相続放棄が面倒でも放置しない!手間を最小限に抑える方法

相続放棄が面倒
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すでに相続が発生しているなら、相続放棄の手続きが面倒でも放置してはいけません。

放置している間に3ヶ月経過すると、借金や負動産の相続、相続手続きへの強制参加なども確定するからです。

相続放棄の手続きを放置すると状況が悪化する

相続放棄したいなら面倒でも手続きを進めてください。時間が取れないなら、専門家に丸投げするでも大丈夫です。

今回の記事では、相続放棄の手間を省く方法も説明しているので、ぜひ参考にしてください。

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目次

1.相続放棄は面倒でも放置してはいけない

相続放棄の手続きを放置した場合の図

相続放棄の手続きは手間がかかるので面倒だと感じる人もいます。

ですが、面倒だからといって放置すると、亡くなった人の借金を相続したり、相続手続きに強制参加になるなど、悪い方向に進んでしまいます。

以下のような状態を防ぐためにも、相続放棄は面倒でも放置しないでください。

相続放棄を放置した場合のデメリットを説明した図
  1. 亡くなった人の借金・負動産も相続
  2. 財産が不要でも相続手続きに強制参加
  3. 名義変更しなければ不動産の共有者

1-1.亡くなった人の借金や負動産も相続

相続放棄が面倒だからと放置した場合、亡くなった人の借金や負動産も相続します。

相続人は亡くなった人の権利・義務をすべて承継するので、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も承継するからです。

以下は、民法の条文です。

第九百二十条 相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。
出典:e-Govウェブサイト(民法920条)

以下は、主なマイナスの財産。

  • 借金(銀行や消費者金融等)
  • 未払金(クレジットカード等)
  • 連帯保証債務
  • 賃貸物件の退去費用
  • 負動産(田畑や山林等)

例えば、亡くなった人に借金が1,000万円あった場合、相続放棄が面倒だからと放置すると、1,000万円を返済する義務は「あなた」が引き継ぎます。

亡くなった人の借金や負動産を引き継ぎたくないなら、面倒でも相続放棄の手続きをしてください。

1-2.財産が不要でも相続手続きに強制参加

相続放棄が面倒だからと放置した場合、財産が不要でも相続手続きに強制参加となります。

亡くなった人の相続手続きでは、遺産分割協議書を作成するのが一般的です。

そして、遺産分割協議は相続人全員の参加が条件なので、財産が不要な相続人も遺産分割協議書に署名捺印(実印)して、印鑑証明書を渡す必要があります。
※相続放棄した人の印鑑証明書は不要。

相続手続きに参加したくないなら、面倒でも相続放棄の手続きをしてください。

1-3.名義変更しなければ不動産の共有者

相続放棄が面倒だからと放置した場合、名義変更しない限り不動産の共有者になります。

たとえ他の相続人が不動産を使用していても、亡くなった人名義で放置している限り、不動産は相続人全員で共有です。

被相続人|父親
相続人 |長男・二男
相続財産|不動産(実家)

長男は父親と同居しており、父親が亡くなった後も実家に住んでいる。

二男は相続するつもりが無かったが、相続放棄は面倒なのでしなかった。

相続登記(名義変更)をしない限り、実家は長男と二男の共有です。

不動産を相続するつもりがなくても、名義変更をしない限り、不動産は共有として扱われます。

相続財産(不動産含む)が不要なら、面倒でも相続放棄の手続きをしてください。

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2.相続放棄が面倒だと感じる点は3つ

相続人が相続放棄を面倒だと感じる部分

相続放棄の手続きが面倒だと感じる点は、大きく分けると3つあります。

  1. 家庭裁判所に申述書を提出する
  2. 亡くなった人の戸籍等を集める
  3. 期限が3ヶ月以内と決まっている

上記を面倒だと感じた人は、何かしらの対応策を考える必要があるでしょう。

2-1.家庭裁判所に申述書を提出する

相続放棄が面倒だと感じる点の1つ目は、家庭裁判所に申述書を提出するです。

相続放棄は法律上の手続きなので、家庭裁判所に申述書を提出する以外の方法では成立しません。

  • 債権者に電話で意思表示
  • 相続人同士で書面を作成

上記の行為をしても、相続放棄にはならないです。

相続放棄申述書を取得して、必要事項を記入し、収入印紙800円分を貼り付けて、予納郵券と一緒に提出する必要があります。

相続放棄は法律上の手続きなので、面倒だと感じる人はいます。

2-2.亡くなった人の戸籍等を集める

相続放棄が面倒だと感じる点の2つ目は、亡くなった人の戸籍や除籍を集めるです。

家庭裁判所に申述書を提出する際は、以下の戸籍等を添付する必要があります。

  • 被相続人の死亡戸籍
  • 被相続人の住民票
  • 相続人の戸籍

ただし、相続放棄する人が、亡くなった人の配偶者・子ども以外であれば、上記以外にも戸籍等が必要になります。

例えば、亡くなった人の兄弟姉妹が相続放棄する場合は、以下の戸籍も追加で取得します。

  • 被相続人の出生から死亡までの全戸籍
  • 被相続人の両親の死亡戸籍
相続放棄に必要な戸籍を配偶者・子どもと兄弟姉妹で比較した図

戸籍の取得方法は、役所の窓口で請求するか、郵送で請求するかです。
※コンビニで取得する方法もある。

請求方法面倒な点
窓口役所の開庁時間に行く
待ち時間も発生する
郵送定額小為替や封筒の準備
請求先の住所を調べる
往復の郵送に時間がかかる

どちらの取得方法も、時間のない相続人にとっては、非常に面倒な作業です。

2-3.期限が3ヶ月以内と決まっている

相続放棄が面倒だと感じる点の3つ目は、期限が3ヶ月以内と決まっているです。

相続放棄は「相続の開始を知った日」から3ヶ月以内にする必要があります。

以下は、民法の条文です。

第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
出典:e-Govウェブサイト(民法915条)

相続の開始を知った日から3ヶ月以内に相続放棄の手続きをしなかった場合、相続人は単純承認したとみなされます。

どんなに時間が無くて面倒だったとしても、3ヶ月以内に手続きをしなければ、相続放棄はできなくなります。

あらかじめ期限が決まっているので、面倒だと感じる人はいます。

3.相続放棄が面倒なら専門家に丸投げ

相続放棄の面倒な手続きは専門家に依頼できる

相続放棄の手続きを面倒だと感じているなら、専門家(弁護士・司法書士)に丸投げするという選択肢もあります。

専門家に依頼すれば、面倒な手続きを代わりに行ってくれるので、手間はかかりません。

相続放棄を専門家に任せた場合のフローチャート図
  • 住民票や戸籍等をすべて集めてくれる
  • 申述書も専門家が作成してくれる
  • 期限内(3ヶ月)に間に合わせてくれる
  • 費用はかかるが面倒な作業はなくなる

3-1.戸籍等はすべて集めてくれる

専門家に依頼した場合、相続放棄に必要な戸籍等はすべて集めてくれます。

どんなに面倒な収集作業であっても、専門家が責任を持って集めます。

  • 戸籍の存在する役所が遠方にある
  • 戸籍の請求先が複数ある
  • 被相続人の本籍や住所が分からない

上記のような場合、自分でやると非常に面倒ですが、専門家に依頼しておけば家で待つだけです。

戸籍を集めるのが面倒なら、専門家に依頼してください。

3-2.申述書も専門家が作成してくれる

専門家に依頼すれば、相続放棄申述書も作成してくれます。

自分で申述書を作成する場合は、疑問を解消するのに手間もかかりますが、専門家に依頼しておけば関係ありません。

  • 申述書の入手先が分からない
  • 申述書の書き方が分からない
  • 申述書の訂正方法が分からない

上記のような悩みを気にする必要がないので、相続人の精神的な負担も減らせます。

相続放棄申述書の作成を面倒だと感じるなら、専門家に依頼してください。

3-3.期限内に間に合わせてくれる

専門家に依頼すれば、3ヶ月以内という期限にも間に合わせてくれます。

専門家は依頼を受ける段階で、どのくらい時間がかかるか計算しているからです。
間に合わないケースは断られる。

  • 仕事が忙しくて時間が取れない
  • 戸籍の収集に時間がかかっている
  • 3ヶ月に間に合うか不安になってきた

上記のような不安や焦りも、専門家に依頼しておけば大丈夫です。

相続放棄の手続きをする時間が取れそうになければ、専門家に依頼した方が良いでしょう。

3-4.費用はかかるが面倒な作業はなくなる

相続放棄を専門家に依頼すると費用はかかりますが、面倒な作業はなくなります。

インターネットで検索すれば、比較的安価に依頼を受けている事務所は見つかります。できれば、複数の事務所の料金を比較した方が良いです。

以下は、みかち司法書士事務所の料金になります。

相続放棄する人定額料金
配偶者29,000
子ども29,000
31,000
父母32,000
祖父母33,000
兄弟姉妹34,000
甥姪36,000
料金は税込み

上記の金額に、以下がすべて含まれています。

  • 戸籍等の取得費用
  • 収入印紙の購入費
  • 予納郵券の購入費
  • 家庭裁判所への郵送費
  • 相続放棄の相談料
  • 相続放棄の報酬

相続放棄の手続きが面倒だと感じる人は、専門家への依頼を検討してみてください。

4.自分で相続放棄するなら手間を省く

自分で相続放棄の手続きをする人のために、手間を省くポイントを説明します。

  • 申述書はネットから入手できる
  • 相続財産を調べる義務はない
  • 同じ戸籍は1枚だけで大丈夫
  • 申述書の提出は郵送でも可能
  • 専門家の無料相談を利用する

上記のポイントを確認して、できる限り手間を省いて相続放棄してください。

4-1.申述書はネットから入手できる

相続放棄の申述書は家庭裁判所の窓口だけでなく、ホームページからも入手できます。

したがって、家庭裁判所に行く手間を省きたいなら、ホームページから申述書をダウンロードしてください。

以下をクリックすると、家庭裁判所のホームページに移行できます。

家庭裁判所のホームページ

ホームページからダウンロードすれば、家庭裁判所の窓口に行く手間を省けます。

4-2.相続財産を調べる義務はない

相続財産を調べる義務はないので、相続財産の内容が不明でも相続放棄はできます。

申述書には相続財産の内容を記載しますが、知らなければ不明と書いて問題ありません。不明と書いても相続放棄は認められます。

例えば、亡くなった人と疎遠だから相続放棄する場合、わざわざ相続財産を調べなくて大丈夫です。

あなたが相続放棄する理由によっては、相続財産を調べる手間は省略できます。

4-3.同じ戸籍は1枚だけで大丈夫

複数の相続人が相続放棄する場合、同じ戸籍は1枚だけで大丈夫です。

例えば、父親の相続放棄をする場合、必要な戸籍等は以下になります。

  • 父親の死亡が記載された戸籍
  • 父親の最後の住民票(戸籍の附票)
  • 相続放棄する人の戸籍

相続放棄する人が複数人であっても、「父親の死亡戸籍」や「父親の住民票」は1枚提出すれば問題ありません。

相続人同士で協力できるなら、戸籍等を取得する手間は省けます。

4-4.申述書の提出は郵送でも可能

家庭裁判所に申述書を持参するのが面倒なら、郵送で提出しても問題ありません。

  • 管轄家庭裁判所が遠方にある
  • 家庭裁判所に行く時間がない

申述書を郵送で提出した場合であっても、要件を満たしていれば申述は受理されます。

家庭裁判所に行くのが面倒であれば、郵送で手間を省いてください。

4-5.専門家の無料相談を利用する

相続放棄について不明な点があれば、専門家の無料相談を利用してください。

調べても分からない部分があれば、専門家に聞いた方が手間もかからないからです。事務所によっては電話で答えてくれます。

何でも自分でやろうとすると、結果的に余計な手間がかかります。無料相談を上手く利用して、手間を省いてください。

5.面倒なので放置していたら3ヶ月経過した

相続放棄が面倒なので放置していたら3ヶ月経過してしまい、慌ててネットを検索して記事に辿り着いた人もいるでしょう。

ですが、原則として、3ヶ月経過している人は相続放棄できません。

例外は、相続の開始を知った日がズレるケースです。

例えば、被相続人の死亡を知った日から3ヶ月経過しているが、疎遠だったので相続財産の存在を知らなかった場合。

相続財産の存在を知らなかった理由があれば、知った日から3ヶ月を計算します。死亡を知った日から3ヶ月経過していても、相続放棄は認められる可能性があります。

もちろん、例外に該当する事情がなければ相続放棄できません。

すでに3ヶ月経過している人は、面倒でも以下の記事を読み込んでください。

6.まとめ

今回の記事では、「相続放棄が面倒」について説明しました。

相続放棄したいなら、どんなに面倒でも手続きをしてください。

  • 亡くなった人の借金・負動産も相続
  • 財産が不要でも相続手続きに強制参加
  • 名義変更しなければ不動産の共有者

どうしても手続きが面倒であれば、専門家に丸投げする方法もあります。費用はかかりますが、面倒な部分は専門家がしてくれます。

  • 住民票や戸籍等をすべて集めてくれる
  • 申述書も専門家が作成してくれる
  • 期限内(3ヶ月)に間に合わせてくれる

自分で手続きをする場合は、手間を省略できないかチェックしてみてください。

  • 申述書はネットから入手できる
  • 相続財産を調べる義務はない
  • 同じ戸籍は1枚だけで大丈夫
  • 申述書の提出は郵送でも可能
  • 専門家の無料相談を利用する

相続放棄したいなら、面倒であっても手続きはしてください。

相続放棄が面倒に関するQ&A

最後に、相続放棄が面倒に関して、よくある質問と回答を説明します。

自分で相続放棄すると面倒ですか?

時間が取れない人は面倒に感じるでしょう。

面倒だったので放置している間に3ヶ月経過しました。相続放棄は無理でしょうか?

原則として相続放棄できません。ただし、例外に該当する事情があれば可能性はあります。

戸籍を集めるのは面倒でしょうか?

相続放棄する人によります。

一般的には、配偶者、子供、直系尊属、兄弟姉妹の順番で面倒になります。

事務所に行く時間もありませんが、依頼は可能でしょうか?

可能です。電話でも事情は確認できます。

相続放棄のQ&Aについては、上記以外にもあるので参考にしてください。

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