特別縁故者として財産分与の申立てを検討しているなら、申立期間の経過には気を付けてください。
相続人捜索の公告期間が満了してから、3ヶ月以内が申立期間となります。気付かなかったとしても、期間は延長されません。
まずは、相続財産管理人が選任されているかを確認してください。
1.相続財産管理人の選任が必要
特別縁故者の財産分与の申立てをするには、まず初めに相続財産管理人の選任が必要となります。
なぜなら、選任された相続財産管理人が、負債の返済や相続人の捜索を行うからです。相続人の不存在が確定してから、特別縁故者の申立てが可能となります。
ですので、相続財産管理人が選任されない限り、特別縁故者の申立てをすることは出来ません。
1-1.申立は特別縁故者も可能
相続財産管理人の選任申立ては、特別縁故者がすることも可能です。
【申立先の家庭裁判所】
亡くなった人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
【申立に必要な費用】
- 収入印紙(800円分)
- 予納切手
*家庭裁判所により違います - 官報公告料(4,230円)
- 予納金
*亡くなった人の財産により違います
他の人が相続財産管理人の選任申立てをしている場合は、改めて申立てをする必要はありません。
1-2.相続人の不存在確定までの期間
相続財産管理人が選任されてから、相続人の不存在確定までには最低でも10ヶ月以上かかります。
- 相続財産管理人の選任公告(2ヶ月)
- 債権申し出の公告(2ヶ月以上)
- 債権の清算手続き
- 相続人捜索の公告(6ヶ月以上)
最後の相続人捜索の公告期間が満了すると、特別縁故者の財産分与の申立てが可能となります。
*相続人が発見されると手続きは終了です。
2.相続人の不存在確定後3ヶ月以内
相続人の不存在確定後、3ヶ月以内が特別縁故者の財産分与申立て期間となります。
第958条の期間とは相続人捜索の公告期間のことです。
3ヶ月が経過してしまうと、特別縁故者の財産分与を申し立ては認められません。たとえ相続財産管理人の選任申立てをしたのが、特別縁故者であっても同じです。
2-1.公告期間の満了時期を確認しておく
相続財産管理人が選任されてから、公告期間の満了までは1年ほどかかります。確実に1年というわけではなく、官報公告の期間によっても前後します。
官報公告をチェックし続けるのは現実的ではないので、家庭裁判所や相続財産管理人に問い合わせる方が確実です。
公告期間の満了日を確認しておいて、前もって申立ての準備をしておきましょう。
2-2.特別縁故者に対する財産分与の申立て
特別縁故者に対する財産分与の申立てです。
【申立先の家庭裁判所】
亡くなった人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
【申立に必要な費用】
- 収入印紙(800円分)
- 予納切手
*家庭裁判所により違います
【申立に必要な書類】
- 申立書
- 申立人の住民票
- 特別な縁故を証する資料
*複数用意して提出します
特別縁故者が財産を取得するには、「相続財産管理人の選任申立て」と「特別縁故者の財産分与の申立て」の2つが必要となります。
3.さいごに
特別縁故者の財産分与の申立て期間は、相続人の不存在確定後3ヶ月以内です。
相続人の不存在を確定させるには、相続財産管理人を選任しておく必要があります。相続財産管理人が選任されてから、相続人の不存在確定までは1年ぐらいです。
相続人捜索の公告期間が満了する時期を確認しておかないと、気付かない間に申立期間が経過する恐れがあります。
相続財産管理人に確認を取るなどして、経過状況を確認しておいてください。