事実婚の被扶養者|夫婦であることを証明する証拠にもなる

事実婚の配偶者も社会保険の被扶養者になることができます。

社会保険の被扶養者になると、健康保険料が免除されたり、国民年金の第3号被保険者になることも可能です。

ただし、無条件に認められるわけではなく、事実婚であることを証明する必要があります。

今回の記事では、事実婚の被扶養者について説明しているので、ご存知ない部分があれば参考にしてください。

1.事実婚でも被扶養者になれる理由

法律上の配偶者でなければ法定相続人にはなりません。では、社会保険において事実上の配偶者が被扶養者になれる理由は何でしょう。

社会保険制度では、扶養の判断基準を法律ではなく、実際の生活という事実を重視します。

ですので、事実上の婚姻関係にあれば、配偶者として保障を受けることができます。

以下は、健康保険法と厚生年金法の条文です。

(定義)
第三条
7一 被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。以下この項において同じ。)の直系尊属、配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この項において同じ。)、子、孫及び兄弟姉妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するもの

出典:e-Govウェブサイト(健康保険法3条7項1号)

(用語の定義)
第三条
2 この法律において、「配偶者」、「夫」及び「妻」には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むものとする。

出典:e-Govウェブサイト(厚生年金法3条2項)

それぞれの法律で、配偶者の範囲に事実婚の配偶者を含んでいます。

それに対して、相続は法律上の婚姻関係を絶対条件としているので、事実婚を何十年続けても法定相続人にはならないのです。

 

2.配偶者が被扶養者になると何が違う

事実婚の配偶者が被扶養者になると以下が違います。

  • 健康保険料の免除
  • 国民年金の第3号被保険者となる
  • 事実婚の証明に使える

2-1.配偶者の健康保険料が免除される

世帯主が会社員や公務員であれば、事実婚の配偶者は扶養に入ることで保険料が免除になります。

配偶者が扶養に入っても世帯主の保険料が増額されるわけではないです。

2-2.国民年金の第3号被保険者となる

国民年金の第3号被保険者となることで、国民年金保険料の支払いもなくなります。

2-3.事実婚の証明としても使える

事実婚の配偶者が被扶養者になっていると、事実婚であることの証明として使うことができます。

なぜなら、社会保険の被扶養者と認められていることが、実際に事実婚状態であることの証となるからです。

 

3.被扶養者になるには事実婚の証明が必要

被扶養者になるには事実婚であることを証明する必要があります。

戸籍謄本等では婚姻関係を証明することができないので、別の書類等で事実を証明していきます。

  • 住民票
  • 事実婚契約書
  • 賃貸借契約書
  • 民生委員発行の証明書

上記の中でも一番重要なのが住民票です。

住民票の続柄が「妻(未届)または夫(未届)」と記載されていれば、婚姻届けを提出していない夫婦であることの証拠となります。住民票の続柄の変更は市区町村役所で手続きをするだけです。

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4.事実婚の配偶者が被扶養者になる条件は3つ

事実婚の配偶者が被扶養者となるには、法律婚の配偶者と同じように条件があります。条件を満たしていなければ被扶養者とはなれません。

  • 事実婚の夫婦が同居していること
  • 被保険者が世帯主であること
  • 配偶者の収入が年収130万円未満、かつ、被保険者の年収の50%未満

法律婚の配偶者には同居要件はないのですが、事実婚の配偶者には同居要件があります。事実で証明するのが事実婚なので、同居という事実は重要になります。

収入要件の130万円未満は有名なのですが、被保険者の50%未満であることも要件なので注意してください。

被扶養者の収入条件

ただし、配偶者の収入が130万円未満で被保険者の収入の半分以上であっても、世帯の生計状況を総合的に勘案して被扶養者になれることもあります。

 

5.子どもを被扶養者にする

子どもを被扶養者にすることもできますが、事実婚の場合は条件があるので確認しておいてください。

5-1.夫婦の間に子どもができた

相続でも重要になるのですが、出生だけでは父子の親子関係は成立しません。

父親が子どもを認知することで法律上の親子関係が成立します。その後は扶養や相続の権利が発生します。

認知が済んでいない場合は、必ず認知を済ませておいてください。

5-2.配偶者に子どもがいる

事実婚の配偶者に連れ子がいる場合も、被扶養者とすることができます。

社会保険の扶養は事実を重視するので、被保険者が子どもと同居していて生計を担っていれば認められます。

もちろん、連れ子と養子縁組をしていれば、法律上の親子関係になるので扶養の対象です。

 

6.さいごに

事実婚の配偶者も社会保険の被扶養者となることができます。もちろん、条件があるのですべての人がなれるわけではないです。

社会保険の被扶養者となることで、事実婚の配偶者であることを証明することにもなります。事実婚の配偶者は相続において不安定な立場となるので、できる限る事実婚の証明となる事実を用意しておきましょう。

事実婚の証明とは別に遺言書等の相続手続も必要となります。後回しにすることなく必ずしておいてください。

事実婚では相続対策が必須となります。後回しにするメリットはありません。

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