不動産(実家)を共有名義にするのはデメリットが多い

亡くなった親が不動産を所有していた場合、安易に共有名義にするのは止めた方がいいです。

なぜなら、不動産の共有状態はデメリットが多く、後から処分等で揉めることもあります。できる限り、生前に不動産について話し合っておき、共有状態を避けるようにしましょう。

今回の記事では、不動産を共有状態にした場合のデメリットについて説明していきます。

1.共有名義で揉める3つの理由

相続によって不動産を共有状態にすると、後々揉めることが多いと言われています。

なぜかというと、不動産の共有により発生するデメリットを、相続人間で話し合っていないからです。

以下の3つが特に揉めやすいです。

  • 不動産の処分は全員の同意
  • 家賃等の支払い請求
  • 管理費用は誰が負担するのか

1-1.不動産を処分するには全員の同意

不動産を共有にした場合のデメリットとして、一番有名ではないでしょうか。

共有名義不動産の処分には、共有者全員の同意が必要となります。誰か1人でも反対すると処分することができません。

(共有物の変更)
第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。

出典:e-Govウェブサイト

共有物の変更には以下があります。

  • 不動産の売却
  • 不動産の贈与
  • 建物の取り壊し

たとえば、不動産を売却することには同意していても、売却金額で揉めることもあります。お金に余裕がある人は少しでも高く売りたいですし、お金に余裕がない人は低くてもすぐに売りたいです。

共有者全員の同意が必要というのは、思っているよりもハードルが高いです。

1-2.家賃等の支払いで揉める

実家が共有名義になっていても、実際に住んでいるのは相続人の1人ではないでしょうか。

住んでいない相続人からすると得がないので、持ち分に応じた家賃を請求する人もいます。ですが、前もって家賃等について決めておかないと、支払いで揉める可能性が高いです。

逆に、家賃の請求をしないのであれば、わざわざ不動産を共有にする意味もありません。最初から住む人の単独所有にしておきましょう。

1-3.管理費用等は誰が負担するのか

実家が共有名義になっているが、誰も住んでいない場合もあります。

不動産に誰も住んでいない場合、1番近くに住んでいる人が損をする可能性が高いです。
なぜなら、近くに住んでいる人が、なし崩し的に管理を押し付けられることが多いからです。

定期的に窓を開ける等の換気を行ったり、草むしりや枝切りなどもしなければなりません。業者に頼むこともできますが料金は安くはないでしょう。

遠方に住んでいる人は、実家の管理については気にしていないことが多いです。揉めないためにも管理費用の分担は決めておくべきです。

 

2.時間が経てば新たな相続が発生する

不動産をとりあえず共有にしても、時間が経てば新たな相続が発生します。

共有者もいつかは亡くなるので、共有持ち分が相続され権利関係が複雑になります。

相続により共有者変更

最初は兄弟姉妹なので揉めなかったとしても、相続が発生すると兄弟姉妹の配偶者や子ども(甥・姪)と共有になります。生前に交流がまったくなかったとしても、共有状態になってしまいます。

【1.共有名義で揉める3つの理由】で書いたとおり、揉める理由は複数あります。共有者が増えるほど揉める可能性も増えていきます。

不動産(実家)を共有にしたとしても、誰かが亡くなる前に解消しなければ、残される相続人が困ることになります。

 

3.持ち分を処分されるリスク

【1-1.不動産を処分するには全員の同意】で説明したとおり、共有不動産を処分するには共有者全員の同意が必要です。

ただし、自分の共有持ち分を売るのは自由なので、他の共有者の同意は不要です。

共有持ち分の処分は自由

かつては、不動産の共有持ち分の買い手を探すのは難しかったです。ですが、最近ではインターネットで、簡単に持分買取会社を見つけることができます。

持分買取会社は買うメリットがあるので、持ち分を売ってくれる人を探しています。持分取得後はビジネスとして、遠慮なく共有者の権利を主張してきます。

  • 賃料の請求
  • 持分の買い取り
  • 共有物分割請求

正当な権利の行使なので防ぐことができません。最終的には金銭を支払って解決することが多いです。

不動産を共有にする前にしっかりと話し合っておかないと、急に第三者が共有者になる可能性があります。

 

4.さいごに

実家を共有名義にするのはデメリットが多いので、初めから避ける方が安全です。すでに共有状態になっている場合は、一刻も早く解消する必要があります。

いつか必ず共有状態は終わりを迎えることになります。後回しにすればするほど、解消にかかる手間や費用が増えてしまいます。

安易に不動産を共有にするのではなく、「住む予定はあるのか」「金銭面の負担はどうするのか」等を、しっかりと相続人間で話し合っておいてください。

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