亡くなった人に相続人が存在しなければ、特別縁故者には財産分与の可能性があります。
特別縁故者と認められるには、以下のどれかに該当する必要があります。
- 亡くなった人と生計を同一にしていた人
- 亡くなった人の療養看護に努めた人
- その他亡くなった人と特別な縁故があった人
①番の亡くなった人と生計を同一にしていた人は、主に以下の2つが考えられます。
- 事実上の親族関係にある人
- 親族だが相続人ではない人
あなたが亡くなった人と生計を同一にしていたなら、特別縁故者に該当する可能性はあります。
1.生計を同一にするとは
生計を同一にするとは、亡くなった人と家計(お金)を同じにしていたことです。財布を同じにするという言い方もします。
基本的には、家族が同じ家で生活していれば、生計を同一にしているといえるでしょう。
では、離れて暮らしている家族は該当しないのでしょうか。子どもが大学の近くで暮らしているや、家族が病院等に入院している場合等です。
離れて暮らしていても、子どもの生活費は仕送りしているや、入院費等を負担しているなら生計は同一と言えます。
結論としては、同居していると基本的に生計は同じと判断されます。別居している場合は個々の事情により判断されます。
2.事実上の親族関係にある人
特別縁故者として一番分かりやすいのが、法律上ではなく事実上の親族関係にある人です。事実上は婚姻関係や親子関係があっても、法律上ではないので相続人になれないです。
2‐1.事実婚の配偶者
昔から特別縁故者として名前が挙がるのは、内縁の妻(事実婚の配偶者)ではないでしょうか。
亡くなった人と事実婚の配偶者は法律上の婚姻関係ではないです。ただし、事実上の婚姻関係があれば、生計も同一にしているはずです。ですので、特別縁故者の要件に当てはまりやすいです。
注意点としては、事実上の婚姻関係であると認められるには、長期間の関係性が必要だと思われます。2人の関係が短期間だと認められにくいですし、分配される財産額にも影響するはずです。
2‐2.同性パートナー
同性カップルは婚姻の意思があっても、婚姻届けを受理してもらうことができません。したがって、現時点では法律上の婚姻関係になることができません。
事実婚の配偶者と同じく生計は同一にしているはずなので、特別縁故者の要件に当てはまりやすいと思います。
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2‐3.事実上の養子
養子縁組は提出していないが、親子と同様の生活をしている人のことです。
過去には内縁の夫の養子が、特別縁故者として認められたケースもあります。
3.親族だが相続人ではない人
誰が相続人になるかは法律で定められています。ですので、どんなに親しい親族がいても、相続人に該当しないケースもあります。
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3‐1.伯父(叔父)・伯母(叔母)
伯父(叔父)・伯母(叔母)は相続人ではないです。ちなみに、伯父・伯母は父母の兄や姉のことで、叔父・叔母は父母の弟や妹のことです。
*伯父・伯母の表記で統一して説明します。
甥や姪が相続人になることはあるのですが、伯父・伯母が相続人になることはないです。勘違いしやすいので気を付けてください。
自分の兄弟姉妹の子どもを引き取って生活している人もいます。生計は同一になっているはずなので、特別縁故者の要件を満たしやすいです。
3‐2.再婚相手の子ども
再婚相手の子どもは相続人ではないです。ただし、養子縁組をしていれば相続人となります。一般的には、幼い子供がいる人と再婚すると、養子縁組をしているケースが多いです。
養子縁組をしていなければ、幼い頃より一緒に暮らしていても相続人とはなりません。再婚すると自動的に法律上の子どもになると勘違いしやすいので、相続人にするのであれば養子縁組をしておいてください。
4.さいごに
特別縁故者として認められるための3類型に、亡くなった人と生計を同一としていた人があります。つまり、相続人以外で生計を同一としていた人です。
事実婚の配偶者や同性パートナー、あるいは伯父(叔父)・伯母(叔母)や再婚相手の子ども等が該当しやすいです。生計を同一にしていればその他の人も該当する可能性はあります。
ただし、あくまでも相続人がいないことが大前提となります。一人でも存在すると特別縁故者になることはありません。
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