相続財産管理人の官報公告は3回あり目的がそれぞれ違う

相続財産管理人に関する官報公告に、何が記載されているかはご存知でしょうか。

官報公告は3回あり、それぞれ目的が違います。

  • 相続財産管理人選任の公告
  • 相続債権者・受遺者への請求申出の公告
  • 相続人を捜索する公告

申立人が官報公告をするわけではないですが、公告の内容を知っておくと手続きが理解しやすいです。

今回の記事では、相続財産管理人に関する官報公告について説明しているので、申立てを検討しているなら参考にしてください。

1.相続財産管理人の選任を知らせる公告

1回目の官報公告は、相続財産管理人選任の公告です。

家庭裁判所が相続財産管理人を選任した際は、公告をしなければなりません。

(相続財産の管理人の選任)
第九百五十二条 (中略)
2 前項の規定により相続財産の管理人を選任したときは、家庭裁判所は、遅滞なくこれを公告しなければならない。

出典:e-Govウェブサイト(民法952条2項)

1回目の公告の目的は、亡くなった人の相続人が不明なので、相続財産管理人が選任されたことを知らせるためです。

公告は家庭裁判所がするので、相続財産管理人がする必要はありません。

家庭裁判所の行う公告については、家事事件手続規則により公告方法が決まっています。

(公告の方法等)
第四条 公告は、特別の定めがある場合を除き、裁判所の掲示場その他裁判所内の公衆の見やすい場所に掲示し、かつ、官報に掲載してする。

出典:最高裁判所ホームページ(家事事件手続規則4条)
官報
国が発行している新聞のようなもの

以下は、1回目の官報公告の記載例です。

相続財産管理人の選任

 次の被相続人について、相続人のあることが明らかでないので、その相続財産の管理人を次のとおり選任した。

令和3年(家)第12345号
大阪府大阪市北区〇〇町1丁目2番3号
申立人 〇〇 〇〇
本籍大阪府大阪市中央区〇〇町2丁目3番地、最後の住所大阪府大阪市中央区〇〇町2丁目3番地、死亡の場所大阪府大阪市、死亡年月日令和2年5月5日、出生の場所大阪府大阪市、出生年月日昭和10年6月19日、職業無職
被相続人 亡 大阪 太郎
大阪府大阪市西区〇〇町3丁目2番1号
相続財産管理人 弁護士 〇〇 〇〇
大阪家庭裁判所

1回目の官報公告から2ヶ月以内に相続人が判明しなければ、2回目の公告を行います。

 

2.相続債権者や受遺者への請求申出の公告

2回目の官報公告は、相続債権者や受遺者に対する請求申出の公告です。

1回目の公告から2ヶ月以内に相続人が判明しなかったときは、2回目の官報公告を行います。

(相続債権者及び受遺者に対する弁済)
第九百五十七条 第九百五十二条第二項の公告があった後二箇月以内に相続人のあることが明らかにならなかったときは、相続財産の管理人は、遅滞なく、すべての相続債権者及び受遺者に対し、一定の期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。

出典:e-Govウェブサイト(民法957条)

2回目の公告の目的は、相続債権者と受遺者に対して請求申出の催告になります。請求を申し出なければ弁済から除斥されます。

請求申出の公告は相続財産管理人がするので、忘れずに公告の手続きをしてください。

以下は、2回目の官報公告の記載例です。官報には縦書きで掲載されます。

相続財産管理人の2回目公告

催告
一定の行為をすることを相手に要求する通知のこと

官報公告の文章はひな型があるので、掲載依頼をする際に困ることはないです。

2回目の公告から2ヶ月以上経過すると、3回目の公告が行われます。

 

3.相続人を捜索する最後の公告

3回目の官報公告は、相続人への相続権を主張すべき旨の公告です。

相続債権者や受遺者に対する請求申出の公告期間が終了しても、なお相続人の存在が不明なら最後の公告を行います。

(相続人の捜索の公告)
第九百五十八条 前条第一項の期間の満了後、なお相続人のあることが明らかでないときは、家庭裁判所は、相続財産の管理人又は検察官の請求によって、相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、六箇月を下ることができない。

出典:e-Govウェブサイト(民法958条)

3回目の公告の目的は、相続人に対する最後のお知らせになります。期間内に相続権を主張しなければ、その後は相続権を主張することができません。

相続債権者・受遺者に対する請求申出の期間が満了しても相続人が不明であれば、相続財産管理人は家庭裁判所に公告を請求します。

以下は、3回目の官報公告の記載例です。

相続権主張の催告

次の被相続人の相続財産に対し相続権を主張する者は、催告期間満了の日までに当裁判所に申し出てください。

令和3年(家)第23456号
大阪府大阪市北区〇〇町1丁目2番3号
申立人 〇〇 〇〇
本籍大阪府大阪市中央区〇〇町2丁目3番地、最後の住所大阪府大阪市中央区〇〇町2丁目3番地、死亡の場所大阪府大阪市、死亡年月日令和2年5月5日、出生の場所大阪府大阪市、出生年月日昭和10年6月19日、職業無職
被相続人 亡 大阪 太郎
大阪府大阪市西区〇〇町3丁目2番1号
相続財産管理人 弁護士 〇〇 〇〇
催告期間満了日 令和4年5月6日
大阪家庭裁判所

公告の内容は1回目と同じですが、催告期間満了日が追加されています。

3-1.財産が残らなければ公告はされない

相続人の存在が不明であっても、判明している負債が相続財産を上回っていれば、3回目の公告は行われません。

なぜなら、相続財産が残らないのであれば、相続人捜索の公告をする必要がないからです。

また、管理費用を支払うと相続財産が残らない場合も、同じ理由で公告は行われません。

3-2.申立人は催告期間満了日を確認しておこう

相続財産管理人の選任申立てをした人にとって、催告期間満了日は重要となります。

催告期間満了日までに相続人が判明しなければ、相続人不存在が確定するからです。

申立人の目的は、相続人不存在が確定した後の手続きなので、それまでに手続きの準備をしておきましょう。

 

4.さいごに

相続財産管理人に関する官報公告は3回あります。

相続財産管理人の官報公告

  • 1回目は相続財産管理人選任のお知らせ。
  • 2回目は相続債権者と受遺者への請求申出の催告。
  • 3回目は相続人への相続権主張の催告。

相続人の不存在が確定するのは、3回目の官報公告から最低でも6ヶ月以上経過してからです。

官報公告は家庭裁判所や相続財産管理人が行うので、申立人がすることはありません。

相続財産管理人の選任を検討している人は、手続きの流れを知っておいてください。

以下のようなケースでは、相続財産管理人が必要になります。

  • 特別縁故者の財産分与
  • 亡くなった人の財産管理を引き継ぎたい
  • 亡くなった人の共有持分を取得
  • 相続債権を回収

相続財産管理人に関する記事も複数ありますので、悩みを解決するための参考にしてください。

相続財産管理人記事一覧

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