.不動産取得税の発生

特別縁故者が不動産を取得すると、不動産取得税が発生します。不動産取得税とは、不動産の取得者に課税される地方税です。

申告期限は都道府県により異なりますが、申告しなくても取得後6ヶ月から1年半ぐらいで、都道府県から納税通知書が届きます。

不動産取得税の基本的な計算
固定資産税評価額×4%です。
土地および住宅は、2021年3月31日までは3%です。

2‐1.課税標準額が一定額以下なら非課税

不動産の課税標準額が以下の金額以下なら非課税となります。

  • 土地は10万円
  • 家屋は12万円

課税標準額は軽減税率等を適用させた後の金額なので、正確な金額は税理士に確認してもらってください。

 

3.相続税の発生

特別縁故者も財産を取得することにより、相続税の課税対象者となります。

相続税に関しては『特別縁故者も相続税の課税対象者|財産を手に入れた後に支払いがある』で説明しております。

 

4.不動産を取得できない場合もある

特別縁故者が不動産を取得した前提で説明してきましたが、あなたが特別縁故者と認められても不動産を取得できない場合もあります。

なぜかというと、相続人不存在確認の手続きの中で、債権者等に相続債務の支払いをします。財産に現金があれば問題ないのですが、支払いに充てる現金がなければ不動産を売却して現金に換えます。

支払いが終わって残った相続財産の一部または全部を、特別縁故者が取得することになります。

亡くなった人の財産構成によっては、希望する不動産の取得は難しいかもしれません。

 

5.さいごに

特別縁故者が不動産を取得した場合も、一般的な不動産の取得と同じように手続きがあります。

特別縁故者への所有権移転登記や税金の支払い等が発生します。ですので、財産分与により取得した財産に現金が少なければ、あなたの財産から支払うことになります。

相続人不存在の手続きをする段階で、不動産を取得した後の手続きについても確認しておいてください。