同性カップルで不動産を購入している。あるいは、検討している人もいると思います。昔に比べると住宅ローンを組みやすくなったので、これからは購入するカップルも増えるかもしれません。
ただし、不動産は購入するのも大変ですが、同性パートナーに残すのも大変です。
相続対策は必須ですし税金も発生します。不動産の購入を検討している同性カップルは、残す対策についても考える必要があります。
目次
- 不動産の名義人を確認
- どちらかの単独名義
- パートナーと共有名義
- 相続対策は絶対に必要
- 不動産に関係する税金
- 相続人でなくても課税対象者
- 不動産を取得すると発生
- 不動産の名義変更にも税金
- まとめ
1.不動産の名義人を確認
同性カップルが不動産を所有している場合の名義人は、2パターン考えられます。
- どちらかの単独名義
- パートナーと共有名義
1‐1.どちらかの単独名義
不動産が単独名義になっているケースは2つあります。
同性カップルが不動産を購入する際は、どちらか1人が契約してパートナーが資金援助をするケースが多かったと思います。
完全に1人で契約を完了させるので不動産は単独名義になります。
最近では、同性カップルも収入合算で、住宅ローンを組める銀行もあります。
収入合算では、同性パートナーの収入も考慮してくれるので、銀行から借りれる金額が増えます。
ただし、同性パートナーは連帯保証人になりますが、あくまでも契約者は1人なので不動産は単独名義です。
1‐2.パートナーと共有名義
共有名義になっているケースは、ペアローンを組んで購入したか、2人がお金を貯めて購入した場合です。
同性カップルがペアローンを組んで、不動産を購入すると共有名義になります。
ペアローンの契約者は2人です。お互いを連帯保証人にして銀行からお金を借り、2人で不動産を購入します。
2.相続対策が絶対に必要
同性カップルが不動産を購入した場合は、絶対に相続対策が必要です。
通常、住宅ローン契約をする際は、団体信用生命保険に加入することが義務付けられています。団体信用生命保険に加入していると、住宅ローンを支払い終える前に亡くなっても、保険金で残額を支払えるようになっています。
同性カップルの相続対策も同じです。万が一亡くなったときのために、不動産を購入すると同時に遺言書を書いておきます。
遺言書を書くのは義務ではないですが、不動産を購入する以上は責任があります。
1人名義なら書かなければ、同性パートナーに不動産は残せません。
共有名義なら書かなければ、同性パートナーは相続人と共有状態になります。
不動産の購入と相続対策は、セットで考える必要があります。
3.不動産に関係する税金
不動産を同性パートナーに残すと、3種類の税金が関係します。
- 相続税
- 不動産取得税
- 登録免許税
3-1.相続人でなくても課税対象者
同性パートナーに不動産を残すと、相続税が発生する可能性があります。
相続税には基礎控除があるので、一定額を超えた場合に発生します。
相続税については『LGBT・同性婚と相続税|パートナーには厳しい税金のルール』をご覧ください。
3-2.不動産を取得すると税金発生
不動産取得税とは、不動産を取得した際に都道府県が課税する税金です。
同性パートナーの取得方法により、課税の有無が変わります。
不動産を相続した場合は不動産取得税はかかりません。
包括遺贈で不動産を取得した場合はかかりません
それに対して、特定遺贈で不動産を取得すると、不動産取得税が発生します。
信託契約終了により、不動産を承継した場合も不動産取得税が発生します。
信託契約については『同性婚と信託契約|可能性を秘めた新しい対策』をご覧ください。
取得方法 | 不動産取得税 |
相続 | ー |
包括遺贈 | ー |
特定遺贈 | 発生 |
信託契約終了 | 発生 |
財産に不動産がある場合は、特定遺贈にするのか包括遺贈にするのかで、同じ遺贈でも税金に違いがあるので注意が必要です。
3-3.不動産の名義変更にも税金
登録免許税とは、登記をする際に課税される税金です。不動産の所有権が移転した場合は不動産登記が必要です。
同性パートナーの取得方法により税率が変わります。
相続の場合は固定資産税評価額×0.4%です。
遺贈による移転は、特定・包括遺贈共に金額は同じで、固定資産税評価額×2%です。
遺贈による所有権移転は、登記をしないと第三者に対抗できません。
信託契約終了による移転は、固定資産税評価額×2%です。
取得方法 | 登録免許税 |
相続 | 0.4% |
包括遺贈 | 2% |
特定遺贈 | 2% |
信託契約終了 | 2% |
不動産の所有権の移転登記は、通常は司法書士に頼むことになるので、依頼料も発生します。
4.さいごに
不動産が人生で一番高い買い物だと思います。
したがって、同性パートナーに確実に残せるように対策をする必要があります。
遺言書等の対策をしていないと、最悪の場合は住む所が無くなります。購入するのとセットで対策を立てましょう。
不動産を残す場合は、思っているよりも税金が発生します。残す対策を考えるときは、税金の支払いまで考慮する必要があります。
これからは不動産を購入する同性カップルも増えてくると思うので、忘れずに相続対策をしておきましょう。
[sitecard subtitle=関連記事 url=https://souzoku-mikachi.com/douseikon-juutakuron/ target=]