あなたが死後事務を委任しても、残念ながらトラブルが発生することもあります。
家族の手間を省くために契約を結んでも、トラブルが起こっては意味がないです。
なぜトラブルが発生するかというと、2つの理由が考えられます
- あなたは亡くなっている
- 家族の考えが違う
トラブルの理由が分かっていれば、防ぐことも可能なので参考にしてください。
1.あなたは亡くなっている
死後の事務なので契約の効力が発生したときには、あなたはすでに亡くなっています。
そのため、契約についてあなたに尋ねることはできません。
受任者(頼まれた人)以外の第3者が契約に対して疑問を持っても、あなたの口から説明を聞くことは不可能です。
ですので、トラブルになりやすいのです。
「本当に契約があったのか」や「契約内容は合っているのか」等が、トラブルの原因として挙げられます。
1‐1.口頭ではなく書面で作成
死後時委任契約は口頭でも契約は成立します。
けれども、トラブルを防ぐという意味でも、書面で契約書を作成しましょう。
万全を期すなら費用は発生しますが、公正証書での作成をお勧めします。
専門家に依頼する場合は、公正証書での作成でしか受けないはずです。
1‐2.親族等に知らせておく
親族に死後事務委任契約のことを知らせておくことも重要です。
なぜなら、あなたが亡くなったことを知った親族は、死後事務をするつもりで来るからです。
親族等に知らせておかなければ、別々の葬儀会社に頼む可能性もあります。
トラブルを防ぐためにも、死後事務委任契約について知らせておいてください。
2.家族の考えが違う
生前に自分の死後事務を頼んでおくことは、家族の手間を省くという利点もあります。
しかしながら、あなたの考えと家族の考えが、一致している保障はないです。
考えの違いがトラブルを招くこともあります。
- 金銭の価値は人それぞれ
- 遺骨の行方
- 感情論が1番揉める
2‐1.金銭の価値は人それぞれ
死後事務委任契約を第3者と結ぶ場合、必要な対価(報酬)が発生します。
あなたは納得して契約を結んでいると思いますが、相続人が報酬の金額に納得するかは別問題です。
なぜなら、死後事務委任契約を結んでいなければ、報酬分も相続財産となるからです。
たとえば、50万円を報酬として死後事務委任契約を結んでいるとします。
相続人の立場からすると、相続財産が50万円減額される契約です。
金銭面での考え方の違いはトラブルになりやすいです。
2‐2.遺骨の行方
近年、遺骨を海や山に散骨することを希望している人が増えています。
ただし、相続人の中には遺骨は家族のお墓に入るのが、当たり前だという考え方の人もいます。
あらかじめ、散骨を希望して死後事務委任契約を結んでいても、家族が遺骨を渡さないというトラブルも起きます。
2‐3.感情論が1番揉める
事実婚や同性婚では、死後事務で親族とトラブルになるケースは珍しくないです。
死亡診断書を誰が受け取るかや、遺品整理や形見分けなどトラブルの元はいくらでもあります。
生前から家族と関係が良好であれば、家族と死後事務で揉める可能性は低いです。
それに対して、生前から関係に問題があれば、揉める可能性も高いでしょう。
感情論なので防ぐのは難しいのですが、死後事務を弁護士等の第3者に頼むなどして、直接やり取りをしなくても済むようにする等が考えられます。
3.さいごに
死後事務委任契約を結んでいても、トラブルになる可能性はあります。
ただし、トラブルの理由をあらかじめ消しておくことで、可能性を下げることはできます。
契約は書面で作成するや家族に知らせておくことも、トラブルを防止する意味では重要です。
死後事務委任契約について相談する際に、トラブル防止についても相談してみてください。